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【SUPER GT 公式テスト】2日目、GT500は17号車 KEIHIN NSX-GTがトップタイムを記録。ホンダ勢が1-2

GT300は2号車 シンティアム・アップル・ロータス

2018年3月17日~18日 開催

岡山国際サーキットで行なわれた公式テスト

 4月7日~8日に岡山国際サーキットで開幕戦を迎える予定のSUPER GTは、3月17日~18日の2日間に開幕戦が行なわれる岡山国際サーキットで公式テストを行なった。この公式テストは、岡山国際サーキットのファン感謝デーを兼ねており、サーキットの入場料だけで観覧できたほか、「オープンピット」と呼ばれる公式戦におけるピットウォーク相当のイベントが開催されるなどして多くの来場者が訪れた。

 3月18日には公式テスト2日目として、午前、午後にそれぞれセッションが行なわれ、GT500は17号車 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史組、BS)が、GT300は2号車 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規組、YH)がそれぞれトップタイムをマークした。

 SUPER GTは今後3月24日~25日の2日間に渡って富士スピードウェイで行なわれる2回目の公式テストを経て、4月7日~8日に岡山国際サーキットでの開幕戦「2018 AUTOBACS SUPER GT Round1 OKAYAMA GT 300km RACE」を迎えることになる。

新しいスポーティングレギュレーションで初めて行なわれたスタート練習は迫力があった

セーフティカー先導による走行テスト

 公式テスト2日目になる3月18日には、午前に「セッション3」、午後に「セッション4」という2回のテストが行なわれた。この日の岡山国際サーキットの天気は晴れのち曇りというところで、「CIRCUIT LIVE WEATHER」のアプリケーションで確認したところお昼に向けて徐々に気温が上がっていき、昼間の気温は14~15℃程度。これに併せて路面温度も上がっていき、路面温度は20~23℃で推移していった。しかし、昼ごろから天気は曇りとなり太陽が隠れてしまったことで、徐々に気温や路面温度は下がっていき、午後のセッション4終了時には路面温度は17℃前後まで下がっていった。

 そうした天候の中で行なわれたセッション3、セッション4だが、午前中のセッション3の冒頭ではセーフティカー先導による走行テスト、午後のセッション4の冒頭ではセーフティーカー先導によるスタート練習などが行なわれた。

 特に2018年は、スタート進行に関するスポーティングレギュレーションが変更された。従来はスタート中に先頭車両のある程度の加減速が認められておりそれが駆け引きの1つの要素になっていたのだが、2018年からはポール車両の先導で一定の速度(80~90km/h)で2列で走り、加減速は禁止されている。

GT500クラスのスタート
GT500クラスのスタート

 また、従来はGT500に対してだけグリーンライトなどのスタート合図が出されており、GT300に関しては出されていなかったが、2018年からはGT300に関しても別途グリーンライトなどのスタート合図が出されることに変更された。このため、午後に行なわれたスタート練習は2018年のレギュレーションを適用して行なわれた。

GT300クラスのスタート

 3月17日の総合トップタイムを出した6号車 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/フェリックス・ローゼンクヴィスト組、BS)、25号車 HOPPY 86 MC(松井孝允/坪井翔/近藤翼組、YH)がそれぞれGT500、GT300を先導してスタート練習が行なわれたが、両クラスともにグリーンランプまで2列縦隊で進むため、1コーナーまでほとんどそのままなだれ込む結果になり、実際にレースになったらより接近戦が展開されることになりそうで、やる側は大変だと思うが、見る側にとってはこれまでよりも迫力があるスタートが期待できるだろう。

GT300クラスのスタート

GT500はホンダ勢がトップタイムをマーク

17号車 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史組、BS)

 2日目の走行も好天に恵まれたこともあり、各車ともに多くの周回を重ねることができた。ただし、すでに述べたとおり、午後は路面温度が下がってしまったこともあり、多くの車両がベストタイムをマークせず、午前のタイムがベストタイムになったところが多かった。

 GT500のトップに立ったのは17号車 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史組、BS)、2位にも100号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン組、BS)とホンダ勢が1-2となった。

100号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン組、BS)

 ホンダは他にも6位に64号車 Epson Modulo NSX-GT(ベルトラン・バゲット/松浦孝亮組、DL)、7位に8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也組、BS)が入るなど5台中4台がベスト10に入っており、好調さがうかがえる。

 なお、日産勢のトップは3位となった12号車 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー組、BS)、レクサス勢のトップは4位となった1号車 KeePer TOM'S LC500(平川亮/ニック・キャシディ組、BS)だった。

12号車 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー組、BS)

 ただし、今回の結果はあくまでテストでの結果。各車両がどんな設定で走っていたか(どれだけガソリンを乗せていたか、ウェイトハンデをどれだけ乗せていたか)は不明で、その意味では直接の比較はあまり意味がないが、タイムを見る限り3メーカーとも拮抗しており、2017年までのようにレクサス一強という状況ではないということは見えてきたと言える。

順位カーナンバーマシンドライバータイヤタイム
117KEIHIN NSX-GT塚越広大/小暮卓史BS1’18.177
2100RAYBRIG NSX-GT山本尚貴/ジェンソン・バトンBS1’18.256
312カルソニック IMPUL GT-R佐々木大樹/ヤン・マーデンボローBS1’18.542
41KeePer TOM'S LC500平川亮/ニック・キャシディBS1’18.770
523MOTUL AUTECH GT-R松田次生/ロニー・クインタレッリMI1’18.853
664Epson Modulo NSX-GTベルトラン・バゲット/松浦孝亮DL1’18.857
78ARTA NSX-GT野尻智紀/伊沢拓也BS1’18.908
836au TOM'S LC500中嶋一貴/関口雄飛BS1’18.971
938ZENT CERUMO LC500立川祐路/石浦宏明BS1’18.972
1019WedsSport ADVAN LC500国本雄資/山下健太YH1’18.999
116WAKO'S 4CR LC500大嶋和也/フェリックス・ローゼンクヴィストBS1’19.005
1224フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/高星明誠YH1’19.039
1316MOTUL MUGEN NSX-GT武藤英紀/中嶋大祐YH1’19.125
143CRAFTSPORTS MOTUL GT-R本山哲/千代勝正MI1’19.442
1539DENSO KOBELCO SARD LC500ヘイキ・コバライネン/小林可夢偉BS1’19.454

GT300は引き続きマザーシャシー勢がトップタイムをマーク

2号車 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規組、YH)

 GT300のトップは2号車 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規組、YH)、2位は25号車 HOPPY 86 MC(松井孝允/坪井翔/近藤翼組、YH)とマザーシャシー勢が1-2となった。これに続いたのが21号車 Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン/富田竜一郎/篠原拓郎組、DL)、26号車 TAISAN R8 FUKUSHIMA(山田真之亮/川端伸太朗組、YH)のアウディ勢で、JAF-GTではマザーシャシーが、FIA-GT300ではアウディ R8 LMSが好調そうに見える。

25号車 HOPPY 86 MC(松井孝允/坪井翔/近藤翼組、YH)
21号車 Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン/富田竜一郎/篠原拓郎組、DL)

 もっとも、GT300も開幕前のテストではBOP(性能調整)を恐れて本当の性能では走らないのが定番とされており、他の上位に来ていないチームが本気で走っているのかは明確ではない。その意味では実際の性能は開幕戦の予選を終えてみなければ見えてこないが、マザーシャシー勢は2017年のランキングで上位には来ていなかったチームも含めて上位に来ており、かなり好調そうという傾向は見て取れる。

順位カーナンバー車両ドライバータイヤタイム
12シンティアム・アップル・ロータス高橋一穂/加藤寛規YH1'25.584
225HOPPY 86 MC松井孝允/坪井翔/近藤翼YH1'25.592
321Hitotsuyama Audi R8 LMSリチャード・ライアン/富田竜一郎/篠原拓郎DL1'25.785
426TAISAN R8 FUKUSHIMA山田真之亮/川端伸太朗YH1'25.871
588マネパ ランボルギーニ GT3平峯一貴/マルコ・マッペリYH1'25.961
665LEON CVSTOS AMG黒澤治樹/蒲生尚弥BS1'26.030
761SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人/山内英輝DL1'26.082
85TBN坂口夏月/藤波清斗/平木湧也(17日)/玉中哲二(18日)YH1'26.242
97D'station Porsche藤井誠暢/スヴェン・ミューラーYH1'26.243
100グッドスマイル 初音ミク AMG谷口信輝/片岡龍也YH1'26.306
1131TOYOTA PRIUS apr GT嵯峨宏紀/平手晃平BS1'26.313
1218UPGARAGE 86 MC中山友貴/小林崇志YH1'26.349
1355ARTA BMW M6 GT3高木真一/ショーン・ウォーキンショーBS1'26.351
1496K-tunes RC F GT3新田守男/中山雄一BS1'26.358
1530TOYOTA PRIUS apr GT永井宏明/佐々木孝太YH1'26.406
16117EIcars BENTLEY井出有治/阪口良平/小河諒YH1'26.896
17360RUNUP GT-R柴田優作/田中篤/青木孝行YH1'26.914
1810GAINER TANAX triple a GT-R星野一樹/吉田広樹YH1'26.980
1934Modulo KENWOOD NSX GT3道上龍/大津弘樹YH1'27.017
2011GAINER TANAX GT-R平中克幸/安田裕信DL1'27.043
219GULF NAC PORSCHE 911久保凜太郎/石川京侍YH1'27.072
2260SYNTIUM LMcorsa RC F GT3吉本大樹/宮田莉朋YH1'27.082
2350Arnage Racing AMG GT3加納政樹/安岡秀徒YH1'27.280
2487TBN佐藤公哉/元嶋佑也/高橋翼YH1'27.296
2552埼玉トヨペットGreenBraveマークX MC番場琢/脇阪薫一YH1'27.409
2635arto RC F GT3ナタウッド・ジャルーンスルカワッタナ/ナタポン・ホートンカムYH1'27.614
27777CARGUY ADA NSX GT3横溝直輝/木村武史YH1'27.953
2822アールキューズ AMG GT3和田久/城内政樹YH1'28.193
2948植毛GT-R田中勝輝/飯田大陽YHタイムなし

 今後SUPER GTは3月24日~25日の2日間に渡って富士スピードウェイで行なわれる2回目の公式テストを経て、4月7日~4月8日に岡山国際サーキットでの開幕戦「2018 AUTOBACS SUPER GT Round1 OKAYAMA GT 300km RACE」を迎えることになる。

 すでに述べたとおり、今シーズンでは新しいスタートルールが導入されスタート時の迫力が増しそうなど、ファンにとって嬉しいルール改定などもあり、新シーズンへの期待は高まるばかりで、開幕戦が待ち遠しい限りだ。