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メルセデス・ベンツ、「Sクラス」に340PS/700Nmの直6ディーゼルエンジン搭載モデル追加

「S 400 d」「S 400 d 4MATIC」とそれぞれのロングモデル計4モデル

2018年9月10日 予約受付開始

1116万円~1505万円

「S 400 d」

 メルセデス・ベンツ日本は9月10日、フラグシップセダン「Sクラス」に新型の直列6気筒クリーンディーゼル「OM656」型エンジンを搭載する「S 400 d」「S 400 d 4MATIC」と、全長を130mm伸長して後席の空間を広げた「S 400 d ロング」「S 400 d 4MATIC ロング」の4モデルを追加して予約受付を開始した。価格は1116万円~1505万円で、納車は10月ごろの予定(S 400 d、S 400 d ロングは11月ごろの予定)。

モデル&価格一覧
モデルエンジンステアリング位置価格
S 400 d直列6気筒 3.0リッターディーゼル直噴ターボ11,160,000円
S 400 d 4MATIC11,600,000円
S 400 d ロング14,610,000円
S 400 d 4MATIC ロング15,050,000円

 今回追加したモデルに搭載されるOM656型エンジンは、「S 450」などに搭載される直列6気筒DOHC 3.0リッター直噴ターボ「M256」型エンジンなどと基本設計を共有するモジュラーコンセプトで、最高出力250kW(340PS)、最大トルク700Nmを発生する最新のクリーンディーゼルエンジン。シリンダーピッチを90mm、シリンダー間の厚みを8mmとして全長をコンパクトにまとめ、さまざまなモデルに搭載可能。欧州で導入されている RDE(Real Driving Emission、実路走行試験)規制に適合した。

最高出力250kW(340PS)、最大トルク700Nmを発生する直列6気筒 3.0リッターディーゼル直噴ターボ「OM656」型エンジン

 OM656型エンジンでは、アルミニウム製のシリンダーブロックを採用して軽量化を行なう一方、熱膨張率の異なる素材となるスチール製ピストンを用いることで40%以上の摩擦を低減。また、シリンダーウォールにはスチールカーボン材を溶射コーティングする「NANOSLIDE摩擦低減加工」を施した。

 また、ピエゾインジェクターを使用した「コモンレールダイレクトインジェクションシステム」は最大圧力を2500barまで高め、冷却された高圧EGRと低圧EGRを組み合わせた「マルチウェイ排出ガス再循環(EGR)」を搭載して燃焼を最適化。後処理を行なう前の段階でNOxを低減可能とした。

 加えて、排気側にのみ可変バルブリフトシステム「CAMTRONIC(カムトロニック)」を採用して冷間時の吸気工程中に排気の一部を燃焼室に戻すことで、燃焼室内の温度を上昇させて排出ガス浄化システムを効率的な温度まで早く暖められるようになり、排出ガスの浄化に寄与。排出ガスの浄化システムをエンジン近くに搭載することで、排出ガスの温度低下による浄化効率の低下が防げるようになった。

 ターボは2ステージターボチャージャーを採用し、小さいタービンにはさらに可変タービンジオメトリーを搭載。低回転域から高回転域まで全域でトルクフルな加速を可能にした。

 なお、ターボチャージャーから出た排出ガスは、酸化触媒へ送られた後、AdBlueを添加。下流のsDPF(DPF withSCR Coating:選択触媒還元法コーティング付粒子状物質除去フィルター)で粒子状物質の捕集と窒素酸化物の低減を行ない、最終的にSCR触媒でさらに窒素酸化物の処理が行なわれる。

S 400 d ロング