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内閣府とNEDO、「自動運転のある未来のショーケース」を東京・有明TFTホールで開催。自動運転バスに試乗可能

2月7日まで開催

2019年2月6日~7日 開催

入場無料

自動走行システムについての実証実験や成果を発表するイベント「自動運転のある未来のショーケース~あらゆる人に移動の自由を~」2月6日~7日に開催

 内閣府とNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、東京都江東区にある東京・有明TFTホールで「自動運転のある未来のショーケース~あらゆる人に移動の自由を~」と題して、産学官が連携しつつ5年をかけて研究開発を進めていた自動走行システムについての実証実験や成果を発表するイベントを2月6日~7日に開催している。入場料は無料。

 また、このイベントでは、今後も続くSIP第2期に向けた新たな課題や、Society 5.0(経済発展と社会的課題の解決を両立する社会)時代における自動運転の未来像なども紹介している。

有明TFTホールで開催されている「自動運転のある未来のショーケース~あらゆる人に移動の自由を~」。2月7日まで開催。入場無料
ガイドツアーもあるので、こちらを利用すると各展示物を分かりやすい解説付きで見学できる

 屋内スペースでは専門家によるガイドツアー、ダイナミックマップの体験型デモ、ドライビングシミュレーターによる運転引き継ぎ体験などが用意されている。

 そして、屋外エリアでは自動運転バスの試乗ができ、ここでは自動運転のバスがプラットフォームへぴったりと付けて停車する正着制御体験に加え、交差点でのインフラによる歩行者検知の技術を体験するコーナーもある。

 イベントは2月7日まで一般公開されている。公開時間は10時~17時で場所はTFTホール(東京都江東区有明3-4-10 TFTビル西館2F)だ。平日の開催ではあるが、時間が取れる方は最先端の交通技術を体験しに出かけてみてはいかがだろうか。

ここはウェルカムゾーンというスペース。今回のイベントがどんなものなのか、今後どういうものを目指していくのかを映像で解説するところ
ウェルカムゾーンにはSIPを解説する展示もある
ホールはこれまでSIPが手がけてきた技術や、それがどんなところに役立っていくのかを取り組みごとに分けてゾーンが設けてある。それぞれに説明員が付いているので説明も聞ける。最初は3Dマップを紹介するゾーン
交通事故死亡者ゼロを目指した、人とクルマがつながる交差点ゾーン。ここでは高齢者や視覚障がい者などに向けた移動支援アプリも紹介されている
3番目はやさしい次世代の公共交通ゾーン。車いすに乗り、プラットフォームとバスの床の高さが違うことによる不都合を体験できる
4つ目は自動運転車両と人の関係を解説するゾーン。自動運転から人へ切り替わる時の反応速度の体験や、自動運転システムが感知できない異変があった際のドライバーの対応を体験できるコーナーもある
5つ目はSIPの2期について解説するゾーン。ここにあることはこれから手がけていくものとなる
2月18日~3月7日に沖縄で自動運転バスの実証実験が開催される。走行ルートは那覇空港~アウトレットモールあしびなー~道の駅豊崎~那覇空港。試乗は無料。試乗には予約が必要で、詳細は乗車予約専用Webサイトにアクセスして確認してほしい
屋外エリアではバスの正着制御や歩行者ナビなどの体験コーナーがある。こちらも無料で体験できる
クルマと歩行者の両方に自らの位置を発信する装置を付けて、お互いが通信しあうことで、物陰でも接近が感知できるシステムのデモ。歩行者として体験できる

 この「自動運転のある未来のショーケース~あらゆる人に移動の自由を~」は2月6日から開催されているが、初日の午前は一般公開に先がけて報道向けの公開時間が設けられた。この時間ではプログラムディレクターの葛巻清吾氏からSIPの取り組みについて簡単な説明があった。

プログラムディレクターの葛巻清吾氏

 葛巻氏は「SIPは2014年から約5年間やってまいりました。SIPは産官学で取り組んでいるもので、研究開発から実用化までを手がけるプロジェクトです。SIPには11のテーマがあり、その1つが自動運転です。2014年に始まった当時は、今ではよく耳にするレベルの定義もなかったので、最初はわれわれの中でもなかなか話が噛み合わないこともありました。研究では主に協調の部分をそれぞれの役割のなか“しっかりやりましょう”ということで取り組んできました。今日の展示には自動運転のクルマが飾ってあるわけではありません。そういう面では自動運転のイベントらしさを感じにくいかもしれませんが、展示している各ゾーンの技術はそれぞれが協調することで自動運転の実現につながるものです。ぜひ、ご覧になっていただければと思います」と語った。

 今回は、報道向けに自動運転バスの公道試乗の機会があったので試乗してきた。この試乗ではバス停での高精度な停車制御である正着制御と自動運転での発進、そしてバスの運行をスムーズに行なうための「PTPS(公共車両優先システム)」の信号制御デモを行なう予定となっていた。このうち、正着制御は3回ほどの仮設バス停への停車時すべてでバスとプラットフォームの間隔がほぼ5cm以下で停車。非常に精度が高いことを証明した。

 ただ、信号制御のデモは当日の交通量が多かったため、機能を体験することができなかった。なお、現在、信号制御は光ビーコンと700MHz帯ITS無線路側機で制御しているが、SIP2期からは760MHz帯を利用した高度化PTPSを目指していくとのこと。

報道向けに自動運転バスの公道試乗が行なわれた。有明から豊洲へ行き、有明に戻るコース。2018年12月ごろにも同ルートで実証実験が行なわれていた
通常の走行はドライバーが行ない、バス停への正着制御をシステムが行なう
車いす利用での乗り込みデモも行なわれた
車内に設けられたモニターで、システムの動作状況や正着制御の様子を確認することができた
PTPSのデモも予定されていたが、今回は交通量が多く制御とバスの走行タイミングが合わずに終了
こちらは日立が開発しているバス情報サービスの紹介。報道向け試乗が行なわれている車内で流れていたスライドだ