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新型「MAZDA3」、“クルマに知見のない若者”にどう見えた?

2019年5月24日 発売

218万1000円~362万1400円

左が「SEDAN(セダン)」、右が「FASTBACK(ファストバック)」

 マツダは5月24日、新型「MAZDA3(マツダ・スリー)」を発売した。ハッチバックタイプの「FASTBACK(ファストバック)」とセダンタイプの「SEDAN(セダン)」があり、価格はファストバックが218万1000円~362万1400円、セダンが247万円~355万1200円。

 今回、新卒入社して2か月ほどの筆者が「新車の発表会」という場に初めて参加したので、その様子を“クルマに知見のない若者”という視点でレポートする。

 発表会を通じて印象的だったのは、心にゆとりを持たせるというコンセプトである。スマートフォンの登場により外出の機会が減った若者に向け、心にゆとりを持たせることで出かけたいという気持ちを引き出したいとのこと。そのゆとりを持たせるための工夫がMAZDA3には多く施されているという。

新色「ポリメタルグレーメタリック」(ファストバック専用)

 1つは新世代車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」である。クルマは運転者に限らず乗車しているだけで筋肉に負担がかかり、疲れてしまう。そこで、クルマの動きを極限まで滑らかにするほか、シート構造によって骨盤を立たせ、負担を軽減する走りを実現したとのこと。乗車中の疲れが減ることで体力が温存され、到着地でより楽しむことができるという。

「パーフォレーションレザー・レッド」を用いたインテリア

 もう1つ、車内の音響についても特徴的と言え、ドアを閉めた車内の静粛性を飛躍的に高めたという。実際にエンジンをかけない状態で車内に座ってみたところ、普段クルマに乗り込んでドアを閉めたときよりもかなり静かに感じた。また、マツダが新開発したオーディオシステム「マツダ・ハーモニック・アコースティックス」(8スピーカー)は、音の大きさ、方向、時間変化という3つの側面から人間の特性に合わせて開発されたという。高音を鳴らすスピーカーを乗員の近くに、低音のスピーカーを遠くに配置するといった工夫で、車内そのものが自分専用のオーディオルームのようになるとのこと。一部グレードではボーズと共同開発した「Bose オーディオシステム」(12スピーカー)もオプションで設定可能だという。

 今回、会場で初めてファストバックとセダンを見たが、個人的にはファストバックの方が外観がより滑らかに見え、好みである。筆者は先日までファストバックという言葉を知らず、セダンは聞いたことはあったものの意味するところは分かっていなかったのだが、今日それが意味するところを知り実際に見てみると、トランクが独立していることと車内と一体化していることの違いがやっと分かった。なんとなくだが、トランクが独立していない方がよりゆとりのあるプライベート空間に近いのではないかと思う。

 また、マツダのクルマであるという意識を持ってボディを見たのも初めてだったが、「ソウルレッドクリスタルメタリック」の色の深さに驚いた。光の当たり具合によって黒っぽく見える部分もあり、見ごたえがあった。ほかには新色のポリメタルグレーメタリックにも惹かれた。ほんの少し青みを感じる色が滑らかなボディと合わされることで、ファストバックのテーマである「色気のある塊」がより表現されているように感じた。

ポリメタルグレーメタリックではファストバックの「色気のある塊」がより強調されているように感じた

 これまでクルマというものを「公共交通機関が利用できないエリアで移動するための手段」としてとらえていたが、今回の発表会を通じ、クルマは一種のプライベート空間であると認識した。筆者個人は若者の1人としてスマートフォンの登場と外出の機会の低下の相関はあまり感じないが、スマートフォンの使用状況に関わらず外出が億劫だという気持ちは持っている。

 そのような状態でも移動で疲れることなく、プライベート空間であるクルマで目的地まで移動することができれば、外出のハードルは下がると感じた。そのプライベート空間が快適であればあるほどクルマ自体が心にゆとりを持たせる空間となり、より気楽な外出ができるのではないだろうか。