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マツダ、「MAZDA3」を発売。深化した魂動デザイン初の量産モデル

新世代ガソリンエンジン「SKYACTIV X」搭載モデルもラインアップ

2019年5月24日 発売

218万1000円~362万1400円

ファストバックとセダン、2つの異なる表情を持つ「MAZDA3」

 マツダは5月24日、新型「MAZDA3(マツダ・スリー)」を発売した。ハッチバックタイプの「FASTBACK(ファストバック)」とセダンタイプの「SEDAN(セダン)」があり、価格はファストバックが218万1000円~362万1400円、セダンが247万円~355万1200円。

 なお、マツダが世界で初めて実用化した独自の燃焼方式「SPCCI(火花点火制御圧縮着火)」採用の新世代ガソリンエンジン「SKYACTIV X」搭載モデルもラインアップされるが、発売は10月の予定。また、2.0リッターガソリンエンジンの「SKYACTIV-G 2.0」搭載モデルも7月下旬の発売予定となっている。

ファストバック
機種エンジン変速機駆動価格発売日
15S直列4気筒DOHC 1.5リッター直噴(SKYACTIV-G 1.5)6速MT(SKYACTIV-MT)2WD(FF)2,181,000円5月24日
6速AT(SKYACTIV-DRIVE)2,181,000円
4WD2,413,200円
15S Touring6速MT(SKYACTIV-MT)2WD(FF)2,273,880円
6速AT(SKYACTIV-DRIVE)2,273,880円
4WD2,506,080円
20S PROACTIVE直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴(SKYACTIV-G 2.0)2WD(FF)2,470,000円5月24日予約開始(7月下旬発売予定)
20S PROACTIVE Touring Selection2,588,800円
20S L Package2,649,000円
20S Burgundy Selection2,719,200円
XD PROACTIVE直列4気筒DOHC 1.8リッター直噴ディーゼルターボ(SKYACTIV-D 1.8)2,740,000円5月24日
4WD2,972,200円
XD PROACTIVE Touring Selection2WD(FF)2,858,800円
4WD3,091,000円
XD L Package2WD(FF)2,919,000円
4WD3,151,200円
XD Burgundy Selection2WD(FF)2,989,200円
4WD3,221,400円
X PROACTIVE直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴(SKYACTIV-X)6速AT(SKYACTIV-DRIVE)/6速MT(SKYACTIV-MT)2WD(FF)3,140,000円7月予約開始(10月発売予定)
4WD3,372,200円
X PROACTIVE Touring Selection2WD(FF)3,258,800円
4WD3,491,000円
X L Package2WD(FF)3,319,000円
4WD3,551,200円
X Burgundy Selection2WD(FF)3,389,200円
4WD3,621,400円
セダン
機種エンジン変速機駆動価格発売日
20S PROACTIVE直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴(SKYACTIV-G 2.0)6速AT(SKYACTIV-DRIVE)2WD(FF)2,470,000円5月24日予約開始(7月下旬発売予定)
20S PROACTIVE Touring Selection2,588,800円
20S L Package2,649,000円
XD PROACTIVE直列4気筒DOHC 1.8リッター直噴ディーゼルターボ(SKYACTIV-D 1.8)2WD(FF)2,740,000円5月24日
4WD2,972,200円
XD PROACTIVE Touring Selection2WD(FF)2,858,800円
4WD3,091,000円
XD L Package2WD(FF)2,919,000円
4WD3,151,200円
X PROACTIVE直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴(SKYACTIV-X)2WD(FF)3,140,000円7月予約開始(10月発売予定)
4WD3,372,200円
X PROACTIVE Touring Selection2WD(FF)3,258,800円
4WD3,491,000円
X L Package2WD(FF)3,319,000円
4WD3,551,200円

深化した魂動デザインを表現した初の量産モデル

 2010年よりマツダが掲げるデザインテーマ「魂動デザイン」。MAZDA3はその魂動デザインを継承しつつ、さらに深化させた魂動デザインを量産車として初めて採用したモデルとなる。「引き算の美学」の考え方のもと、要素をそぎ落としたシンプルなフォルムと、研ぎ澄まされた繊細な光の表現で、より自然な生命感を感じさせる「エレガントで上質なスタイル」を描いたという。

 MAZDA3という同一の車種でありながら、ファストバックとセダンでそれぞれの個性を際立たせたデザインコンセプトを持たせたのも特徴。ファストバックでは「色気のある塊」をデザインコンセプトとし、ファストバックの魅力をしっかりと表現することに注力。ボディサイドはキャラクターラインを廃し「光の移ろい」によって生命感を表現。スピード感のあるルーフと力強いCピラーの造形で、1つの塊感のあるデザインを実現した。また、シグネチャーウイングにはダークメタリック塗装を用いることで、セダンとの明確な差別化を図っている。

 一方でセダンのデザインテーマは「凜とした伸びやかさ」。伝統的な3ボックスのセダンスタイルにのっとりつつも水平基調と前後の伸びやかなワンモーションの動きで優雅さを表現。シグネチャーウイングはクロームメッキ仕上げとすることで、エレガントさを感じさせる大人の成熟したセダンに仕立てている。

セダン(左)とファストバック(右)。Cピラーやリアドアが異なるのはもちろん、フロントフェンダーやフロントドアの造形も異なっている
ファストバック
セダン
ヘッドライトは中心部分をシンプルなリング状に発光させ、同時に側面部分を発光させることで軸感を表現
テールランプは4灯の丸形ランプとし、前方へ向かうようなグラデーション発光を採用
ファストバックでは立体的なアウターレンズで塊感を演出
セダンではランプの丸を近づけ、エレガントさや安定感を演出

 ボディカラーはセダンに7色、ファストバックに8色を設定。ファストバック専用色として新開発の「ポリメタルグレーメタリック」を設定した。ポリメタリックグレーは、ファストバックの造形を際立たせるために開発した新色で、光の当たる部分ではきらめく金属の硬質感を、影の部分ではまるで樹脂の塊のような独特の艶感を表現する。

ファストバック専用色となるポリメタルグレーメタリック
ソウルレッドクリスタルメタリック
ソニックシルバーメタリック
ジェットブラックマイカ
チタニウムフラッシュマイカ
マシーングレープレミアムメタリック
ディープブルークリスタルマイカ
スノーフレイクホワイトパールマイカ
ポリメタルグレーメタリック(ファストバック専用色)

 ボディサイズはファストバックが4460×1795×1440mm(全長×全幅×全高)で、「アクセラスポーツ」と比べると全長が10mm短く、全高が30mm低い。セダンは4660×1795×1445mm(全長×全幅×全高)で、「アクセラセダン」より全長が80mm長く、全高が10mm低くなっている。

引き算の美学はインテリアにも

 インテリアもエクステリア同様に引き算の美学に基づいて造形される。形状を単純化し、装飾やパーティングラインを減らすなど、シンプルな水平基調と要素をそぎ落とした造形によって、美しさ、上質感、運転に集中できる心地よい空間という機能性を融合している。また、コクピットの操作系や情報などはすべてドライバーを中心に左右対称に配置。それらがドライバーに正対する造形とすることでクルマとの一体感を向上させている。

引き算の美学に基づいて造形されたインテリア

 インテリアカラーは、ファストバック・セダン共通としてブラック(本革・ファブリックの2種類)を用意するほか、ファストバック専用色として新開発となる「バーガンディ」の本革内装を設定。赤の鮮やかさに少しの青で変化を持たせることで、ファストバックの色気を強調する内装とした。また、セダン専用色としては、ピュアホワイト本革の内装を用意。セダンらしい上質感とエレガントさを強調する。

ブラック・レザー内装
ブラック・ファブリック内装
バーガンディ・レザー内装(ファストバック専用)
ピュアホワイト・レザー内装(セダン専用)

 本革についてはマツダのデザイナーと革職人が共同で新開発した内装シボを採用する。従来の画一的なパターンではなく、部位によってさまざまなパターンを持たせることで、本物ならではの不均一さを再現したという。

 また、シフトレバー周辺のパネルには、新開発の「2層形成シフトパネル」を採用。カラークリア層と黒いメタリック層の2層構造とすることで、一見するとピアノブラックのような表情を持たせつつ、光が当たると模様が浮かび上がる形としている。

光が当たると模様が浮かび上がる「2層形成シフトパネル」

世界初のSPCCI採用ガソリンエンジン「SKYACTIV X」もラインアップ

 パワートレーンは4種類のエンジンを設定する。直列4気筒 直噴ガソリンエンジンで1.5リッターの「SKYACTIV-G 1.5」と同じく2.0リッターの「SKYACTIV-G 2.0」。1.8リッターで直列4気筒 直噴クリーンディーゼルターボの「SKYACTIV-D 1.8」。そして世界初となる「SPCCI(火花点火制御圧縮着火)」採用の2.0リッター新世代ガソリンエンジン「SKYACTIV X」。

 SKYACTIV X搭載モデルの発売予定時期は10月となるが、ガソリンエンジンならではの伸びとディーゼルエンジンのような燃費・トルク・応答性を併せ持ち、さらにマイルドハイブリッドシステム「M Hybrid(エム ハイブリッド)」を組み合わせることで、より燃費性能を向上するとのこと。ただし、現時点では燃費の情報は公開されていない。

SKYACTIV-G 1.5は、最高出力82kW(111PS)/6000rpm、最大トルク146Nm(14.9kgfm)/3500rpm。ファストバック 6速AT(FF)搭載時のWLTCモード燃費は16.6km/L
SKYACTIV-G 2.0は、最高出力115kW(156PS)/6000rpm、最大トルク199Nm(20.3kgfm)/4000rpm。セダン 6速AT(FF)搭載時のWLTCモード燃費は15.8km/L
SKYACTIV-D 1.8は、最高出力85kW(116PS)/4000rpm、最大トルク270Nm(27.5kgfm)/1600-2600rpm。セダン 6速AT(FF)搭載時のWLTCモード燃費は20.0km/L
ガソリンエンジンで圧縮着火する世界初のSKYACTIV-X。詳細は未定だが、参考値として排気量は1997cc、ボア×ストロークは83.5mm×91.2mm、圧縮比は15.0となっている
SKYACTIV-X搭載車には、マツダの理想とする小型で効率的なハイブリッドシステム「M Hybrid」を組み合わせる

新世代の車両構造技術と車両運動制御技術で「走る歓び」が進化

 人間は歩いたり走ったりしてもその揺れで酔うことはない。それは人間が、無意識のうちに足、骨盤、脊髄をコントロールし、頭の揺れを抑えているため。その点に注目して作り上げられたのが新世代車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」となる。

人間の足に代わって路面からの入力を滑らかに骨盤に伝えるボディとシャシー

 人間が持つ本来の能力を、クルマに乗っているときにも発揮できる状態にするため、まずはドライバーの体をしっかりと支え、理想の姿勢で座り続けられるシートを開発。さらに、テレスコピックの調整幅を拡大するなど各種機構の調整幅を広げ、多様な体格において最適なポジションが取れるようにしている。

骨盤をしっかりと立て、脊柱のS字カーブを維持できる構造のシート
座面前側にチルト機構を持たせ、太もも部分が浮いたり圧迫されたりするのを防ぐ
ATシフトノブ(左)とMTシフトノブ。シフト位置についても、ステアリングからの持ち替えのしやすさとシフト操作のしやすさを追求した

 シャシーにおいては、基本骨格のストレート化と環状構造を基本とするマツダ独自のボディをさらに進化させ、これまでの上下左右方向だけでなく、前後方向にも骨格を連続する構造へ。これにより剛性のアップと伝達の遅れを低減し、タイヤやダンパーの機能を最大限発揮できる形としている。また、路面からのエネルギーを特定の部位に集中させることが可能となるため、その部位に新開発の減衰構造を持たせることで、騒音の原因を効率よく低減させることを可能とした。

基本骨格のストレート化と環状構造を基本とするマツダ独自のボディをさらに進化

 サスペンションは、フロントは従来のマクファーソンストラット式を進化させつつ、リアには新開発のトーションビーム式サスペンションを採用。路面からの入力を正しく、そしてリニアに伝えるサスペンションとしている。ブレーキにおいては、ブレーキの効き始めの分かりやすさ、ペダルの踏み戻しによる減速度の調整のしやすさ、強いブレーキを踏み続けたときの剛性の高さに注力し、自然かつ綿密なコントロール性を造り込んでいる。

路面からの入力を正しくリニアに伝えるサスペンション

 乗る人が自然体でいられることを目指したSKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTUREに加え、新世代車両運動制御技術「SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS」が組み合わせられる。MAZDA3に搭載される「G-ベクタリング コントロール プラス(GVC Plus)」は、従来からあるコーナリング進入時のエンジン制御に加えて、コーナリング脱出時のハンドル切り戻しの時に外輪にわずかにブレーキを掛ける車両姿勢安定化制御(直接ヨーモーメント制御)を追加。より高い操縦安定性を実現している。

 また、このGVC Plusと協調する新しい4WD制御も採用。ハンドル操作に応じて旋回時の前後輪へのトルク配分を制御し、これまで以上に安定した滑らかな挙動を実現する。

ターンアウト時に外輪を制動することで復元モーメントを付与するGVC Plus
GVCと協調制御するよう進化した「i-ACTIV AWD」

増加した情報を整理し、ドライバーの負担を減らすHMI

 HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)においては、マツダが従来より採用してきた視線・意識・操作の3つのわき見を最小化する「ヘッズアップコクピット」コンセプトを継承し、さらに進化させた。装備の充実により増加する情報をクルマ側で整理することで、ドライバーにかかる負担を低減。運転に集中できる環境を提供する。

ドライバーが無意識・直感的に行動できるHMIを追求

 メーターフード内に配置される7インチTFT液晶メーターは、さまざまな情報をシンプルかつ集中的に表示することで、瞬間的な読み取りやすさを向上。ドライバーから見たときに左右対称となる3眼メーターとし、その中央から真上に視線を移動した先のフロントウィンドウ部に、ヘッドアップディスプレイとなる「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」を配置。垂直の視線の動きによって、ドライバーに強い軸感と一体感を与え、これまで以上に安心して運転に集中できるようにした。

 ダッシュボード上に設けられるセンターディスプレイには、横長8.8インチディスプレイを採用。操作をコマンダーコントロールに一本化し、その表示をコマンダーコントロールの見た目と動きを感じさせる表現を取り入れることで、直感的な操作を可能とした。

メーターフード内には7インチTFT液晶メーター
メーターフードの上方、ガラス面に映し出される「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」

 ディスプレイは「状況と対処方法を伝える」ものなのに対し、ワーニング音は「意識を誘導する・緊急レベルを伝える」ものとの考えにより、ワーニング音についても徹底的に造り込みが行なわれた。人間特性に基づいて音質を造り込み、音の数と種類を厳選して緊急レベルの違いを分かりやすくした。加えて、前後のスピーカーを使い分けることで、ドライバーが直感的に意識を向けられるようにしている。

 スイッチ類についても徹底的にこだわった造り込みがなされた。ステアリングスイッチは上下方向に操作するトグルスイッチと従来のプッシュスイッチを組み合わせた新しいスイッチレイアウトを採用。ブラインドタッチでも操作しやすいよう表面形状を工夫し、上下操作とボリュームなどの機能を紐付けすることで、これまで以上に直感的な操作を可能とした。

 また、すべてのスイッチについて、その操作感も造り込まれている。マツダの研究では、人間はスイッチの操作感からも、意のままの走りを感じたときと同じような活動的で心地よい印象を抱くケースがあることが分かり、スイッチの操作感を0.001mm単位で調整。「押す」「引く」「倒す」「回す」といった異なるスイッチにおいても共通の感覚が得られるよう造り込んでいる。

刷新したマツダコネクトと標準でも良質なオーディオ

 車両の各種情報表示や、カーナビ、カーオーディオ、ハンズフリー通話といった機能を併せ持つ「マツダコネクト」は、システムをゼロベースで刷新している。ハードウェアの処理能力の強化やソフトウェアの最適化によって、システムの起動時間、応答速度、地図表示の描画速度を向上。ディスプレイは8.8インチ(ワイド)に拡大して情報量を増やすとともに、視認性も両立している。また、ナビゲーション検索にフリーワード機能を加え、コマンダーの上面をタッチパッド化するなど、直感的な操作性を実現した。

マツダコネクトのディスプレイは横長8.8インチに大型化

 オーディオについては、「音の大小に関わらず、いつでも高音質なサウンドをお届けすること」をテーマに、クルマの開発初期段階からそのレイアウトについて検討した。低音域については従来ドアに内蔵していたウーファーを、音の出やすいカウルサイド(キャビンの左右前角)にエンクロージャーを用いて配置。これにより、従来ドアに開けられていたスピーカーホールが不要となり、結果的に静粛性や音漏れのしにくさという面でも向上したという。また、中高音スピーカーは、ガラスの反射の影響を受けにくい場所にレイアウト。特に人間が方向性を感じやすい高域スピーカーについては、耳の高さに近いトリム上部に配置することで、音の広がりや立体感、明朗度をより感じやすくしている。

ウーファーはエンクロージャーと組み合わせてカウルサイドに配置。中高域のスピーカーは直接的に耳に届く位置へレイアウト
従来はドアに付けられていたウーファーがなくなったため、スピーカーホールが不要になって遮音性向上にも貢献
タイヤやサスペンション、ボディでも路面からの入力、ロードノイズを低減し、静粛性を向上している

 オーディオシステムについては、標準装備となる「Harmonic Acoustics」(8スピーカーシステム)に加え、Boseと共同開発した「Boseサウンドシステム」(12スピーカー)もラインアップする(15S、15S Touring以外のグレードにメーカーオプション)。

ファストバックのスピーカーレイアウト図。標準オーディオでは8スピーカー、Boseサウンドシステムでは12スピーカーとなる

ドライバー中心の安全性能

 マツダの安全思想「MAZDA PROACTIVE SAFETY」に基づき、ドライビングポジションなどに加え、視界性能も向上を図った。Aピラーの形状を見直すことで「左右どちらかの目で常に対象を見続けられる状態」とし、正しい運転姿勢のまま、自然な動きの中で「いつでも見える状況」の実現を追求している。また、ドアトリムの上部やフロントコンソールのラインを、窓の外に見える車線のパースライン方向に近づけるよう設計することで空間の認識性をアップ。距離感や速度感の認知性を向上させて運転をしやすくしている。

 また、アクティブセーフティとしては、新たな先進安全技術として、3つの技術を新開発している。

 居眠りやわき見をチェックする「ドライバーモニタリング」は、赤外線LEDと赤外線カメラを用いることで夜間やサングラスをした状態でもドライバーの状態を検知可能に。さらに「スマート・ブレーキ・サポート(SBS)自転車検知付」と協調制御することで、わき見時などにブレーキ警告のタイミングを早めることを可能とした。

ドライバーのわき見や居眠りを検知、警告する「ドライバーモニタリング」

「前側方接近車両検知(FCTA)」は、前進時に側方の死角から接近してくる車両を検知して警告する新機能で、見通しのわるい丁字路などでの出会い頭の事故を防ぐ。

側方の死角からの車両の接近を検知、警告する「前側方接近車両検知(FCTA)」

「クルージング&トラフィック・サポート(CTS)」は、高速道路の渋滞時などにアクセル、ブレーキ、ステアリング操作をアシストする機能。先行車との車間距離を保ちながら追従する機能に加え、カーブではレーンに沿った走りがしやすいよう操舵トルクをアシストして、運転操作をサポートする。

アクセル、ブレーキ、ステアリング操作をアシストする「クルージング&トラフィック・サポート(CTS)」

 従来から採用する「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」も進化させた。ハイビームの遠方照射性能を向上させたほか、グレアフリー(防眩)ハイビーム用LEDを20分割化することで、前方車両を検知した際のハイビームOFF範囲を縮小。また、車速域に応じた3種類のハイビーム配光可変制御やカーブの度合いに応じて6段階に進行方向を照射する可変配光など、照射範囲のコントロールをより綿密に制御できるようにしている。

対向車のいるところだけ光を照らさないグレアフリー(防眩)ハイビームと、車両近くの左右視界を確保するワイド配光ロービーム、高速域でより遠方視界を拡大するハイウェイモード

 パッシブセーフティとしては、しっかりと衝撃を受け止める強固な骨格と、効率的にエネルギーを吸収するフレームを採用。従来は3%程度だった超高張力鋼板の使用比率を約30%まで引き上げたほか、世界で初めて1310MPa級の超高張力鋼板を骨格部材に採用。衝撃吸収率を高めつつ、軽量で高剛性なボディを実現した。

 エアバッグについては、運転席&助手席、カーテン&フロントサイドに加えて、運転席ニーエアバッグをマツダ車で初めて採用。ほかにも、頸部障害緩和フロントシートや、プリテンショナー&ロードリミッター機構付きのシートベルト、歩行者の頭部保護や脚部保護など、高い安全性能を確保している。

超高張力鋼板で剛性を確保しつつ衝撃吸収率を高めたボディ構造
マツダ車として初めて運転席ニーエアバッグを採用

 また、MAZDA3には車載通信機器を搭載しており、今後コネクテッドサービスに対応する。さらに今後配信予定のスマホアプリ「MyMazda(マイ・マツダ)」との連携で、利便性の向上や緊急通報サービスの提供を行ない、24時間さまざまな場面で利用者をサポートするとしている。

24時間365日つながるコネクテッドサービスを開始予定
スマホアプリ「MyMazda」ではクルマの状況やドアの閉め忘れなどを通知するサービスも行なう

MAZDA3主要諸元(抜粋)

ファストバック
15S20S PROACTIVEXD PROACTIVE
駆動方式2WD(FF)4WD
乗車定員5名
ボディサイズ(全長×全幅×全高)4,460×1,795×1,440㎜
ホイールベース2,725㎜
室内寸法(長さ×幅×高さ)1,160×1,490×1,820㎜
車両重量1,320㎏1,360㎏1,470kg
エンジン水冷直列4気筒DOHC 16バルブ水冷直列4気筒DOHC 16バルブ直噴ターボ
最高出力82kW(111PS)/6,000rpm115kW(156PS)/6,000rpm85kW(116PS)/4,000rpm
最大トルク146Nm(14.9kgm)/3,500rpm199Nm(20.3kgm)/4,000rpm270Nm(27.5kgm)/1,600-2,600rpm
変速機6速MT6速AT
WLTCモード燃費17.8km/L15.6km/L18.8km/L
WLTCモード燃費(市街地モード)14.1km/L12.1km/L15.7km/L
WLTCモード燃費(郊外モード)18.0km/L15.8km/L18.6km/L
WLTCモード燃費(高速道路モード)19.9km/L17.7km/L20.7km/L
使用燃料・タンク容量無鉛レギュラーガソリン・51L軽油・48L
最小回転半径5.3m
サスペンション(前/後)マクファーソンストラット式/トーションビーム式
主ブレーキ(前/後)ベンチレーテッドディスク/ディスク
セダン
20S PROACTIVEXD PROACTIVE
駆動方式2WD(FF)4WD
乗車定員5名
ボディサイズ(全長×全幅×全高)4,660×1,795×1,445㎜
ホイールベース2,725㎜
室内寸法(長さ×幅×高さ)1,160×1,490×1,820㎜
車両重量1,350㎏1,460㎏
エンジン水冷直列4気筒DOHC 16バルブ水冷直列4気筒DOHC 16バルブ直噴ターボ
最高出力115kW(156PS)/6,000rpm85kW(116PS)/4,000rpm
最大トルク199Nm(20.3kgm)/4,000rpm270Nm(27.5kgm)/1,600-2,600rpm
変速機6速AT
WLTCモード燃費15.8km/L20.0km/L
WLTCモード燃費(市街地モード)12.0km/L16.5km/L
WLTCモード燃費(郊外モード)16.0km/L19.8km/L
WLTCモード燃費(高速道路モード)18.2km/L22.2km/L
使用燃料・タンク容量無鉛レギュラーガソリン・51L軽油・48L
最小回転半径5.3m
サスペンション(前/後)マクファーソンストラット式/トーションビーム式
主ブレーキ(前/後)ベンチレーテッドディスク/ディスク