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【ニュル24時間 2019】SUBARU WRX STIにタイヤを供給するファルケンに聞く

ファルケン装着のスバルは、残り2時間30分で総合25位

2019年6月20日~23日(現地時間) 開催

ファルケンタイヤ開発する、住友ゴム工業株式会社 モータースポーツ部 部長 谷川利晴氏(右)、同課長代理 久次米智之氏(中央)、同 課長代理 藤田将之氏(左)

  6月20日~23日(現地時間)に「第47回 ニュルブルクリンク24時間レース」が開催されている。このニュル24時間レースに参加するスバル&STI(スバルテクニカインターナショナル)のSUBARU WRX STIにタイヤを供給しているのがファルケン(住友ゴム工業)になる。

 そのファルケンで、SUBARU WRX STI用タイヤを開発する、住友ゴム工業 モータースポーツ部 部長 谷川利晴氏、同課長代理 久次米智之氏、同 課長代理 藤田将之氏に、2019年の供給タイヤの特徴を簡単に聞いた。

よりグリップを重視した2019年用ファルケンタイヤ

構造から変更したという、2019年のファルケンタイヤ

 2019年のファルケンタイヤは、2018年バージョンのアップデート版になると久次米氏はいう。2018年はタイヤショルダーの偏摩耗が発生。この対策が行なわれているという。このタイヤの偏摩耗はタイヤのみに起因するものではなく、以前にSTIの辰己総監督に話を聞いたときに、サスペンションのスクラブ半径の設定が合わない部分があり、それがタイヤの偏摩耗を促進。戦うのに苦労したとのこと。

 2019年バージョンのSUBARU WRX STIでは、そのスクラブ半径を適正化。加えてホイールもマグネシウム製からアルミニウム製に変更。マグネシウムよりも柔らかいというアルミニウム製に変更することで、1本あたり100g重くなってしまうもののタイヤへの攻撃性も減り、タイヤの接地面積を改善したといっていた。考えてみれば当たり前だが、ファルケンタイヤの方でもSTIと話し合いながら、タイヤの変更を行なっていたわけだ。

 この偏摩耗対策は、「対策をした構造を入れています」(久次米氏)というように、タイヤのプロファイルのみではなくタイヤの内部構造から変更。さらにグリップアップ(おそらくコンパウンド変更によるグリップ強化)もしたとのことなので、SUBARU WRX STIの戦闘力は大きく上がっているはずだ。

 今回ファルケンタイヤがSUBARU WRX STI用に供給するタイヤは、スリックタイヤ、カットスリックタイヤ、インターミディ、レインタイヤの4種類。さらに、温度レンジについても「幅広いものを用意しています」(久次米氏)という。とくに昨年が寒かったことから、寒いところは1桁温度から対応できるとのことだ。

 ファルケンタイヤを装着する88号車 SUBARU WRX STI(山内英輝/井口卓人/ ティム・シュリック/ カルロ・ヴァンダム組)は、残り2時間30分で総合25位。もちろん、SP3Tクラスのトップを走行中だ。

スバル&STI側も、ホイールの材質やサスペンションジオメトリを変更して、タイヤの能力が最大限活かせるようアップデート