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オペル日本再参入の課題は? Groupe PSA Japanのアンジェロ・シモーネ社長に聞いた
2020年2月27日 16:35
Groupe PSA Japanは2021年後半よりオペルの日本導入を開始すると発表した。そこでGroupe PSA Japan代表取締役社長のアンジェロ・シモーネ氏にその課題などについて話を聞いた。本来であればGroupe PSA Japan全体の話からスタートしなければならないのだが、今回は限られた時間であったためオペルに絞り、全体の話は改めて伺うこととした。
課題ではなくチャレンジ
──日本では過去進出と撤退を繰り返してきたオペルですが、再び2021年後半から販売が開始されると発表されました。それを踏まえ、Groupe PSA Japanとしてはどのような課題があるとお考えですか?
アンジェロ・シモーネ氏:日本に再上陸するのですから、一朝一夕でできることはないということは十分に分かっていますし、再びブランドを立ち上げていくのは時間がかかることも重々認識しています。
その時間がかかる内容とは、クオリティを重視してお客様からの信頼と満足度を得ていく事が1つ。もう1つはネットワークの確立と販売店の展開をいかに強化できるかだと思います。これは課題というよりもチャレンジと言ってもいいでしょう。
日本のお客様の要求レベルは高く、それに対してのチャレンジも当然非常にハードルが高くなります。それをクリアしていくべく、これらには力を入れていきます。
──日本でのオペルのターゲットユーザーはどういう人たちを想定していますか?
アンジェロ・シモーネ氏:ファミリー層です。それを最もよく表しているモデルが「コンボライフ」になるでしょう。また、より多くの女性ユーザーにも訴えていきたいと考えています。
──PSAグループにはプジョー、シトロエン、DSと既に導入しているブランドがありますが、それらとのポジショニングの違いはどのようになるのでしょう。
アンジェロ・シモーネ氏:あえてPSAの中のお客様層として捉えるならば、プジョーに近いポジショニングとなるでしょう。DSは全く違った展開をしているので論外ですし、シトロエンは独創性を求めるユーザーであり差別化が図りやすい。ではあえてどのブランドかといわれたらプジョーと同じ部類に入るのではないかと思っています。ただし、プラットフォームにおいて「コルサ」とプジョー「208」は同じものですが、全く違うクルマに仕上がっていますので、そこをいかに差別化して訴求していくかが重要なポイントとなるでしょう。
GMと調整しながらフォロー
──今回オペル日本導入に際して、CS(顧客満足)という言葉が非常に強調されています。CSを高めていくためには、これまでのユーザーに対してもきちんとフォローしていかなければいけないと考えます。その点に関しては現状のままで変化はない、つまり、まだ決まっていないというプレゼンテーションでした。このことについて日本の代表としてはどのように捉えていますか?
アンジェロ・シモーネ氏:とても良い質問ですが、お答えするのがとても難しい質問でもあります。現在保有が約4400台あるのですが、こういったお客様に対してのケアをどうするかは課題としてとても大きなものだと捉えています。解決策として今のところ見出しているものは、GMと話し合い、こういったお客様に対してどういったソリューションを与えられるかというところを詰めていきたいと考えています。まだ具体化されているわけではないので、今後どうなっていくかを見逃すことなく、力を入れなければいけないと考えています。
われわれはすでにオペルのユーザーになっていただいているお客様も重要視しています。古いモデルであってもわれわれにとっては大事なお客さまですから。
──今の20代から30代というオペルのターゲットユーザーには、オペルというブランドイメージがほとんどない状況です。訴求する方法の1つは現ユーザーに対してのアプローチもあるでしょうね。
アンジェロ・シモーネ氏:もちろんそういったアプローチもあるでしょうが、今後新しい技術、例えばEV(電動自動車)化やハイブリッド化など色々あり、オペルから出て来ますので、アピールしていかなければいけません。そういったところを若い方々にもオペルの魅力として伝えていかなければならないでしょう。