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スバル、事故低減に向けた予防安全技術を解説する「SUBARU テックツアー」開催 アイサイトXは渋滞走行時の運転負荷を61.4%低減

2022年8月31日 開催

モニター調査でアイサイトXの「高度運転支援システム」を体感しているスバル車オーナー。運転負荷軽減の効果を感じているようで「これだったら九州まで行けちゃいそうです」という印象も口にしていた

 スバルは8月31日、自社の取り組みなどについて解説する「SUBARU テックツアー」の2022年度第1弾「SUBARUの交通事故低減に向けた取り組み(予防安全編)」をオンライン開催した。

 スバルでは「安心と愉しさ」を合い言葉として長年に渡って車両の安全技術を進化させており、2020年1月に実施された「SUBARU 技術ミーティング」では「2030年までに死亡交通事故ゼロを目指す」というロードマップを表明して取り組みを加速させている。

 今回のオンラインイベントは、第1部「SUBARUの交通事故低減に向けた取り組み(予防安全編)」、第2部「アイサイト運転負荷軽減効果 検証実験」の2部構成で行なわれた。

2022年度のSUBARU テックツアー「SUBARUの交通事故低減に向けた取り組み(予防安全編)」は2部構成で行なわれた

「SUBARUの交通事故低減に向けた取り組み(予防安全編)」

株式会社SUBARU 技術本部 上級PGM兼SUBARU Lab所長 柴田英司氏

 第1部では、最初にSUBARU 技術本部 上級PGM兼SUBARU Lab所長 柴田英司氏がプレゼンテーションを実施。

 スバルではクルマの安全性を重視して、長年に渡って技術開発してきた「アイサイト」を安全を実現する中核に位置付け、この結果として2022年6月にはアイサイト搭載車がグローバル累計販売で500万台を達成したことを紹介し、この期にスバルが取り組んできた予防安全技術について改めて多くの人に知ってもらいたいと考え、今回のテックツアー開催になったことを明らかにした。

アイサイト搭載車が2022年6月にグローバル累計販売500万台を達成
「死亡交通事故ゼロ」と「脱炭素社会への貢献」でスバルらしさを実現していく
航空機メーカーとしてのDNA、過去から培ってきた安全技術を結集することにより、本気で死亡交通事故ゼロを目指していく

 また、現状分析として日本と米国における死亡交通事故のデータを基に、独自算出したグラフを紹介。両国で主要メーカーの平均値と比較すると、スバル車に関連する数値はかなり低い結果となっており、このグラフをさらに下降させていって最終的には死亡交通事故をゼロにしていくとの意気込みを述べた。

 アイサイトの有無による事故発生では、2016年1月発表という少し古い情報ながら、アイサイト(ver.2)を搭載している場合、人身事故全体では61%、車両が対面衝突する追突事故では84%の低減効果を発揮。開発に携わるエンジニアとして企画段階から効果を期待して取り組んでいたが、実際に市場投入してこれほど大きな効果を発揮したことに驚かされ、これがスバルの持つ運転支援技術の確からしさを証明していると語った。

「2030年までに死亡交通事故ゼロを目指す」という目標はこういった技術革新と効果測定を反映したシナリオであり、アイサイトの高度化によって現在から65%削減。残りの35%を、従来から続けている衝突安全性能の強化、事故発生後の自動通報システムの採用でゼロにしていくという。

2008年からの10年間で、米国、日本の両国でスバル車は平均を大きく下まわる死亡交通事故率を実現
2016年1月にスバルが発表した独自調査によるデータ。アイサイト(ver.2)の搭載車は事故比率が低いことを示している
アイサイトの進化、衝突安全性能の強化、自動通報システムの採用で2030年の死亡交通事故ゼロを目指す

 アイサイトでは前進となる「ADA(アクティブ・ドライビング・アシスト)」時代から2つのカメラを組み合わせたステレオカメラにこだわっており、この理由についての解説も行なわれた。

 人間の目のように2個のカメラで前方を検知するステレオカメラを使うアイサイトでは、歩行者や車両、車線、側壁といったすべての物体を立体化した画像によって認識。例えばミリ波レーダーを使うシステムは、車両やガードレールなどの金属の反射を中心にぼんやりと障害物を見つけるようなイメージで、物体を検出する能力ではステレオカメラが圧倒的に高い性能を持っていて、技術的には開発が難しいものの、これに取り組んで事故低減を実現しているとした。

 具体的な制御内容についても紹介され、ステレオカメラでは2個のカメラを使って立体視を行ない、周囲にある物体との距離を算出。一例として出された動画では、10m先を走る車両を約4000個の距離データの集まりとして認識。2個のカメラによる映像を処理した点群データによって物体の形状を把握し、物体を追跡することで距離や速度などから位置関係を特定する技術になっている。これにより、前方にいる車両が自車の前方に割り込んでくる、衝突する危険があるといった判断をステレオカメラの情報だけで効率よく収集できる点がアイサイトの強みであり、30年にわたって積み重ねてきた技術の結晶だと柴田氏はアピールしている。

人間の目を模したステレオカメラでは、立体視によって物体を認識
ステレオカメラの作動イメージ
前方車両を約4000個の距離データとして認識。
距離や速度などの追跡で位置関係を特定する

 2020年に登場した「新世代アイサイト」から採用しているのがステレオカメラの最新バージョンとなっており、筐体の大まかな構成は不変ながら、内部の構成部品は一新。これによって性能も刷新され、事故ゼロの実現に近づけていく新たなコンセプトの基で生み出されたステレオカメラとしては第1弾と呼べるものとなっている。

 この新世代アイサイトではステレオカメラ以外にも改良が実施され、前後バンパーで計4か所のミリ波レーダー設置、データ処理能力向上、全周囲センサーとの協調などを実施。「交差点事故対応強化」「高速道路運転支援の拡大」を実現している。今後は2025年以降を目処に運転支援技術のさらなる進化を実施。事故の回避、運転支援技術を事故ゼロに向けた技術の中核として徹底的に磨き続けていくとした。

運転支援技術を事故ゼロに向けた技術の中核に位置付けて開発した「新世代アイサイト」を2020年から市場投入
2025年に運転支援技術のさらなる進化を予定している

「予防安全の将来に向けた取り組み」

株式会社SUBARU 技術本部 SUBARU Lab副所長 齋藤徹氏

 続いて、SUBARU 技術本部 SUBARU Lab副所長 齋藤徹氏が「予防安全の将来に向けた取り組み」と題して、アイサイトとAI(人工知能)の組み合わせについてプレゼンテーションを実施。

 スバルでは2020年12月にAI開発拠点「SUBARU Lab(スバルラボ)」を開設。アイサイトにAIをはじめとした新しいテクノロジーを加え、予防安全技術をさらに高めていくことに取り組んでいる。

 具体的な取り組み事例では、ステレオカメラで認識した画像にAIの認識結果を追加。これにより、雪道で車両が走行できる領域と路肩で雪が積み上げられた部分を切り分けて障害物に対する回避性能を高めたり、降雪で白線などが認識できない状況でも自車が走行すべき位置を推定して運転支援を継続するなど、あらゆる状況下で安全性を高める研究を進めている。

AI開発拠点「SUBARU Lab(スバルラボ)」ではアイサイトにAIなどを組み合わせることで、さらなり性能向上を目指している
グリーンに色付けされた部分がAIによって走行可能と判定されたエリア。車両もブルーの色分けで認識している
降雪などの影響で車線が見えなくなっていても、AIが自車の走行すべき位置を推定

 また、アイサイトの中核となるステレオカメラでの外界認識について齋藤氏からも再度解説。2個のカメラによる視差を利用した三角測量で物体との距離を算出するステレオカメラでは、距離のデータだけを使った「ジェネラルオブジェクトの検出」が可能になる点が強みになるという。

 ステレオカメラの視差画像では三次元上にあるすべての物体が認識され、アイサイトで採用するアルゴリズムでは、最初に路面の位置を特定。路面より上にあるものはすべてクルマの走行における障害物となる。一般的な単眼カメラを使うシステムでは、クルマを検出するにはクルマを検出するアルゴリズム、歩行者を検出するには歩行者を検出するアルゴリズムが必要になるが、アイサイトは空間上のあらゆる物体を認識できることが大きな特徴になる。

三角測量の原理で物体の位置を特定。遠くにあるものを青く、近くにあるものを赤く色分けされ、しっかりと位置関係を把握できていることが分かる
アイサイトが物体を判定するイメージ図
視差画像から最初に路面を特定し、路面より上にあるもの障害物として認識する

 続いて、自動車開発とAIの関わりに関するトレンドについて紹介。クルマが走行する道路環境にはクルマや白線、信号など、検出するべき対象が多数存在している。一方で車載される半導体は非常に限られた消費電力、低コストで動くことになり、ゲーミングPCで使われている高性能GPUなどを搭載することは不可能。このため、コンパクトに多くのタスクを処理させることが求められ、マルチタスクネットワークのようなAI構造が一般的になる。

 スバルのAI「SUBARU ASURA Net」の場合、インプットされた画像データを「シェアードバックボーン」と呼ぶ共通のシェアードレイヤーで畳み込みニューラルネットワークに掛け、その先に「物体検出」「信号認識」「クラス分類」といった多数のタスクがぶら下がる形式になっている。

車載機器に使うAIではマルチタスクネットワークがトレンド
スバルのAI「SUBARU ASURA Net」の概要図
SUBARU ASURA Netによる公道認識イメージ。路面や車両、路面標示、信号などを同時に認識している

 齋藤氏は「AIとステレオカメラは非常に相性のよい技術」と強調。AIは畳み込みニューラルネットワークを使って1画素ごとのクラス分類が可能だが、このAIによるクラス分類とステレオカメラが生成する視差画像は1画素ごとの完全な対応付けが可能になる。

 例えば単眼カメラとLiDARを使うようなシステムでは、異なるセンサーから出力されたデータを組み合わせたものとなり、ステレオカメラのように画像データ同士を対応させることができず、AIのクラス分類と正確に結びつけることが難しいとした。

AIは複雑な地形でもどこまでが道路かといったクラス分類を1画素単位から可能。この情報を完全に対応付け可能なところがステレオカメラの強みになる

 現在の課題としては、AIは過去の学習データと正解になるものを対応させることで関係性を学習していき、その延長として新たな画像に写っているものを推論していくことが基本構成。それまでの学習データにあまり含まれていないものを推論することはAIの苦手領域となっている。

 具体例では、一般道の駐車車両の影から出てきた歩行者の映像と、そこに写っている歩行者をCGとして高速道路上に立たせた映像で、一般道では歩行者を認識できても、高速道路では歩行者として認識できなかったというケースを紹介。これは高速道路上に突然歩行者が出てくるような学習データはほとんど存在せず、AIはどうしても過去の学習データに認識が影響を受ける傾向を持つ。

 そこでスバルでは、ステレオカメラの画像認識が写ったものを実直に三次元構造として認識する点に着目。初めて認識する物体でも、ステレオカメラなら例えば路上に倒れている人を「小さな障害物」として認識できる。しかし、そこから先にある「それが何なのか」については判別できず、「そのまま乗り越えていいのか、停止するべきなのか」までの判別は難しいという。そこにAIのクラス分類を組み合わせることで、2つが補い合うことで未知の物体にも強いさらに優れたセンサーを開発できると齋藤氏は述べた。

学習データに登場することが少ない対象は検出できない部分がAIの弱点。実際に高速道路上の歩行者やパイロンなどは認識できなかった
視差画像で物体を捉えるステレオカメラは学習の有無とは無縁。AIと組み合わせることでさらに優れたセンサーを開発していく

 最後に齋藤氏は、弊誌でもオープン前に関連記事「齋藤徹スバルラボ副所長、集中ルームなどラボの各部屋を紹介 約50人程度が渋谷でAIアイサイト開発」「スバルがAI開発拠点『スバルラボ』を渋谷に作った理由 柴田英司所長、次世代『アイサイト×AI』を作る仲間を募集」などで紹介したスバルラボの解説ムービーを披露してプレゼンテーションを終了した。

スバルラボの施設概要や設立の意義などを紹介するムービーも

「アイサイト運転負荷軽減効果 検証実験」

「アイサイト運転負荷軽減効果 検証実験」ではスバル車オーナー10人がモニターとして参加。実際に高速道路を走行して運転負荷を計測した

 第2部では、スバル車オーナー10人に最新モデルの「レガシィ アウトバック」を運転してもらい、標準装備するアイサイトXの「高度運転支援システム」を体感してもらい、その効果を多角的に検証したモニター調査の内容が明らかにされた。

 効果検証は第三者機関であるU'eyes Designが担当。検証内容についてU'eyes Design 梶川忠彦氏が報告を行なった。

株式会社U'eyes Design 梶川忠彦氏

 まず梶川氏は、人間に起因する事故の原因を「認知」「判断」「操作」の3要素に分類。一般道、高速道路ともに発生原因の半数以上を「認知」が占めているといったデータを紹介。また、3要素それぞれで事故の原因となる運転課題やエラーを防止することが必要になるとした。

交通事故における半数以上のケースで認知段階のミスが発生原因となっている
人間に起因する事故の原因は「認知」「判断」「操作」の3要素
人間がミスを起こさないようにするUIやADASなどによって安全を高めていく

 検証走行ではドライバーに視線移動の変化を計測するメガネ型アイトラッカーと心拍数を記録するスマートウォッチを着用してもらい、唾液検査キットによる唾液アミラーゼの計測でストレス度合いをチェック。運転中の操作についてはCANデータを使うなど、工学的な手法による計測を実施。これにモニター参加者の主観評価アンケート、NASA-TLXによる運転行動の主観的作業負荷評価を加えて多角的検証を行なっている。

効果検証の詳細。20代~60代という年齢層で、運転経験もバラバラな幅広いドライバーに参加してもらっている。全員アイサイト搭載のスバル車オーナーなので、ACCなどの利用経験はある
ストレス計測なども行なうので、できるだけ日常に近い状況を設定。「高度運転支援システム」のON/OFFを切り替え検証走行を実施
都内から首都高速を経由して、東名高速道路の御殿場IC(インターチェンジ)までを往復する約180kmを走行ルートに設定
テスト車両は「レガシィ アウトバック」のLimited EX
アイサイトXの「高度運転支援システム」を利用することで運転負荷がどれだけ低減されるかを検証する
ドライバーが実際に運転負荷低減を実感できたかも検証のポイント
メガネ型アイトラッカーやスマートウォッチなどの装着でドライバーの状態をチェック。運転操作はCANデータを利用する
フロントシート後方にアクリル板を設置して、リアシートにモデレーター、機材オペレーターなども同乗する
検証走行当日の様子もムービーで公開
モニターを務めたスバル車オーナーも高度運転支援システムの効果に驚いた様子だった

 10人による検証走行を行なった結果、主に6つの点で運転負荷の低減効果が出ていると梶川氏は分析。「認知・判断」では高度運転支援システムの活用により、ドライバーは自車の前方にいるクルマを注視する時間が減って前方の広範囲を確認する余裕が生まれ、実際に前方車両を注視する時間が渋滞走行時で37.8%減、順調走行時で28.7%減となっている。アイトラッカーの分布図でも視野が広くなって、ドライバーが安全確認する「注意資源」が有効活用されていると示された。

 運転操作では高度運転支援システムでステアリングやペダル類の操作が不要になり、システムの作動中は総ドライバー操作時間は82.7%減、ステアリング操作時間が83.5%減、ペダル操作時間は93.8%減と大きく運転負荷を低減していることが分かった。また、主観評価アンケートでも、高度運転支援システムの運転操作に確かさ、滑らかさなどを感じ、5段階評価で「料金所前速度制御の挙動」が3.9になった以外はすべて平均4以上の高評価となり、違和感のない制御がドライバーによる運転操作時間の低減にもつながっていると分析した。

検証で見えてきた6つの運転負荷低減ポイント
高度運転支援システムを使うことで、ドライバーが前方車両を注視する時間が渋滞走行時で37.8%減、順調走行時で28.7%減になり、よりさまざまな対象の目視が可能となっている
アイトラッカーによる視線計測でも、渋滞走行時と順調走行時の両方で視線を分散できるようになったことが分かる
ステアリング操作時間は83.5%減、ペダル操作時間は93.8%減で、高度運転支援システムが作動している時間はほとんどペダル操作をする必要がなかったことが分かる
アンケートでも高度運転支援システムは各項目で高い平均満足度を見せた

 NASA-TLXを使った運転行動の主観的作業負荷評価では、高度運転支援システムの作動により、総合スコアで渋滞走行時に運転負荷を61.4%低減、順調走行時に運転負荷を45.8%低減する結果になっている。さらに尺度別に見た場合、身体的負荷が大きく低減されたことに加え、精神的負荷も大きく低減されたことをアピールしている。

NASA-TLXによる総合スコアで、渋滞走行時に運転負荷を61.4%低減、順調走行時に運転負荷を45.8%低減する結果になった
身体的負荷だけではなく、精神的負荷も大きく低減されたことを示す検証結果

 最後のまとめでは、アイサイトXの高度運転支援システムが運転負荷を低減することで操作ミスの起きにくい状況を作り、ドライバーの注意資源を有効活用して危険を見つけやすくするほか、早い段階から危険予測することで判断をサポートするなど、「認知」「判断」「操作」の3要素すべてで課題解決に資する効果を発揮。

 また、安全性を高めることに加え、ロングドライブの快適さを高めることにより、ドライバーが持つ有限な注意資源を有効利用することで、安全性を保ったままより長時間の運転を可能にする効果も高度運転支援システムは持っているように感じたと梶川氏は語って報告を締めくくった。

「認知」「判断」「操作」の3要素すべてで高度運転支援システムが効果を発揮
高度運転支援システムは安全性を保ったままより長時間の運転を可能にする効果もありそうだと梶川氏

 梶川氏の報告後、梶川氏とアイサイトの開発を担当しているSUBARU 技術本部 ADAS開発部 主査兼自動運転PGM主査 丸山匡氏によるトークセッションが実施された。

株式会社SUBARU 技術本部 ADAS開発部 主査兼自動運転PGM主査 丸山匡氏

 丸山氏は開発者の立場から、検証実験の結果を受けて「ADAS(先進運転支援システム)には大きく分けて2つの機能があり、衝突回避機能と運転負荷低減になります。衝突回避については事故が起きそうなときにブレーキが効く、ステアリングが操作されるといった機能で、事故を回避することで効果が分かりやすく、アセスメントによる第三者機関の評価もあります。ただ、この機能は普段使いのシーンではあまり恩恵を感じることがなくて、一方で運転負荷低減については普段使いできて凄くありがたい機能なのですが、効果を見える化することは今まで難しいことでした。そんな意味で、一般のお客さまに実際にリアルワールドで使っていただいて効果を見える化していただけたのは、U'eyes Designさんの力を借りた大きな効果だったと考えています」。

「結果を拝見すると、想定していたような期待通りの結果が出ていて、動きの滑らかさなどにも高評価をいただいてありがたい限りです。今回のアイサイトXで目指した開発の狙いでは、従来のアイサイトもステアリング制御、ブレーキ制御などで好評をいただいていましたが、あるシーンではアシストが途切れるといったこともありました。そこをより多くの時間、長距離を運転するアシストを広げていきたいということで、レーンチェンジといった機能も追加しています」とコメント。

今後の展開について解説する丸山氏

 また、今後の展開については「私たちが目指しているのは一貫して交通事故を減らしていく、『死亡交通事故ゼロ』に向けていろいろな商品を造っていくということです。買っていただいたお客さまに満足していただきながら、社会課題の解決といったところも考えていきたいので、まず足下で当面は、今回新たに導入したアイサイトXをより多くのお客さまに使っていただくために、ほかの車種に展開したり、ほかの仕向けに展開したりというあたりをまずはやっていきたい。将来的には第1部であったような、AIを活用してさらに進化させていく、お客さまに使っていただける範囲をどんどん広げ、アシストを広げていく。そういったところに取り組んでいきたいと考えています」と丸山氏は語っている。