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トヨタ GAZOO Racing Company 新プレジデント 高橋智也氏に聞く スポーツカーユーザーの笑顔のために働きたい

3月1日付でトヨタ自動車株式会社 GAZOO Racing Company プレジデントに就任する高橋智也氏

 TOYOTA GAZOO Racingは2月22日、スーパー耐久公式テストに液体水素を燃料とする32号車 GR Corolla H2 conceptを持ち込み、走行テストを行なった。この車両は、トヨタ自動車のGAZOO Racing Company(TOYOTA GAZOO Racing)が開発し、レース参加はレーシングチームであるルーキーレーシングに委託されているものになる。

 2022年シーズンまでGAZOO Racing Companyのトップであった佐藤恒治氏は、4月1日付けでトヨタ自動車の社長となることが発表され、GAZOO Racing Companyは誰が率いて行くのか注目されていた。

スーパー耐久公式テストに登場した液体水素を燃料とする32号車 GR Corolla H2 concept

 というのも、GAZOO Racing CompanyはTOYOTA GAZOO RacingとしてWEC(世界耐久選手権)、WRC(世界ラリー選手権)を連覇中であり、WECのハイライトとなっているル・マン24時間レースは5連覇と、大きな成功を収めている。2023年はル・マン 100周年であり、6連覇を達成すればフェラーリの記録に並び、連覇記録であるポルシェの7連覇も見えてくるためだ。

 もちろん、近年はGRブランドでのスポーツカー作りも加速しており、さらにカーボンニュートラル社会の多様化に向け、水素燃焼エンジン、カーボンニュートラルフェールエンジンの開発も実施。モータースポーツの裾野を広げるために、ラリー2車両の市販化やラリーなど各種イベントまでも行なっている。豊田社長の掲げた「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を協力に推進する組織として、トヨタの商品やブランドの多くの部分を担ってきた。

 トヨタ自動車は2月13日にGAZOO Racing Companyの新プレジデントを発表。GAZOO Racing Company GR車両開発部 部長を務めていた高橋智也氏が、3月1日よりGAZOO Racing Company プレジデントに就任することが明らかにされた。

 高橋智也新プレジデントがスーパー耐久公式テストに参加していたので、高橋プレジデントの考えるGAZOO Racingについて聞いてみた。

 高橋プレジデントによると基本的な方向性は変わらないという。「スポーツカーユーザーがどれだけ笑顔になってくれるか」、そのために働いていきたいし、それを突き詰めていくブランドがGRだという。「人が無邪気になる。たとえばモリゾウ選手を見てもらえると分かるのですが、モリゾウさんはクルマに乗るとめちゃくちゃ笑顔になる」と語り、多くの人が笑顔になる取り組みをしていくと語ってくれた。

 実際、この公式テストにおいてもGRは液体水素への挑戦を開始。世界的なレーシング活動に加え、カーボンニュートラル社会の多様化への取り組みを継続していく。なお、液体水素GRカローラの馬力など詳細な仕様についてはスーパー耐久第1戦の鈴鹿で明らかするとのことだ。