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SUPER GT開幕戦岡山予選、ポールポジション会見 14号車 大嶋和也/福住仁嶺組と4号車 谷口信輝/片岡龍也組
2025年4月13日 07:21
SUPER GT開幕戦岡山が4月12日~13日の2日間にわたって岡山国際サーキットで開催されている。12日は予選が開催され、GT500は14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)がコースレコードの1分16秒441のタイムでポールポジションを獲得。GT300は4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)が1分24秒420のタイムでポールポジションを獲得した。
SUPER GTの予選方式は、2024年シーズンにQ1/Q2ドライバーのタイム合算方式に変更されたが、2025年は2023年シーズンと同様にQ2ドライバーの最速タイム争いへと変更。誰がトップタイムを出したのか分かりやすい方式へと変更された。
GT500クラス、GT300クラスはいずれもQ2終了直前に最速タイムが更新され、訪れた観客も盛り上がっているように見えた。Q1とQ2のタイムを足し算することなく誰がポールを獲得したか分かるこの方式は、直感的で分かりやすい方式であると改めて感じられるものだった。
予選終了後、14号車大嶋和也/福住仁嶺選手、4号車 谷口信輝/片岡龍也選手によるポールポジション記者会見が行なわれた。
福住選手は昨年から2戦連続コースレコード更新、片岡選手は2017年以来の8年ぶりポールポジション
記者会見の冒頭、13日の決勝で使用するタイヤの抽選を実施。GT500でポールポジションを獲得した福住仁嶺選手が抽選を行ない、「A」タイヤに決まった。
──(司会)最初にGTAより質問させていただきます。23年の方式に戻りました予選第1戦ということで、今日の予選を踏まえ今の気持ちと本日の午前中の走行、それぞれのQ1、Q2を振り返っていただければと思います。ではGT300クラスのお二人よりお聞きしたいと思います。まずはQ1を担当されました谷口選手。今日の午前中の走行と予選の結果を踏まえての今の気持ちをお聞かせいただければと思います。
谷口選手:僕の今日の午前の走行は、片岡選手が走り始めて、タイヤのチェックやセッティングなど、クルマのチェックをして、その後、僕が少し中古タイヤでロングランをするというとこでしたけど、あんまりよくなくて。むしろだいぶ厳しいなっていう状態だったんですけど、そのまま「Q1谷口で行け」言われまして。
ニュータイヤを履くこともなく、だいぶ痛んだ中古しか履いてなかったので、Q1のプレッシャーが結構……。無事通れるかどうか自分の中で心配はあったのですけど。
実際予選を走っているときも、僕のメーターで26秒0、最後なんとかひねりだして25秒9とかだったのですけど、このタイムじゃやばくねっていう朝の練習のタイムを見てただけに、アタックを終えてみたら2番手って言われて。意外とまわりが(タイム)出なかったんだなと。コンディションわるかったのかなっていう印象だったんですけど。
そしてQ2に片岡選手が行ったら。まず僕らAグループだったのですが、Bグループからタイムが上がり始めていて。Q2に入ったら、もうライバル勢も凄まじいタイムを出してきて。こりゃスバルもアストンもレオンも速いなぁって思っていたところ、4号車が赤、赤、赤と来て、セクター1、2を赤で来たとき、「頼む、最後まで頼む!」って言ったら、ボーンって来たんで。非常に我がピットは盛り上がりました。
正直、僕の中ではあのタイム全然想像もしていなかったので、うれしい気持ちと驚きの方がでかいですね、はい。でもすごくグッジョブだと思っています。
──(司会)おめでとうございました。もうスーツ脱がれてましたね?
谷口選手:そうなんですよ。もうね、さすがにポールなんて微塵も予想もしていなかったんで、僕の仕事を終えてチームウェアに着替えてました。「やったぁ、ポールだ!」と。「うわあ」とうちのピットが盛り上がって、2秒後に「やべ、着替えなきゃつっ」て、「片岡が帰ってくるまでに着替えなきゃっ」てことで、5秒で5秒で着替えました。
──(司会)おめでとうございました。では、Q2を走られまして、ボールを獲りました片岡選手、午前の(練習)走行とご自身のQ2を振り返っていただければと思います。
片岡選手:そうですね。朝の走行でまずちょっとシミュレーションではないんですけど、それに近しいものをやって。ニュータイヤでのバランスは比較的その時点で手応えを感じてはいました。ただ、ポール獲れる獲れないという次元ではなく、そこそこ上位には行けそうだなっていう手応えでした。
ただ、その後のロングランとかをやっていくと、割といろいろな課題も見えてくる中で、明日も(天気が)分からないですし、まずはできるだけ上を狙っていきたいねっていうところで、谷口さんのQ1を見ていて。
谷口さんがずっと行く前から、俺は中古しか入ってないし、ニュータイヤが入ってないしっていう、もうすごくこの不安な状態で。結構、探り探りだったと思うのですが、その中でもグループ2番手で帰ってきてくれたので、クルマの仕上がりも確認がある程度取れたかなと。
さらにそこから谷口さんのフィードバックで、もう少し路面がよくなるっていうところも含めて、セットアップも変えてQ2に挑みましたが。
正直このセット変更してコンディションのよくなる分とかも加味すると、これぐらいグリップしてくれたら、この手応えがあったらうれしいなっていう期待をしていったところがほぼあって。自分的には思ったとおりに走りたいように走れて、実際タイムもすごくよかったので。
ただ、コンディションもいいし、正直ここのコースって大体BRZがポールを獲るんで、そこそこ上位だろうなっていう感じだったんです。が、無線で後ろの、エンジニアよりも後ろの賑やかさがなんかこれちょっとよかった感じかなっていうのを感じ取れて、その後に多分ポール獲れそうっていう。まだ全員がアタックを終えていなかったので。
本当にちょっと自分でも驚く結果と、手応えも過去で1番イメージに近いクルマに仕上がってくれていて、その環境で走らせてもらえて楽しかったです。
──(司会)おめでとうございました。では、同じ質問をGT500クラスのお二人にもお聞きしたいと思います。GT300クラスもそうでしたけど、(アナウンスが)予選結果をまとめようとしてるところに4号車が来ましたし、14号車もパッと来ました。すごい予選だったと思います。同じ質問をお二人にお聞きしたいと思います。今のお気持ちと、まずは本日の公式練習、Q1とQ2を振り返っていただきたいと思います。
大嶋選手:昨年から今年にかけてエンジニアと監督と体制が変わって、正直GTの経験のないエンジニアだったし、そんな最初から結果を出すのは難しいかなと思っていたんですけど。本当にチームみんなでいろいろシーズンオフにがんばって準備してきて、その成果がいきなり出せたっていうのも本当にうれしいなと思ってます。
朝、結構路面温度も高くて、フィーリングテストのときと全然違うし、クルマはいろいろ直した方がいいんじゃないかとか悩んだ部分もあったんですけど、午後のコンディション変化とかを見越して、しっかり合わせ込めたのかなと思ってます。
僕としても去年なかなかクルマを乗りこなせなくて苦しいシーズンだったんですけど、本当に今年のクルマは自信を持って踏めるし、非常にいい流れでここまで来れてるので。いい予選だったなと思います。
──(司会)おめでとうございます。では、Q2を走られてポールを獲りました福住選手、午前の走行と、Q2でポールを獲った今の気持ちをお聞かせいただければと思います。
福住選手:はい。まず公式練習から。僕はロングランをして占有を行った形でほとんど乗っていなかったんですけども。公式練習でのコンディションがすごく難しく、なかなかまわりも苦戦していたと思い、そのときのクルマのバランスみたいなところはいろいろと課題があるのかなと思っていました。
実際に予選が始まってQ1に大嶋さんが……今回予選で使ったタイヤがQ1とQ2で僕らは近かったのですけど。その中でも大嶋さんが使ったことのないタイヤでいきなり3番手(のタイムを)出されて、その流れでQ2に向けてクルマを少し大嶋さんのフィードバックを聞きながら、エンジニアさんにアジャストしてもらって。
その効果もすごくあったと思うし、うまく1周まとめられたことによって、自身久しぶりのポールを獲ることができたので、とにかく本当に今年体制が変わった中で不安要素はいろいろあったんですけども。
とにかく去年に比べてチームの雰囲気もいいですし、本当にワンチームでいい体制ができているのかなと思うので。とにかくこのポールポジションは開幕戦で獲ることができて非常にうれしいと思いますし、とにかく感謝です。
──14号車の2人にそれぞれ1つずつ質問です。大嶋選手におうかがいします。先ほどお話があったように、エンジニア、監督、体制面が変わった中で、得意とする岡山でのポールポジションだったと思います。その辺りはこれまでの岡山での実績というかノウハウが活かされたのか、それとも新体制になって違う形で結果につながったのかっていうところを教えてください。
大嶋選手:はい。多少今までの蓄積されたデータもあるかなと思いますけど、今年、僕らはセパンにクルマを持ち込んで4日間走り込んできました。そこで今年独自のセットアップの方向性に進んでいって、それを国内に持ち込んでもフィーリングがよかったので、以前ポールを獲ったときとはまたちょっと違う雰囲気のクルマかなとは思います。
──福住選手におうかがいします。福住選手は昨年の12月の鈴鹿でもコースレコード更新ということで、2戦連続コースレコードを更新するというのはなかなかできないことだと思います。快挙と思いますけど、その辺りの気持ちというか、そこもお聞かせください。
福住選手:そうですね。個人的にはすごくうれしい部分もありますし、でもやはりそのような環境に僕がいられるんだろうなと思います。とにかくいいクルマ、いいチームに巡り合えているからこそ、こういうコースレコードができてるので、個人的には自分の走りというよりかは、本当にチームのみなさんのがんばりのおかげだということを、常に頭の中では思っています。
──4号車のお二人に聞きたいのですが、4号車では谷口選手がQ2を担当されることが多いのですが、今回片岡選手がQ2を担当された理由を教えてください。また、片岡選手のポールポジションは2017年以来だと思いますが、ひさびさにポールポジションを決めた思いを教えていただければ(片岡選手のポールポジションは2017年第2戦富士以来の8年ぶり)。
谷口選手:うちのチームで片岡は速いので。いい順位を取るために、いつもQ1は通りそうにないから片岡がやっているだけで。今年、今回はなんとか谷口Q1通ってくれよっていうだけですね。で、無事通ったからこの結果が生まれました。
片岡選手:そうですね、ひさびさでもありますし2回目なので。そういう意味で言うと、ほとんどポールポジションってのはあんまり獲らないっていうか。自分自身で言うのもあれですけど、あんまりこう、パーって1発が速いタイプではなく。
ただ、やっぱね、年を重ねるごとに校長先生もやってたりしてですね、たくさんの人に教えてるうちに、だんだん運転の仕方が分かってきて。ここ数年、ちょっと調子がいいんですよ。
なので、なんか教えることで成長するっていうのを身をもって体感しながら。多分3年前の僕だったら、今日のクルマでもポールが獲れなかったと思うんですけど。
なので、そういう意味で言うと運転技術っていうのは、45歳になっても進化するっていうことで。実際クルマもよかったですし、すごくクルマなりにちゃんと走らせることができて。
この調子でここからポールの回数を伸ばせていけるといいなと思っています。
──(司会)教えることで自分が育つって、なんか昔先生に言われた気がします。
谷口選手:確かに。来月ぐらいには我々2人で足して100歳なのでね。
──14号車のお二人、どちらか代表してで結構なのですが、3月の富士テスト最後のロングランと、今日の午前でやったロングランでの手応えというところを、明日(日曜日)の決勝レースに向けてお聞かせいただきたいです。
大嶋選手:手応えはかなり感じていますが、さっきのタイヤの抽選で多分察しがついてると思いますけど、Aの方のタイヤがハードなので、明日は雨がらみだし。雨が降っちゃえばいいですけど、降ってなかったらちょっと厄介だなと思ってます。クルマはロングでも非常にフィーリングはいいです。
──(司会)本日最後の質問にしたいと思います。明日の天気はなんとなく昼ぐらいまで、僕のおもちゃのアプリですけど昼ぐらいまで雨で、12~13時ぐらいから曇りとなってます。スタート進行中、ウォームアップ降っていてウェットスタートという感じかなというところで、難しい決勝になるかと思いますが、本年の開幕戦の決勝になりますので、決勝に向けたみなさんの意気込みをお聞きします。では、GT300クラスのお二人からお聞きしたいと思います。まず先生、片岡さんお願いいたします。
片岡選手:はい、そうですね(笑)。先生的にはですね、諦めずに最後まで走れって言いたいところなんですが、正直今日のここまでの手応えで言うと、予選の方が自信があるかなという状況でしたので。
逆に明日天気が、いわゆるイレギュラーが起きることによって、そこはこのベテランの味を出しつつ、いいところからスタートできますから、本当に理想は守り切りたいですし。
ただ、やはり開幕戦っていうすごく1年の流れを作る上で大事なので、しっかりポイントは取っていきたいなと思います。
谷口選手:はい、そうですね。本当に今日は予想外のいい結果で、今夜、あまりね、騒ぎすぎないようにしないといけないんですが。明日の天気はまだ分かりませんが、僕はもうなんとか明日ドライでやりたいと思います。
なんとか雨雲の方に、ちょっとこう、早回しで、ちょっと通過していただきたいなと願いながら寝ようかなと思っています。明日のことはね、明日になってみないと分からないので、とにかくいい流れを願いつつ、全力でがんばります。
──(司会)期待しております。ピットの雰囲気だと、もう今日騒ぎそうでしたね。
谷口選手:そうっすね。ちょっと気を付けないと騒ぎすぎそうですね。
──(司会)同じ質問をGT500クラスのお二人に聞きたいと思います。では、大嶋選手。
大嶋選手:昨年本当に苦しいシーズンを送ってきたので、今年の開幕戦でポールから優勝して、流れを一気にガラっと変えて、今年はチャンピオン狙っていきたいなと思ってるので。今日は一滴も飲まずに、はい、明日に備えたいなと。
──(司会)では、福住選手お願いします。
福住選手:本当にみなさんが言っているように、明日の天候がどうなるか次第では本当に難しいレースになると思います。岡山のレースは個人的にはあまりよい思い出がなくて、本当にこうやってQ2を走ったっていうのもひさしぶりのことですし。
初めてGT300に上がったときも、あのときはARTA時代ですけれども、2019年に高木さんと組んでいたときにここでポールを獲ることができて。結果的に雨で中止で2番手だったのですけど、そこが1番の思い出で、そのような流れに個人的にはしたいなと思ってます。
ただ、荒れたレースの中での強さみたいなところも自分にはまだちょっと欠けている部分があるかなと思うので、そこはしっかりといろんなシチュエーションを考えながらチームと話をして走り方とかもっともっとよくしたいなと思っているんで、片岡先生にいろいろ聞きながら、「明日どうやって勝てばいいんですか」と後で聞いておこうかなと思います。
はい、明日はいいレースしたいなと思ってます。がんばります。