写真で見る
写真で見る マツダ「デミオ」「CX-3」(2016年商品改良)
2016年10月14日 10:30
マツダは10月14日、「デミオ」および「CX-3」の商品改良の実施を発表し、予約受け付けを開始した。発売はデミオが11月17日から、CX-3は11月24日から。
両車とも近年のマツダ車がフィロソフィーとしている「人間の特性・感覚を徹底的に研究し、人間にとって気持ちのよい走りを追求した“人間中心の開発哲学”」の考えを元に開発されており、そこで生まれた技術を商品改良のタイミングで車種やクラスを問わず投入している。今回のモデルにおいても、先に商品改良を行なった「アクセラ」などに導入された技術を採り入れているのが特長だ。
デミオ
マツダの屋台骨を支えるモデルがデミオだ。現行モデルは2014年に「クルマの価値はボディサイズに比例する」という既成概念を打ち破ることを目指して発売され、発売後1年で「日本カー・オブ・ザ・イヤー2014-2015」をはじめ世界各地で約40もの権威ある賞を受賞している。
今回の改良は「世界で最も輝くコンパクトカーであり続けること」を目指し、動的&静的質感と機能性の向上および特別仕様車の設定が行なわれている。
動的質感、つまりドライビングの面で大きなポイントとなるのが「G-ベクタリング コントロール(G-Vectoring Control)」の全車標準化だ。「SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS」の第1弾として先に改良を受けたアクセラから投入されたもので、デミオに搭載するにあたってはダンパーの減衰力特性およびパワーステアリング特性が変更されたほか、ロアアームブッシュ、トーションビームブッシュ、スタビライザーマウントブッシュを変更。車両に合わせたチューニングが施されている。
ディーゼルエンジンでは従来一部モデルに搭載されていた「ナチュラル・サウンド・スムーザー」が標準となったほか、燃料の噴射タイミングを0.1mm秒単位で制御することによってディーゼル特有のノック音を抑制する「ナチュラル・サウンド・周波数コントロール」を採用。そこに昨年の商品改良により追加された、リニアなレスポンスを実現する「DE精密加給制御」が加わることで、走りはもちろん今まで以上に高い質感を手に入れている。
安全装備では「i-ACTIVSENCE」の機能を充実。中高速走行時に衝突回避軽減制御を行なう「スマート・ブレーキ・サポート(SBS)」、約30km/h~100km/hでの追従走行を実現する「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)」、後退時の衝突被害軽減をサポートする「スマート・シティ・ブレーキ・システム・リア(SCBS-R)」を新たに追加。一部グレードにオプション設定している。
また、一部グレードに「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」もオプション設定。これはハイビーム時に前走車や対向車に配慮して配光パターンを切り替える機能で、従来アクセラに採用されていた片側4エレメントタイプから片側11エレメントタイプに改良。最適な配光パターンを実現することで夜間走行時の視認性を向上させている。
そのほか、4WD車の販売が好調ということもあって、寒冷地向けの機能向上も図られている。具体的にはリアフォグランプとヘッドランプウォッシャーが追加されたほか、ウオッシャータンクの大型化も図られている。また、全車共通装備としてリアヒーターダクトの追加、冬期の実用燃費を改善する「リニア空調インテーク制御」が採用されている。
グレードはガソリン車が「13C」「13S」「13S Touring」「13S Touring L Package」「13S Tailored Brown」「15MB」、ディーゼル車が「XD」「XD Touring」「XD Touring L Package」「XD Tailored Brown」。モータースポーツ用のベース車両となる15MB以外は2WD(FF)と4WDが設定される。価格は135万円~222万4800円。ボディカラーは新色となる「マシーングレーププレミアムメタリック」「ディープクリムゾンマイカ」、デミオには新設定となる「エターナルブルーマイカ」「ソニックシルバーメタリック」など全11色が設定される。
新たに特別仕様車として設定される13S Tailored BrownとXD Tailored Brownは専用のインテリアが特徴となるモデル。ライトブラウン&ブラックを基調にオレンジのアクセントを施したインテリアで、同社では初採用となるキルティング加工を施したグランリュクス素材のシート表皮などを採用する。
CX-3
2015年2月に登場したコンパクトクロスオーバー「CX-3」。今回の商品改良は2015年12月に続いて早くも2度目の実施となり、基本的にはデミオと同様の改良が施されている。
メインとなるのは「G-ベクタリング コントロール(G-Vectoring Control)」の全車標準化だ。デミオ同様、ブッシュ類やダンパー特性を見直すなどチューニングを行なうことでハンドリングはもちろん、乗り心地といった面でもさらなるに進化を遂げている。
1.5リッターのディーゼルエンジンは前回の改良によって全車標準となったナチュラル・サウンド・スムーザーに加え、新たにナチュラル・サウンド・周波数コントロールも全車標準化。加えてバックウィンドウガラスの板厚を2.8mmから3.1mmとしたほか、吸音材や遮音層の追加などにより静粛性を向上。快適性を高めている。
デミオと同じく安全装備の機能も向上させた。従来からの近赤外線レーザーレーダーに加え、新たにフォワードセンシングカメラを追加。衝突被害を軽減する「アドバンスト スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンスト SCBS)」は、車両に加えて歩行者の検知を実現。同時に作動領域も約4km/h~30km/hから約4km/h~80km/h(車両)、約10km/h~80km/h(歩行者)まで拡大した。そのほかにも後退時の衝突被害を軽減する「SCBS-R」、対向車や前走車に配慮した配光を行なう「ALH」なども新設定された。上級グレードに標準装備となるアクティブ・ドライビング・ディスプレイはフルカラー化とともに、カメラで認識した速度標識を表示する「交通標識認識システム(TSR)」を採用。制限速度をオーバーして走行している際に警告音や表示によるアラートが行なわれる。
グレードは「XD」「XD PROACTIVE」「XD L Packeage」「XD Noble Brown」の4タイプ。全車2WD(FF)と4WD、6速MTと6速ATが設定される。2WD車の価格は237万6000円~280万8000円で、6速MT車と6速AT車は同価格。4WD車はリアフォグランプ、ヘッドランプウォッシャー、大型ウォッシャータンク、ヒーテッドドアミラーなどを装備しており、2WD車より22万円アップとなる。ボディカラーは「マシーングレープレミアムメタリック」「エターナルブルーマイカ」「スノーフレイクホワイトパールマイカ」の新色3色を加えた全8色が用意される。
新たに設定された特別仕様車「XD Noble Brown」は、XD L Packeageの6速AT車をベースにブラウンカラーのインテリア、ナッパレザーのシート表皮などを採用したモデル。