2010F1日本グランプリ直前情報
観戦や撮影に便利!! 仮設スタンドからの風景を写真で紹介


 いよいよ待ちに待ったF1日本グランプリが今週末(10月8日~10日)に鈴鹿サーキットで開催される。先週、9月28日にはシンガポールグランプリを終えたマシンの第1便がセントレア(中部国際空港)に到着したニュースも流れ、徐々に気分が高揚しつつある方も多いだろう。

 9月29日に仮設スタンドが完成したので、早速各スタンドからのパノラマ写真を撮影してきた。さらに筆者が個人的にも気になっている「カメラマンシート」の実際の状況、各所で準備の進む鈴鹿サーキット様子もあわせて見ていただきたい。そのほか、観戦に役立ちそうな情報、交通アクセスなどを含め直前情報をお届けする。

機材を積んだトラックが、セントレアから鈴鹿サーキットに到着

準備が進む鈴鹿サーキット
 9月29日、筆者が鈴鹿サーキットを訪れた主な目的は仮設スタンドからのパノラマ撮影だ。この時期しか設置されないので、来年のチケット発売時の参考にとも思い完成を待って撮影に臨んだ。最初に撮影を開始したのがストレートエンドのA2席。その目の前に現れたのがレッドブルとマクラーレンの機材を積んだトラックだった。前日の夜、セントレアに到着した機材が運び込まれてきた。

 サーキット全体を見ると、コース、パドック、観戦ブースなど、いたるところで準備が進められており、一見すると、昨年シーズン前の改修工事を思い出すほどあわただしい雰囲気となっていた。

 1コーナーでは縁石の塗装をしていたり、ランオフエリアをブルドーザーが地ならしを行っていたり、スプーン立ち上がりのアウト側縁石付近では土木工事まで行われていたりした。


縁石の塗装作業が行われていた1コーナーのグラベルはブルドーザーで地ならしスプーン立ち上がりの縁石では土木作業も行われていた

 コース各所で行われていたのが、スポンジバリアの移動だ。鈴鹿サーキットのランオフエリアはグラベル、スポンジバリア、タイヤバリア、ガードレールとなっているところが多い。F1開催時はスポンジバリアが認められないため、コース中のスポンジバリアをスプーンカーブのイン側のエリアに移動していた。

スポンジバリアをコース付近まで人力で移動200Rのコース脇に並ぶスポンジバリア
トラックにスポンジバリアを積み込みスプーンカーブのインフィールドに移動

 コース外でもすでに設置の完了した飲食ブースがあったり、「オアシス」の大型テントが完成していたり、仮設シートも席番のシールを貼っていたり、と着々と準備が整っている印象だ。広告看板も日本グランプリ用に設置作業が行われ、常設の看板をシートで覆い隠す作業なども行われていた。パドックも普段見ることのない大型のテントが設置され、チームの受入体制も整いつつあるといった感じだ。

逆バンクのオアシスの大テントも完成オアシスの売店のテントも準備完了A1席裏のお店は開店を待つばかり
仮設スタンドのシートは定規を使い1枚ずつ座席番号を貼っていたヘアピンのAllianzの看板は設置途中パドックもチーム用の施設がほぼ完成

まだ買える、チケット最新状況
 この記事を読まれる多くの読者はすでにチケットを入手していると思うが、チャンピオン争いも激化、小林可夢偉選手の活躍も期待できるということで、「観戦してみたい」という思いが沸き始めている方に直近のチケット状況をお知らせしよう。

F1グランプリ指定席MAP

 今年のF1グランプリのチケットは鈴鹿サーキットのオンラインチケット「MOBILITY STATION」とローソンから発売されている。それぞれのチケット状況(10月3日現在)をまとめてみた。表の○は販売中、△は残りわずか、×は完売、-は取り扱いなしだ。

指定席詳細価格(大人)鈴鹿サーキットローソン
V1 1~3グランドスタンド下段6万2000円
V1 2レディースシート5万円~
V2 11コーナー側6万4000円×
V2 2中央6万4000円
V2 3最終コーナー側6万4000円
V2 41コーナー側6万8000円×
V2 5中央6万8000円
V2 6最終コーナー側6万8000円
V2 71コーナー側7万2000円×
V2 8中央7万2000円×
V2 9最終コーナー側7万2000円
V2 101コーナー側7万6000円××
V2 11中央7万6000円××
V2 12最終コーナー側7万6000円××
A1ストレートエンド4万1000円
A21コーナー側4万7000円
B12コーナー1階4万3000円×
B22コーナー2階5万7000円
C12コーナー先下段3万2000円
C22コーナー先上段3万7000円
C2小林可夢偉応援席3万7000円××
D1カメラマンシート5万5000円
D2逆バンク1万8000円××
D4、D5S字3万7000円
E1ダンロップ1万4000円××
E2ゆったりシート3万5000円
G1130R側下段1万1000円××
G2130R側上段1万4000円××
G3立体交差側下段1万1000円××
G4立体交差側上段1万3000円××
Iヘアピン常設席3万5000円××
J200R1万1000円××
Lスプーン入口1万8000円×
Mスプーン中央1万8000円×
Nスプーン出口1万8000円××
Oバックストレッチ1万1000円××
Pシケイン手前3万2000円
Q1シケイン下段2万9000円××
Q2シケイン上段4万8000円××
R最終コーナー常設席4万4000円
S最終コーナー常設席3万7000円
S山本左近応戦席3万7000円

 東コースではグランドスタンドV2席の最上段、逆バンクD2席、シケインQ1/Q2などが完売、西コースはほとんどの席が完売か残りわずかとなっているが、まだまだ購入できる席はあるので、観戦することは可能だ。

 観戦スタイルは人それぞれだと思うが、筆者の個人的な好みで書かせてもらうと、観戦中心ならV2席 4/5/7/8エリア。A2席、B2席、C2席、D4/D5席、M席は、残りわずかの席もあるが購入可能な指定席ではよい席だと思う。写真が撮りたい(筆者はこのタイプ)方なら、C1/C2席、D1席(カメラマンシート)、D4/D5席、E2席あたりがお勧めだ。

 今年は金曜日がV1/V2席を除き自由席となるので、金曜から観戦される方は自由度が高い。金曜は西コース、予選、決勝は東コースで観るなど、これから購入可能な席でも十分楽しめるだろう。

 企画シートは小林可夢偉応援席、アウトレットシートは完売、カメラマンシート、レディースシート、山本左近応援席は残りわずか、ゆったりシートはまだまだ購入可能だ。

 各席からコースがどう見えるかは、5月のチケット一般販売開始に合わせ、全席からのパノラマ写真を掲載しているので関連記事を参照いただきたい。

・F1チケット発売直前企画「鈴鹿F1チケット完全ガイド」【東コース編】
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20100512_366395.html
・F1チケット発売直前企画「鈴鹿F1チケット完全ガイド」【西コース編】
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20100520_368113.html

 5月の段階ではC2席、I席、R席なども仮設スタンドが設置されると書かれているが、実際にはこれらの席の仮設スタンドは設置されなかった。仮設スタンドに関しては、後述するのでそちらを参考にしていただきたい。

 鈴鹿サーキットのサイトで購入した場合は、鈴鹿サーキットで当日受取、ローソンの場合はローチケで購入しローソン店頭で引き取ることもできるし、いきなりローソンに行ってロッピーで購入することも可能だ。

仮設スタンドが完成
 5月のチケット一般販売開始にあわせ、すべての席からのパノラマ写真を掲載したが、撮影の段階では仮設スタンドは設置されていなかった。先週完成したばかりの仮設スタンドでパノラマ写真を撮ってきたのでご覧いただきたい。

 今年仮設スタンドが設置されるのは東コースはA2席のみ、西コースはG席、J席、L席、M席、N席、O席、P席となっている。仮設スタンドでこれからチケットが購入できるのはA2席、残りわずかなM席、P席だけだが、金曜はどの席からも観戦できるので参考にしていただきたい。

A2席
 昨年と比べると仮設スタンドはかなり小さめになっている。昨年は高圧線の鉄塔を囲うようにスタンドが設置され、席位置によってはやや視界を遮られそうだったが、今年はそのような心配はなく、どの席からも快適に観戦できるだろう。

今年のA2席は少し少なめ昨年のA2席2コーナーB席から見たA2席
A1席側のスタンドB席側のスタンドはかなり高さがあるA2席の左端からグランドスタンド方向を見た様子
A2席右側(グランドスタンド側)
A2席中央よりやや1コーナー側
A2席左側(1~2コーナー側)

G2席
 G2席は130Rからシケインに向かう側の上段の仮設スタンドだ。下段のG1のすぐ後ろから、一部は土手より高い位置まで伸びる大型のスタンドとなっている。最上段ではデグナーも見えるかと期待したが、さすがにそれは無理だった。130Rからシケインへ向かうストレートを見ることができるが、右端の席だけは130Rへ進入するマシンを見ることができる。G2席は最下段でも金網の影響を受けずに撮影ができるので、流し撮りをすることも可能だ。

G1、G2席。上段がG2席となるG2席は常設のG1席のすぐ後ろとなるが、高さがあるので金網の上からコースを見ることができるG2席の右端は130R進入の攻防が見える特典あり
G2席右側の上段
G2席左側の下段

G4席
 G4席は立体交差を抜けてヘアピンに向かう側の上段の仮設スタンドだ。昨年は横に長いスタンドだったが、今年は縦長のスタンドとなっている。

G4席はG3席の上段昨年のG4席は横長だったG4席の左端中段からヘアピン方面の様子
G4席中央の上段

J席
 J席は200Rのアウト側、ヘアピン立ち上がりからスプーン手前までを見ることができる。十数年前に仮設スタンドが設置されたときに入ったことがあるが、改めてスタンドからコースを見て興奮してしまった。

 ヘアピンからアクセル全開で立ち上がってくるマシンを想像すると、音も速さも堪能できそうな席だと思われる。撮影ポイントとしても、正面からの撮影、流し撮りもできそうなので金曜日の一押しスタンドだ。

J席の外観J席の右側下段付近からヘアピン方面の様子ヘアピンから立ち上がってくるマシンを正面から撮影できそうだ
J席右側の上段
J席左側の中段
スプーンのL、M、Nエリアは今年も幕で覆われそうだ

L席
 スプーンカーブは進入側にL席、中間にM席、立ち上がり側にN席の仮設スタンドが用意されている。昨年はこの3つの席の外側に幕が張られ、仮設スタンドだけでなく、この地域一帯がチケットがないと入れない指定エリアといった感じになっていた。ことしも柵が設置されていたので、同様に幕が張られると思われる。

 L席はスプーンの進入側で3つのブロックとなっている。すでに完売となっているが、“LAWSON”のLということで、ローソンだけで購入できるチケットだ。スタンドに立って感じたのは、コースの近さだ。最前列が常設の金網から数m高い位置となっていて、最前列でもその先の金網の上から見ることができる。普段の土手が前方にせり出した位置となるので、妙にコースが近く感じられた。J席ほどではないがプチ興奮を憶えた。L席はスタンドのどの位置でも金網に邪魔されないので撮影ポイントとしてもお勧めできる。


N席から見たL席L席の最前列は常設の金網がすぐ下に見え、コースが近く感じられた
L席左側の上段
L席中央の中段
L席右側の下段

M席
 M席は昨年と比べると大幅に席数が減っている。L席側のブロックがごっそりなくなり、N席側のブロックもなくなっている。M席のN席側の仮設スタンドはかなり高い位置に設置されている。実際にその上段の席に座ってみると、実に見晴らしがよい。コースまでの距離があるので撮影には不向きだが、観戦するにはよい席だろう。

L席からM席を撮影。昨年より大幅に縮小されたM席の左側のブロックM席の右側のブロック。スタンド上段からの景色はかなりよい
昨年のM席。左右に6ブロックもあった
M席左側ブロック
M席右側ブロック

L席から見たN席

N席
 N席はスプーンの立ち上がり側でバックストレッチの中間まで見通すことができる。スプーン進入のバトルはやや遠くなるが、スプーンの立ち上がりはコースオフするマシンも多いので、思わぬアクシデントが見られるかもしれない。


N席中央の上段

O席
 O席はバックストレッチが目の前となる席で、スプーン立ち上がりから130R進入までを見ることができる。スプーンへの進入もチラッと見え、右端の席ではデグナー2つ目も見ることが可能だ。鈴鹿の最高速計測ポイントでもあり、130R進入はパッシングポイントなので観戦にはよい席だと思われる。金網を避けることができないので、撮影には不向きだ。

J席から見たO席。写真右側の土手がエクストラビューエリアとなるO席の右端はデグナーを見ることができる
O席左側の上段
O席右側の中段

P席
 130Rとシケインの中間にあるのがP席だ。目の前のマシン以外に、ダンロップからデグナーに向かうマシンも見ることができる。シケインの進入もデグナーの進入もパッシングポイントなので一粒で二度美味しい的な観戦が可能だ。東コースと西コースをつなぐ部分なので、半周ごとに同じマシンを見ることができ、順位の把握をしやすい。

P席P席の上段は看板でシケインが見づらい
P席の下段は金網でシケインが見づらい中段はシケインの進入、立ち上がりも見られる
P席中央の上段

望遠レンズの制限とカメラマンシート
 モータースポーツはカメラの被写体としても人気があり、国内レースでも多くのアマチュアカメラマンが撮影に訪れる。筆者もその一人で、昨年はF1日本グランプリ直前企画として以下の3つの記事などをデジタル一眼レフを買ってF1を撮りたい、と思っている方は参考にしていただきたい。

・流し撮りなどレース撮影テクニック
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20090925_317507.html
・鈴鹿の撮影ポイントを紹介【東コース編】
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20090928_317956.htm
・鈴鹿の撮影ポイントを紹介【西コース編】
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20090929_318126.html

 今年は望遠レンズの制限が行われるので、その内容を確認しておこう。望遠レンズに関しては、

・周囲のお客様の迷惑になる場合がございます。指定席内での使用はご遠慮ください。
・金曜日の自由席エリア、カメラマンシート、カメラマンシート撮影エリアおよびエクストラビューを除く すべての指定席で長さ20cmを超える撮影用レンズの使用はご遠慮ください。

とアナウンスされている。さらに、

・レンズ長20cmとは?レンズフードやオプションフィルタ等ご使用される方が多いかと思いますが、レンズの使用基準はカタログ上のレンズの長さを基準とさせていただいております。焦点距離ではございませんのでご注意ください。また、当日使用禁止エリアで 20cmを明らかに超えるレンズの使用を係員が視認した場合は、使用禁止の旨注意させていただきますのでご了承ください。

とも書かれている。

 もう少し具体的に説明すると、制限される望遠レンズは、カタログスペックで長さが20cmを超えるレンズ。レンズフード等はなどまれない。例えば筆者はキヤノンユーザーなので、キヤノンのレンズを例に挙げると、

・EF200mm F2.8L II USMの長さは136.2mmでOK
・EF300mm F4L IS USMの長さは221mmでNG
・EF300mm F2.8L IS USMの長さは252mmでNG
・EF70-200mm F2.8L USMの長さは193.6mmでOK

などとなる。当然ヨンニッパ(400mm F2.8)、ゴーヨン(500mm F4)は制限の対象となる。いくつか疑問を感じたので鈴鹿サーキットに確認したところ、ズームレンズでレンズなど長さが変化する場合は一番短いときに20cmを超えなければOK。テレコンバーター等の使用に関しても、望遠レンズ単体で20cmを超えなければOKとのことだ。

 「使用禁止エリアで 20cmを明らかに超えるレンズの使用を係員が視認した場合…」とあるように、実際の運用では大砲と呼ばれるレンズを指定席で振り回すのを制限するということだろう。

 長さが20cmを超える望遠レンズが使えないのは、金曜日はV1/V2のみだ。ほかの席は自由席扱いとなるので、大砲を使って撮影したい方は金曜日から観戦しよう。土曜、日曜はエクストラビューエリアとD1席(=カメラマンシート)、カメラマンシート撮影エリアで20cmを超える望遠レンズが使用可能となる。

 カメラマンシートは今年新設された企画シートで、D席の1エリア(逆バンクのダンロップ側)のシートとC2、D、E、I、L~N席に設けられたカメラマンシート撮影エリアに自由に出入り可能となっている。

 専用のビブスが用意され、D席に用意されたカメラバック預かり所を無料で利用できる。ほかには、予選後にF1フォトグラファー原富冶雄氏のワンポイント講座に参加、E席、L席のカメラマンシート専用エリアに設置される超望遠レンズ実写体験などの特典もある。

 カメラマンシート撮影エリアは、筆者が個人的に気になっていたので、仮設スタンドの撮影の合間に確認をしてきたので紹介しよう。カメラマンシート撮影エリアの具体的な位置はF1フォトグラファー原富冶雄さんによる撮影エリア ワンポイントアドバイス(http://www.suzukacircuit.jp/ticket_s/2010/f1/camera/point.html)に掲載されている。

C2席の左側(S字側)がカメラマンシート専用エリアとなる

 C2席の撮影エリアは、S字側の土手の部分だ。昨年、鈴鹿の撮影ポイントを紹介【東コース編】の中で「エクストラ・ビューエリアC」として紹介したが、実際のエクストラビューエリアは別の場所だった。その場所が今年はカメラマンシート撮影エリアとなった。筆者としてはお勧めの撮影ポイントだ。

 D席の撮影エリアはD5席の最上段とD1、D2席の最上段、E席もE2席の最上段となっている。I席はヘアピンの常設スタンドの下とヘアピン正面の土手の上、シークレットポイントはヘアピン進入側の土手だ。

 I席のスタンド下は、筆者もよく撮影した場所だが、左右の土手の傾斜が急で、転倒するおそれがあったり、金網が高く脚立等がないと撮影しづらい場所だった。先週確認に行くと、丸太の階段が用意され、土嚢も積まれ金網の上から撮影できる様になっていた。この場所の改善には正直驚かされた。F1以降もそのまま残してもらえれば、多くのカメラマンが集まる人気の撮影ポイントになりそうだ。

ヘアピン常設席の左右に丸太の階段が用意された
金網の手前に土嚢が積まれ、脚立なしで金網の上から撮影できる。ちなみに筆者の身長は172cmヘアピン正面の土手の上の柵もカメラマンシート専用エリアとなる

 スプーンの撮影エリアはL席とM席の間、N席の左側の土手となる。N席横の土手はそれほど撮りたい場所とは思わないが、L~M席は、M席の仮設スタンドが大幅に減ったので、広大な撮影エリアとなりそうだ。少々残念なのはL席の左側(進入側)の土手だ。場所的には空いているし、撮影にはよい場所だが、撮影エリアではないそうだ。

L席とM席の間がカメラマンシート専用エリア。スタンドがなくなりかなり広いスペースとなったN席の左側もカメラマンシート専用エリアだが、それほど撮影しやすいポイントではないと思われる

 新設されたカメラマンシート撮影エリアはツボを押さえた場所が選ばれており、期待できそうな感じだ。

観戦グッズ
 鈴鹿サーキットで行われたF1グランプリは、過去に3回だけ11月開催だが、それ以外の18回は10月に開催されている。本来は気候の穏やかな時期で、普段着のまま観戦できるのだが、振り返ってみるとTシャツ1枚で十分だった日もあるし、異常に寒かった日の記憶もある。遠方から泊まりで観戦される方は、寒暖の差に対応できる服装を用意したほうがよいだろう。

 筆者の記憶で一番寒かったのは1989年の決勝日。セナとプロストがシケインで衝突した日だ。開催日は10月22日でそれほど遅くはなかったが、あまりの寒さにシケインスタンドにキャンプ用の小型バーナーを持ち込み、足元で鍋焼きうどんを作った記憶がある。服装はもちろん真冬のジャケットを着ていた。この日以外にも、初開催となった1987年(11月1日開催)、雨で2ヒート制となった1994年(11月6日開催)の決勝は寒かったと記憶している。

 天気予報で今週末の天気を見ると「Yahoo!天気」は曇りだが、「ウェザーニュース」は土曜日が曇り後雨(10月4日午後時点で)となっている。数日先なのであてにならないが、雨具の準備も必要だ。観客席では基本的に傘はNGなのでカッパ、ポンチョを用意しよう。

 ちなみに決勝日の10月10日は元々体育の日だ。年配の方はご存じだと思うが、1964年の東京オリンピック開会式が行われたことから10月10日を体育の日としてる。10月10日は東京地方の晴れの特異日で、当時、最も晴れる確率が高い日として選ばれている。40年以上前の気象は、異常気象と呼ばれる現在では参考にならないのだろうが、天候に恵まれることを期待したい。

 サーキットを生で観戦するメリットは多々あるが、デメリットもある。テレビと違い目の前を走るマシンしか見えない、解説がないと順位やレースの展開を見失いやすい、などが代表的なところだろう。昨年までは地上波も生放送だったのでワンセグで見るという方法があったが、今年は15時スタートの決勝に対し、放送は16時~17時50分となっているので、現地では役に立たない。

 東コースのほとんどの席はサーキットビジョンが用意される。ピットロードエンドには順位の表示されるリーダータワーもあるし、S字~逆バンク方面からはピットビル上のスクリーンに順位が表示される。席によってはかなり距離があるので、双眼鏡があると細かな文字なども見やすいだろう。

 サーキットで観戦されたことのある方はご存じだが、場内放送はマシンが目の前を走り抜けるとほとんど聞くことができない。そこで役に立つのがPit-FM、場内放送と同じ内容をFM放送で聞くことができる。周波数は77.4MHzと87.0MHz、席によって受信しやすい周波数が異なっていて、D席、E席、O席、R席は77.4MHz、それ以外の席は87.0MHz、一部の席は両方の周波数が受信できる。

 FMラジオはサーキットでレンタルも行われる。GPスクエアのPit-FMブースで1日1000円で借りることができる。決勝日だけなら1000円だが、3日で3000円……だと買ったほうがお得な気もする。

 Pit-FMの出力はあまり強くはないので、機種にもよるが携帯電話やMP3プレーヤーのFM機能では受信は難しい。筆者は十数年前にはラジカセを持ち込んでいた。感度は高く、カセットテープに決勝の実況を録音して、帰りの車中で聞いたこともある。さすがに大きくて邪魔なのでカードサイズのラジオに代えたら感度が低く今ひとつだった。やはりロッドアンテナが付いているほうが感度がよさそうだと思い、手のひらサイズのラジオを購入して使用していたが、昨年からCarWatchの取材で、仕事としてサーキットに行くようになると、微妙な大きさが邪魔になりここ最近は使用していなかった。

今年購入したソニーのラジオ「SRF-M98」。CFカードは大きさの比較用。ラジオのサイズはライター程度

 SUPER GTの取材では携帯の有料サイトで順位の確認を行っていたが、7月のSUGOのレースでトップを走るGT-Rが突然の停止、0.025秒差のゴールなどがまったく把握できなかった反省で、8月のPokka GTの直前にライターサイズのFMラジオを購入した。

 過去にカードサイズのラジオが役に立たなかったことの不安があったが、掲示板などのクチコミを参考に選んだ機種はソニーのSRF-M98。実際に8月にSUPER GTで使用してみたが、コースの外周路を走るメディアバスで確認したところ、東コースは問題なし、西コースはデグナー、ヘアピン、スプーン、130RはOK、ヘアピン~スプーン、バックストレッチでは受信できなかった。

 アナログ電波なので、1m場所を移動すると感度がよくなったり悪くなったりすることもある。経験的はスタンドの上より、金網に近いところが受信しやすい気もする。実況放送が聞けるとレースを楽しく見ることができるので参考にしていただきたい。

 FMより強い身方となるのが「カンガルーTV」だ。国際映像として流れる映像だけでなく、すべてのドライバーの車載映像を見ることができる。ネットでの予約は10月4日までだが、現地でもレンタルすることは可能だ。過去に一緒に行った友人が借りたので見せてもらったが、ついつい目の前のマシンではなくカンガルーTVを見てしまう欠点?はあるが、観戦の便利グッズとしてはお勧めできる。

・カンガルーTV(鈴鹿サーキット)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/watching-info/kgtv.html
・F1日本GPで「Kangaroo.tv」を使ってみた(2008年富士スピードウェイ)
http://car.watch.impress.co.jp/docs/special/20081015_37920.html

 ほかにも土手に座るならレジャーシートがあったら便利など多々あるが、ある程度は常識の範囲で用意すればいいだろう。そもそも山の中のサーキットではないので、車を少し走らせればコンビニもホームセンターもスーパーもショッピングモールもある。いざとなれば現地で調達できるはずだ。

交通アクセス
 初めて行かれる方は大渋滞を想像されると思うが、昨年行かれた方の掲示板等でのコメントと見るとスムーズに帰れたという声が多かった。サーキット~白子駅間はバス専用ルートが用意された効果で移動時間も待ち時間も短かかったとのことだ。

 車で行かれる方も多いと思うが、鈴鹿サーキットは鈴鹿市も鈴鹿市民も応援するサーキット。サーキット周辺には民間の駐車場も多数用意される。筆者は道伯町付近の駐車場を長年利用させてもらっており、先日も仮設スタンドの撮影の帰りに「今年もよろしくお願いいたします」と挨拶をしてきた。

 少し離れた駐車場のほうが、レース後の渋滞を避けられる可能性が高い。駐車場に関してはそれほど心配する必要はないだろう。

 三重県方面で渋滞しやすいのは東名阪道の四日市IC(インターチェンジ)~亀山JCT(ジャンクション)間あたりだ。普段の週末でも鈴鹿インター付近は渋滞することが多い。筆者も東名阪道は使わず、伊勢湾岸道 みえ川越ICで降りて国道23号を利用している。サーキットの案内する推奨ルートも鈴鹿ICを避けるように書かれているので、それを参考にルートを決めればよいだろう。

 昨年掲載した「鈴鹿サーキットへのアクセスガイド 」と大きな変更はない。各インターチェンジからの動画、白子駅、平田町駅、鈴鹿サーキット稲生駅からの写真などを掲載しているので参考にしていただきたい。

・鈴鹿サーキットへのアクセスガイド(写真と動画で見る、徒歩&車での行き方)
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20090930_318328.html
・交通アクセス(鈴鹿サーキット)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/access/access.html
・アクセスマップ ダウンロード(鈴鹿サーキット)PDF
http://www.suzukacircuit.jp/f1/access/image/map1.pdf
・帰路マップ ダウンロード(鈴鹿サーキット)PDF
http://www.suzukacircuit.jp/f1/access/image/map2.pdf

イベント情報
 鈴鹿サーキットでは多くのイベントが開催される。10月7日(木曜日)には佐藤琢磨選手をゲストに迎え、ドキュメンタリー映画「アイルトン・セナ~音速の彼方へ」の試写会が行われる。F1プレミアムオークションは毎日開催されるし、ブリヂストンのステージでは浜島氏やドライバーが登場するトークショーも行われる。

 決勝日にはセナ生誕50周年記念のデモ走行が行われ、ブルーノ・セナ選手と佐藤琢磨選手がロータス97T、ロータス78を走らせる。そのほか、限定ミニカーの販売などここでは紹介しきれないほど多数のイベントがある。会場で配布される観戦ガイドが既にダウンロードできるので、じっくり見て計画を立てていただきたい。

・観戦ガイド表面(鈴鹿サーキット)PDF
http://www.suzukacircuit.jp/f1/watching-info/images/img-guide/suzuka_f1_omote.pdf
・観戦ガイド裏面(鈴鹿サーキット)PDF
http://www.suzukacircuit.jp/f1/watching-info/images/img-guide/suzuka_f1_ura.pdf

(奥川浩彦)
2010年 10月 5日