まるも亜希子の「寄り道日和」

ずっと行きたかった「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京」でドライビング体験

ずっと行きたかった「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京」で、ドライビング体験をしてきました! インストラクターの岩岡万梨恵さんに丁寧なアドバイスをいただいたおかげで、ほんっとうに楽しくあっという間の体験。今回はケイマンでしたが、ターボや自然吸気、駆動レイアウトなどによる違いや、各モジュールによってどんなテクニックが学べるのかなど、いろんなお話が聞けたのもおもしろかったです。4月15日には、女性向けのイベント「Driven Woman in PEC TOKYO」が開催されるそうなので、ご興味ある女性の方はぜひチェックしてみてくださいね

 憧れの場所に、ついにお邪魔することができました! 千葉県の木更津市に2020年10月にオープンした、ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京です。すでに周りのいろんな人が「行ってきた!」と話していたり、実は交通安全啓発活動「OKISHU(オキシュー)」に協力してくれているメンバーが、インストラクターとして活躍していることもあって、近いうちに行ってみたいなと思っていた場所です。

 世界に10か所のPEC(ポルシェ・エクスペリエンスセンター)がある中で、ここは2番目の大きさを誇り、コースに30m/40度という最も高い高低差を持つのが特徴。建物には江戸切子のデザインを取り入れるなど、日本らしい要素も盛り込んであるのがいいですね。「デザイン」「機能性」「日本文化」の融合にこだわり、施設の緑化率60%を維持するなど、自然豊かな地元・木更津との良好な関係を建設前から築いているそうです。

 そして、もしかすると私と同じく、誤解している人もいるかもしれないのですが、ここは「サーキットではない」というのがミソ。だからドライビング体験を受ける際に、ヘルメットやレーシングスーツなどのギアは不要です。もちろん一般道でもないので、どんなにスピードを出しても捕まることはありません(笑)。全長2.1kmの「ハンドリングトラック」をはじめ、「ドリフトサークル」や「オフロードエリア」など6つのモジュールが用意されていて、専属インストラクターがついて自分の目的や好みに合わせて体験できるようになっています。

「運転が上手くなりたい!」でもいいし、単純に「ポルシェを運転してみたい」でもいいし、追加料金ナシで同伴者を連れて行ってもOKなので、「彼をポルシェに乗せてあげたい」とプレゼントすることも可能なんです。身長140cm以上の方ならば、インストラクターの運転するポルシェの助手席で、エキサイティングなドライビング体験をするプログラムも。本格的なシミュレーター体験もあるので、自分で運転しなくても免許がなくても楽しめるというのがいいですよね。

 私は一応、オフロード以外はひと通りのモジュールを体験させてもらったのですが、とくに気に入ったのは「キックプレート」と「ローフリクション・ハンドリング・トラック」。散水されて滑りやすくなった路面で、埋め込まれたプレートが強制的に車両をスピン状態にし、そこから姿勢をコントロールするトレーニングができるところです。今回はプレートが故障中でしたが、それでもツルツルと滑る中を障害物を避けながら姿勢を保つ操作が楽しくて、クセになってしまいました。

 ポリッシュ仕上げのコンクリート路面がミニサーキットのような周回コースになっている「ローフリクション・ハンドリング・トラック」は、目線やハンドル操作、ペダルワークが少しでも乱れると、コーナーのインにつけなかったり、飛び出しそうになったりする、かなりテクニカルなレイアウト。でもだんだん、リズミカルにクリアしていけるようになるとすごく気持ちよく走れて、これまたクセになってしまったのでした。

 どのモジュールも、インストラクターがお手本を見せながらポイントを解説してくれて、自分の運転にも的確なアドバイスをくれるので、上達が早いんですよね。最後にハンドリングトラックへとコースイン。なんとここは、あの有名なアメリカのラグナ・セカの難所「コークスクリュー」や、ドイツのニュルブルクリンクの「カルーセル」を再現したレイアウトがあって、大興奮。こうして気がつけば2時間みっちり、軽く汗ばむくらいに夢中で走っちゃいました。2023年3月1日からは、自分が所有するポルシェを持ち込んで走れるプログラム「オーナーエクスペリエンス」もスタートしたので、自分のポルシェの本当のポテンシャルが知りたい人や、運転に慣れたい人などにもオススメです。

 さて、実はもう1つ私が誤解していたことがあるのです。それは、ここは「クルマ」を楽しむためだけに来る場所ではないのだということ。誰でも気軽に立ち寄れる「カフェ956」や、木更津の食材を使った一流の料理が提供される「レストラン906」、さらに会議や講演会、勉強会などができるスペースも借りられるので、いろんな利用の仕方があるのだと実感。

オシャレなクルマの絵本や塗り絵などがあるキッズスペースの奥は、木更津内でも指折りの洗練されたお食事がいただける、レストラン906。1967年の日本グランプリで優勝した、伝説のレーシングカーの名が冠されているのが素敵ですよね。記念日のランチやディナーはもちろん、大切な人と訪れたくなる特別な場所です
これからちょくちょく木更津方面でロケの帰りに立ち寄ってしまいそうな、カフェ956(右手)。ハンドリングコースへ出ていくポルシェが間近で見られて、緑あふれる景色が気持ちのいい空間です。お隣りのショップにはキッズ向けのアパレルやマグカップなどの小物もたくさんあって、ついついお財布を握りしめてしまいました

 今回は、時間の関係でディナーを食べ損ねてしまったのが残念なんですが、月に一度ランチビュッフェを開催しているとのことなので、次のチャンスを狙いたいなぁ〜。「Wi-Fiがあるので、お近くで仕事の際にぶらりと寄ってカフェで原稿でも書いてってください」なんて、スタッフの皆さんもすごくフレンドリーなので、ちょっと敷居が高そうと感じている皆さまもぜひ、一度訪れてみてほしいです。きっと、ポルシェに対するイメージが変わったり、大ファンになっちゃう人も多いと思いますよ〜。

ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京の前の市道125号は、なんと一部が1kmにわたって「ポルシェ通り」と名付けられていました! これはもう、ポルシェ乗りの聖地確定ですね。現時点で、輸入車ブランドの名前がついている道は、日本で唯一だそうです
まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラスなど。現在はMINIクロスオーバー・クーパーSDとスズキ・ジムニー。