長期レビュー

カメラマン高橋学のはたらくスバル「レヴォーグ」

第6回:カーナビ(やっと)付けました、の巻

関東地方ではすでに桜も散り始め、激しい渋滞が待ってるゴールデンウィークはもうすぐです

 Car Watchの読者のみなさま、こんにちは。昨年の7月の納車されてから約8カ月、走行距離も2万kmを超えました。現在のペースだと年3万kmってトコでしょうか。さて、今日までカーナビなし生活を続けてきましたが、結局カーナビを導入しちゃいました。正直言って発売前のレヴォーグの話題性の高さを考えると、純正を超える魅力を備えつつデザイン的にもジャストフィットするモデルがどこかのメーカーから登場するのでは?なんて期待もあり、いろいろと出ているスマホのナビアプリを試したりしながら待っていましたが、その皮算用は見事にはずれ、そろそろ年貢の納め時かな、なんて思い、導入に至りました。

スマホのナビアプリを使って分かったこと

 無料、もしくは非常に安価に導入でき、なおかつ機能も充実しているスマホのナビアプリでしたが、筆者にとって細かい字を追いながらその小さな画面で操作しなければならないストレスは想像以上に大きなものでした。また、せっかくの充実した機能もIT弱者の筆者には猫に小判状態で、とても使いきれるものではなかったのが正直なところです。携帯電話やスマホでも、年配者向けに字が大きく機能がシンプルなモデルがありますが、ああいうのが欲しい歳になってしまったことを改めて自覚してしまいました。

 で、極めて個人的な結論。ナビは「シンプルイズベスト」。いかに簡単に目的地を設定できるか? これに尽きます。なんて言っちゃうと今発売中のカーナビならどれでもよさそうなものですが、量販店などでズラリと並んだカーナビをあれこれ触ってみると、操作性においてメーカーごとの個性は想像以上に大きく、慣れを必要とせず直感的なインターフェイスを持つメーカーは数少ないものでした。もちろんそれは優劣じゃなくて、あくまで筆者との相性ってヤツなんですけどね。なかにはインターフェイスはわるくないもののタッチパネルの感度が鈍く、いやこちらも筆者の指との相性がわるいだけなのか、画面をタッチしても反応しづらい機種もあり、そういうヤツは除外しました。使い方が分からないならともかく、分かって操作しているのにちゃんと反応してくれず何度も画面にタッチし直さなければならない状況ってかなりイライラしちゃうんです、筆者は。

 で、イライラせず、しかもロクに取説を読まなくてもスッと操作できそうな感じがしたのがパイオニアの一連のモデル。そう、カロッツェリアです。その中でもシンプルなモデルということで「楽ナビ AVIC-RZ09」を選びました。この09という型式を持つシリーズには今回筆者が導入した標準サイズともいうべき2DIN(180mm)サイズ+7V型モニターの「AVIC-RZ09」以外に、天地方向に長い8V型モニター採用の「AVIC-RL09」、幅200mmのワイドサイズで本体にダイヤルが付き操作性がよさそうな「AVIC-RW09」がラインアップされています。実は後者2機種のどちらかが欲しかったのですが、レヴォーグはどちらも装着できないようです。レヴォーグのナビスペースはデザイン的に横幅には余裕がありそうに見えるだけにちょっぴり残念ではありました。最近は純正で巨大なモニターが装着されているクルマ(特にトヨタ車)も少なくないだけにちょっと欲もでてしまいましたが、こればかりは仕方ないですね……。

 ちなみに楽ナビはスバルのディーラーオプションでも用意されていて、そちらは独自のオープニング画面であったり、保障期間が違ったりするのでレヴォーグ+楽ナビを検討している方は確認したほうがいいかもしれません。

取り付けスペースの天地に余裕がなくて8V型モニター採用のモデルはつかず、横幅には少々余裕がありそうに見えるが本体に操作ダイヤルを備えるワイドサイズのモデルもつかず、結局ジャスト2DINサイズのモデル「AVIC-RZ09」となりました
8カ月も続いたこの虚しいセンターコンソールともついにお別れです
取り付けはいつもの「東京スバル CAR DO 三鷹」にお願いしました
同時にドライブレコーダーも取り付けたためイロイロはずしてます
ドライブレコーダーはアフターメーカーのものだとEyeSightのステレオカメラと電波干渉による不具合の可能性があるとかないとか、イロイロ耳にしましたので一応純正タイプを装着。それにしてもステレオカメラは薄いですね

「シンプル」だから選んだつもりが「史上最強」だった件

 筆者がいつものディーラーで取り付け作業をしてもらった直後に、なんとCar Watchにこのモデルのレビューが掲載されたのはちょっとした驚きでした(記事は欲しかった「AVIC-RL09」の方だったけど)。記事を担当した安田氏によると、どうもそのパフォーマンスは上位モデルのサイバーナビに肉薄するそうで「史上最強の楽ナビ」とのことです。早くも「あ~、自分には使いこなせそうもないかもなぁ」なんてチラリと思ったりもしたけど、筆者の第一印象としてはその機能より、やはりシンプルで簡潔な操作性が光っていると感じました。それゆえ、そのパフォーマンスは筆者でも引き出せるのではないかと実はちょっぴり期待してしまいます。

「楽ナビ」は期待以上に“楽なナビ”でした。まだ、ほんのわずかな時間しか過ごしていませんが、とりあえずクルマに乗って自分のスマホと接続するだけで全機能が使える「楽ナビ」は、1番重視していた目的地設定のシンプルさにおいて期待以上の出来です。音声認識による目的地入力もスマホの音声認識とまではいかないまでも想像以上に実用的です。

 ジョグダイヤル付きリモコンともいうべき「スマートコマンダー」はその操作性のよさもマル。長年ホンダ アコードを乗り継ぎ、ジョグダイヤルの付いたホンダ純正ナビばかりを使い続けてきたせいか、直接画面をタッチする操作が好きではない筆者には嬉しい装備です。ホンダに限らずメルセデス・ベンツやBMWなど多くのメーカーが純正採用するタイプの操作方法ですが、車両本体のさまざまな設定まで行うそれらのものとは少々違うとはいえ、アフターパーツでそれに近い操作感を得られるのは、常に画面にまで手を伸ばさなければ操作できないタイプよりはるかに合理的だと思います。

スマートコマンダーはかなり便利。レヴォーグってこういうものを設置するスペースが少ないのですが、本来本革シートのシートヒータースイッチが設置されるわずかなスペースを活用しました。
スマートコマンダーは操作性の向上はもとより、画面にタッチする回数が減るのが実は嬉しかったりします。筆者は決してきれい好きではありませんが、何故かこういう状態があまり好きじゃないもので……
特に特別な通信モジュールとかを使わなくても、スマホとBluetoothでつなげば即すべての機能が使えます
我が家的最大の効果はやっとレヴォーグにテレビが付いたことです。妻が超の付くテレビっ子なもので……

 さて、紆余曲折を経て導入したナビですが、やはりその操作性だけではなくVICS情報+データ通信による渋滞予測精度の高さにより得られる最適ルートの検索は期待してしまいます。毎年毎年渋滞に悩まされるゴールデンウィーク前半の富士スピードウェイ(SUPER GT第2戦、東名高速もしくは中央自動車道を利用)や、ゴールデンウィーク後半に関越道方面での撮影も予定されている身としては、否応なしにその能力に期待しちゃいます。カーナビのルートの選び方によって燃費も燃料消費量も大きく変わる可能性はありますし、なにより無駄な時間を削減できるのならば、それは「はたらくレヴォーグ」にとって大きな武器になりえるのです。

 いつもならちょっと気の重いゴールデンウィークが、今からちょっと楽しみになってきました。これからは渋滞なんか恐れず、仕事はもちろん趣味としてもバンバン撮影に出かけようと思います。

 以上、カーナビを付けて嬉しいゾ! という非常に私的な報告ですみません。

最近お気に入りのソニー サイバーショット RX100M3というコンパクトカメラで撮影。手持ちで手軽に撮った夜景の品質も見事なもので、その技術の進化にはつくづく驚かされます(掲載写真は少々色調を修正してますが、オリジナル画像も見事なものです)。今やドライブレコーダーでは常時動画を記録してますし、バックする際にはリアカメラの映像で安全確認、そしてスバルの誇るEyeSightもステレオカメラによる情報をもとに制御してます。仕事はもちろん、日常生活においても画像(映像)技術の進化にはいろいろとお世話になっているのだなぁ、と痛感する今日この頃です

高橋 学

1966年 北海道生まれ。下積み時代は毎日毎日スタジオにこもり商品撮影のカメラアシスタントとして過ごすも、独立後はなぜか太陽の下で軽自動車からレーシングカーまでさまざまな自動車の撮影三昧。下町の裏路地からサーキット、はたまたジャングルまでいろいろなシーンで活躍する自動車の魅力的な姿を沢山の皆様にお届けできればうれしいです。 日本レース写真家協会(JRPA)会員