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マツダ、「CX-3」を大幅商品改良。1.8リッターの新型ディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.8」搭載
エンジンは1.8リッターディーゼルと2.0リッターガソリンに
2018年5月17日 10:00
- 2018年5月31日 発売
- 212万7600円~306万2080円
マツダは、コンパクトクロスオーバーSUV「CX-3」を大幅改良して5月17日から受注を開始、5月31日に発売する。価格は212万7600円~306万2080円。
2015年にデビューしたCX-3はこれまでに3回の改良を行なってきたが、今回の改良では初めて“大幅”が付けられた。その改良のポイントは、「エンジンの進化」「操縦安定性、乗り心地、静粛性の進化」「デザインの進化」「安全性能の進化」の4点。
これまでの改良ではデザインに着手することはなかったが、初めて変更が行なわれるとともに、通常の改良では手が加えられることが少ないドアの板厚アップ、タイヤ特性やシートのクッション性能にまで変更が及んでいる。
グレード一覧
モデル | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 |
---|---|---|---|---|
20S | 直列4気筒DOHC 2.0リッターガソリン「SKYACTIV-G 2.0」 | 6速AT | 2WD(FF) | 2,127,600円 |
6速MT | ||||
6速AT | 4WD | 2,353,600円 | ||
20S PROACTIVE | 6速AT | 2WD(FF) | 2,332,800円 | |
6速MT | ||||
6速AT | 4WD | 2,558,800円 | ||
20S PROACTIVE S Package | 6速AT | 2WD(FF) | 2,430,000円 | |
6速MT | ||||
6速AT | 4WD | 2,656,000円 | ||
20S L Package | 6速AT | 2WD(FF) | 2,566,080円 | |
6速MT | ||||
6速AT | 4WD | 2,792,080円 | ||
XD | 直列4気筒DOHC 1.8リッター直噴ディーゼルターボ「SKYACTIV-D 1.8」 | 6速AT | 2WD(FF) | 2,436,480円 |
6速MT | ||||
6速AT | 4WD | 2,662,480円 | ||
6速MT | ||||
XD PROACTIVE | 6速AT | 2WD(FF) | 2,630,880円 | |
6速MT | ||||
6速AT | 4WD | 2,856,880円 | ||
6速MT | ||||
XD PROACTIVE S Package | 6速AT | 2WD(FF) | 2,728,080円 | |
6速MT | ||||
6速AT | 4WD | 2,954,080円 | ||
6速MT | ||||
XD L Package | 6速AT | 2WD(FF) | 2,836,080円 | |
6速MT | ||||
6速AT | 4WD | 3,062,080円 | ||
6速MT |
まず、最も大きなトピックとなる「エンジンの進化」では、これまで搭載していた直列4気筒DOHC 1.5リッター直噴ディーゼルターボ「SKYACTIV-D 1.5」から、新開発の直列4気筒DOHC 1.8リッター直噴ディーゼルターボ「SKYACTIV-D 1.8」にスイッチした。排気量を上げつつ、エンジン自体の重量はSKYACTIV-D 1.5とほぼ変わらないという。
SKYACTIV-D 1.8では実用燃費と環境性能を向上させることを目的に、従来から排気量をアップ。理想の燃焼を目指した「急速多段燃焼」の考えのもと、4段の多段噴射に加えて噴射タイミングと噴射量を緻密にコントロールすることで燃焼期間の短縮とノック音の低減を実現する「超高応答マルチホールピエゾインジェクター」や、低回転から高回転まで幅広い領域で高効率な過給を実現する「可変ジオメトリーシングルターボチャージャー」などを採用。そのほか壁面への燃料付着を防ぐ新ピストン形状、暖気効率を高めて実用燃費に貢献する冷却水バルブなどの採用により、力強く伸びやかな加速フィールを実現したという。スペックとしてはSKYACTIV-D 1.5比で最大トルク270N・mに変わりはないものの、最高出力は11PS向上している。
SKYACTIV-D 1.5とSKYACTIV-D 1.8の比較
SKYACTIV-D 1.5 | SKYACTIV-D 1.8 | |
---|---|---|
エンジン種類 | 水冷直列4気筒DOHC 16バルブ 直噴ターボ | 水冷直列4気筒DOHC 16バルブ 直噴ターボ |
総排気量 | 1.498リッター | 1.756リッター |
ボア×ストローク | 76.0×82.6mm | 79.0×89.6mm |
圧縮比 | 14.8 | 14.8 |
最高出力 | 77kW(105PS)/4,000rpm | 85kW(116PS)/4,000rpm |
最大トルク | 270N・m(27.5kgf・m)/1,600-2,500rpm | 270N・m(27.5kgf・m)/1,600-2,600rpm |
燃料供給装置 | 電子式(コモンレール) | 電子式(コモンレール) |
また、2017年7月に発売された2.0リッターガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」も変更を受け、オイルリング形状やピストンリング形状の最適化などによって機械抵抗を低減するとともに、マルチホールインジェクターの噴口形状の変更、燃料噴射圧力を従来の20MPaから30MPaに高めるなどし、無駄のない燃焼を実現。また、サーマルマネジメントに冷却水制御システムを採用し、早期昇温を図ることで燃焼に寄与しない燃料を削減するといったことが行なわれた。エンジン性能については、従来では最高出力109kW(148PS)/6000rpm、最大トルク192N・m(19.6kgf・m)/2800rpmだったところ、110kW(150PS)/6000rpm、195N・m(19.9kgf・m)/2800rpmへと進化。全域でトルクが約1~2%向上するとともに、約1~2%の燃費改善に成功している。
新型CX-3のWLTCモード燃費
モデル | 駆動方式 | 変速機 | WLTCモード燃費 | WLTCモード燃費(市街地モード) | WLTCモード燃費(郊外モード) | WLTCモード燃費(高速道路モード) |
---|---|---|---|---|---|---|
20S | 2WD(FF) | 6速AT | 16.0km/L | 12.6km/L | 16.7km/L | 18.0km/L |
6速MT | 16.2km/L | 12.9km/L | 16.9km/L | 18.1km/L | ||
4WD | 6速AT | 15.2km/L | 11.9km/L | 15.9km/L | 17.2km/L | |
20S PROACTIVE | 2WD(FF) | 6速AT | 16.0km/L | 12.6km/L | 16.7km/L | 18.0km/L |
6速MT | 16.2km/L | 12.9km/L | 16.9km/L | 18.1km/L | ||
4WD | 6速AT | 15.2km/L | 11.9km/L | 15.9km/L | 17.2km/L | |
20S PROACTIVE S Package | 2WD(FF) | 6速AT | 16.0km/L | 12.6km/L | 16.7km/L | 18.0km/L |
6速MT | 16.2km/L | 12.9km/L | 16.9km/L | 18.1km/L | ||
4WD | 6速AT | 15.2km/L | 11.9km/L | 15.9km/L | 17.2km/L | |
20S L Package | 2WD(FF) | 6速AT | 16.0km/L | 12.6km/L | 16.7km/L | 18.0km/L |
6速MT | 16.2km/L | 12.9km/L | 16.9km/L | 18.1km/L | ||
4WD | 6速AT | 15.2km/L | 11.9km/L | 15.9km/L | 17.2km/L | |
XD | 2WD(FF) | 6速AT | 20.0km/L | 16.8km/L | 20.0km/L | 22.2km/L |
6速MT | 23.2km/L | 21.3km/L | 23.5km/L | 24.4km/L | ||
4WD | 6速AT | 19.0km/L | 16.0km/L | 19.1km/L | 20.9km/L | |
6速MT | 21.2km/L | 19.7km/L | 21.6km/L | 22.0km/L | ||
XD PROACTIVE | 2WD(FF) | 6速AT | 20.0km/L | 16.8km/L | 20.0km/L | 22.2km/L |
6速MT | 23.2km/L | 21.3km/L | 23.5km/L | 24.4km/L | ||
4WD | 6速AT | 19.0km/L | 16.0km/L | 19.1km/L | 20.9km/L | |
6速MT | 21.2km/L | 19.7km/L | 21.6km/L | 22.0km/L | ||
XD PROACTIVE S Package | 2WD(FF) | 6速AT | 20.0km/L | 16.8km/L | 20.0km/L | 22.2km/L |
6速MT | 23.2km/L | 21.3km/L | 23.5km/L | 24.4km/L | ||
4WD | 6速AT | 19.0km/L | 16.0km/L | 19.1km/L | 20.9km/L | |
6速MT | 21.2km/L | 19.7km/L | 21.6km/L | 22.0km/L | ||
XD L Package | 2WD(FF) | 6速AT | 20.0km/L | 16.8km/L | 20.0km/L | 22.2km/L |
6速MT | 23.2km/L | 21.3km/L | 23.5km/L | 24.4km/L | ||
4WD | 6速AT | 19.0km/L | 16.0km/L | 19.1km/L | 20.9km/L | |
6速MT | 21.2km/L | 19.7km/L | 21.6km/L | 22.0km/L |
「操縦安定性、乗り心地、静粛性の進化」では、主に装着タイヤとサスペンションをセットで考え、縦バネ特性の最適化を図った。東洋ゴム工業と開発し直した「PROXES R52」タイヤでは、サイドウォールの剛性を5%低減するとともに、接地形状をフラットなものにした低偏平タイヤ(215/50 R18)、ダンパーサイズの大径化(現行:外径45mm、ピストン径30mm。新型:外径51mm、ピストン径32mm)によって剛性を高めたサスペンションの採用など、タイヤとサスペンション一体で乗り心地の改善を図った。また、フロントスタビライザーの小径化、G-ベクタリングコントロールの最適化といったことも行なわれており、より優れた操縦安定性と質感の高い走行フィールを手に入れている。合わせて電動パワーステアリングの制御特性も変更し、コーナリング時の操舵フィールも高められている。
また、NVH(ノイズ、振動、ハーシュネス)については、「自然に会話を楽しめる空間へ」をコンセプトに、フロントドアとリアドアのアウターパネルの板厚アップ、リアドアガラスの板厚アップ、ドアとボディの密着度を高めるドアシーミングウェルトスポンジの追加などによってロードノイズの侵入と風切り音の低減が図られた。さらに室内ではヘッドライナーの厚さを増すことで、吸音力を約13%向上。吸音効果を高めて反響音を低減するとともに、ドア閉め音の質感の向上にも成功したという。
「デザインの進化」では、「気品ある美しさと先鋭さ」をテーマに、CX-3の持つ精巧で上質な美しさをブラッシュアップ。エクステリアではフロントグリル、18インチアルミホイール、クロームサイドガーニッシュ、LEDのリアコンビネーションランプのデザインを変更した。
フロントグリルには太さの異なる2本のラインをひと組みにしたフィンを採用し、より密度のある精緻なデザインを表現。クロームのフロントバンパー加飾モールとサイドガーニッシュ加飾モールは、フロントからサイドへと伸びやかに連続性を持たせ、安定感などを表現。フォグランプやピラーガーニッシュ、サイドガーニッシュモールはグロスブラック化し、車格感を一段と高めている。
また、リアコンビネーションランプは円形と水平のラインによるメカニカルで立体的なデザインに変更するとともに、ランプ外周は黒色で引き締められた。
18インチアルミホイールは、伸びやかで力強いスポークデザインを採用するとともに、金属ならではの輝きを持つ切削断面がサイドクラディングモールの輝きと相まってスピード感のある印象を際立たせている。
インテリアではフロアコンソール、インパネソフトパッド、リアシートアームレスト&カップホルダーのデザインを変更するとともに、シート、ドアトリムインサート、エアコンルーバーリングの色や素材の変更を行なった。
具体的には電動パーキングブレーキの採用により、センターコンソールはより洗練されたデザインへと進化するとともに、新たにアームレストやフレキシブルな収納スペース(マルチボックス)を設けた。これに伴い、コマンダースイッチの前出し&小型化が行なわれたほか、マルチボックスは「カップホルダー×2+小物入れ」「フリースペース×3」「カップホルダー×1+ボックス」といった、前後の仕切り板をアレンジすることで多彩な物入れ/カップホルダーとして利用できる。合わせてリアシートにも開閉式カップホルダー付アームレストを装備して快適性を高めている。
なお、インテリアは「ピュアホワイトレザーシート&グレー内装」「ブラックレザーシート&グレー内装」「ブラック合成皮革/ブラッククロスシート&グレー内装」「ブラッククロス&ブラック内装」の4パターンを設定している。
「安全性能の進化」では、特に夜間における歩行者認知精度を向上させた夜間歩行者検知機能付の「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンスト SCBS)」をマツダ車として初採用、全グレードに標準装備した。フォワードセンシングカメラで車両および歩行者(昼夜)を検知し、衝突のリスクを音や表示で警告するほか、ブレーキを自動制御して衝突回避のサポート、または衝突被害の軽減を図る。
また、全車速追従機能付「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)」を新採用して、追従可能な速度域の下限を従来の30km/hから0km/hに拡大。停車状態からでも追従走行を開始できるように進化させた。
そのほか「自動防眩ルームミラー」を全車標準装備するとともに、フロント、サイド(左右)、リアの4つのカメラを活用してセンターディスプレイに周囲の映像を表示する「360°ビュー・モニター」をオプション設定している。