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マツダ、独自開発EVに新開発ロータリーエンジンレンジエクステンダー搭載。電動化とコネクティビティの技術戦略公表

2030年時点で生産するすべての車両に電動化技術を搭載

2018年10月2日 発表

2013年に公開された新型ロータリーエンジンを発電動力として搭載した「RE レンジエクステンダー」

 マツダは10月2日、同社技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」に基づく電動化とコネクティビティの技術戦略を公表。電動化技術では、2030年時点で生産するすべての車両に電動化技術を搭載するとともに、EV(電気自動車)については新開発のロータリーエンジンレンジエクステンダーを搭載したモデルを独自開発することが示された。

 電動化技術については、将来においても大多数のクルマに搭載が予測される内燃機関を磨き上げながら、小型軽量な電動化技術を展開することで、CO2排出量削減と「走る歓び」の進化を追求。一方、クリーンな発電で電力をまかなえる地域や、大気汚染抑制のために自動車に関する規制のある地域に対しては、EVも最適なソリューションとして導入していくとしている。

2013年に公開されたレンジエクステンダー用の発電動力である新型ロータリーエンジン

 一方、コネクティビティ技術については、「人間中心」の開発哲学に基づき、クルマを通じた体験や感動の共有によって人・社会をつなげ、いつまでも人間らしい心豊かな「生きる歓び」が実感できるコネクティビティ技術を開発。「走る歓び」とともに、新たなクルマの価値として提案し、人と社会を元気にすることを目指すという。

 同社 代表取締役社長兼CEOの丸本明氏は「いま自動車産業は100年に1度の変革期を迎えているといわれていますが、マツダはこれを新しい『クルマ文化創造』のチャンスだと捉えています。『CASE』などの新技術はクルマをより魅力的な存在にする可能性を秘めており、マツダならではの『人間中心』の開発哲学をもとに新技術を活用しながら『走る歓び』を『飽くなき挑戦』で追求し続け、お客さまと世界一強い絆で結ばれたブランドになることを目指してまいります」とコメントしている。

 同社が示した電動化技術とコネクティビティ技術の概要は以下の通り。

電動化技術

・「Well-to-Wheel(燃料採掘から車両走行まで)」視点で企業平均CO2排出量を2050年までに2010年比90%削減することを視野に、2030年時点で生産するすべての車両に電動化技術を搭載。

・2030年時点におけるマツダの電動化技術搭載車両の構成比は、電動化技術を搭載した内燃機関車が95%、EVは5%を想定。

・独自開発のEVは、電気駆動ならではの利点をいかし、人間の特性や感覚を第1に考えたマツダならではの「人間中心」のアプローチで開発。

・EVは、バッテリーのみで駆動するモデルと、これにマツダ独自の小型・軽量で静粛性に優れたRE(ロータリーエンジン)を組み合わせ、バッテリーが一定レベルに減ると発電し航続距離を延ばす新開発のロータリーエンジンレンジエクステンダーを搭載したモデルを開発。

・ロータリーエンジンレンジエクステンダーは、REのコンパクトかつ出力の高さを活用し、共通のパッケージングでも電動化技術のマルチソリューション化を可能とする将来構想をもとに開発。

・ロータリーエンジンレンジエクステンダーは、REと気体燃料との親和性をいかし、LPG(液化石油ガス)を利用した災害時における緊急給電も想定して開発。

コネクティビティ技術

・コネクティビティ技術によって、人と人・社会をつなげることで、社会構造の変化にともなう、人と人とのつながりの希薄化などの社会的な課題解決へ貢献。

・モデルベース開発と連携し製品開発に反映することで、品質とお客さま満足度をさらに向上。

・トヨタ自動車とのアライアンスを最大限に活用して開発。

 なお、今回公開した技術戦略はマツダならではの「人間中心」の開発哲学に基づき、日常の運転シーンにおいて、クルマと人の一体感が感じられ、ドライバーも同乗者も安心して乗っていられる「走る歓び」をさらに進化させるとともに、人間らしい心豊かな「生きる歓び」を実感できるカーライフの実現を目指したものとし、美しい地球と心豊かな人・社会の実現を使命と捉え、「地球」・「社会」・「人」それぞれの課題解決を目指した技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」に基づくものと、同社は解説している。