マツダ、“自然体”を目指した新型コンパクトSUV「MX-30」オンライン発表会レポート

　マツダは10月8日、新型コンパクトSUV「MX-30」の国内発表会をオンラインで開催。オンライン発表会には、MX-30 主査の竹内都美子氏とチーフデザイナーの松田陽一氏が登場して「MX-30」の開発の狙いや特徴について紹介した。

MX-30のコンセプトは“自然体”で「わたしらしく生きる」

　マツダの新世代商品第3弾となるMX-30は、「わたしらしく生きる」をコンセプトに、クルマとともに自然体で自分らしい時間を過ごしてもらうことを目指し、創造的な時間と空間を提案するコンパクトSUVと位置付けられている。

MX-30 主査の竹内都美子氏

　このMX-30のコンセプト「わたしらしく生きる」について、竹内氏は「さわやかな風と潮の香り、広島で生活する私にとって自然に触れられる時間こそが、私を私らしくしてくれる時間です。MX-30の開発で最も大切にしてきたことは、“私らしく生きる”というテーマです。それはMX-30がお客さまご自身にとって自分の思いに正直に向き合い、自分が選んだ道に前向きに一歩を踏み出す力の源であること。そのために私たちは、お客さまがMX-30に触れ、乗り込むと心が整えられる空間であることを目指しました。時には想像力を働かせくつろげるパーソナルスペースのように、時には仲間とリラックスして過ごせる日本家屋の縁側のように、自由にクルマを使ってお客さまご自身が自分らしくいられること、それがMX-30のコンセプト“自然体”の目指したあり方です」と紹介した。

　そのMX-30の特徴となっている観音開きによりセンターピラーレスを実現させた「フリースタイルドア」を採用したことについては、ユーザーの自由な発想で多彩な楽しみを想像できる空間を実現させることにあるという。

　お気に入りの場所でドアを全開にしてくつろぐユーザーの利用シーンの映像とともに、竹内氏は「心地よい海の音と風に包まれながら創作活動のインスピレーションを得られる心整う空間、お気に入りの場所でお気に入りの景色を眺めながらまた明日から頑張ろうと活力を得られる空間、このようにお客さまそれぞれの自由な使い方を通して自然と心が整う創造的な時間と空間を持つこと、そして自分が自分らしくいられること、それはクルマが単なる移動の道具ではなく、人間が本来持つ創造力や常に成長し続けたいと思う心を刺激できる存在になることです。マツダの人間中心の哲学に基づき提案します、人とクルマとの新しい関係です。そんなMX-30だからこそ新たな選択肢として、お客さまとマツダとの輪を広げていけることを願っています」との思いを語った。

MX-30で目指したのは“自然体”

シリコンバレーの若者が持つ“自然体”を“親しみやすい新しさ”で表現

チーフデザイナーの松田陽一氏

　MX-30のデザインについての説明では、チーフデザイナーの松田陽一氏が登場。MX-30のデザイン開発において、シリコンバレーの若者が持つ自然体が開発の羅針盤になっているという。

　松田氏は「このクルマの開発が始まった当初、私たちの少し先の暮らしやデザインを考えるために世界中のイノベーションを起こそうとしてる若者たちに会い、彼ら自身の日常を見て聞いてきました。シリコンバレーに代表される環境の中で彼らの目指す世界は、初めはもっと未来志向のSF映画に出てくるような遠い世界をイメージしてました。しかし実際には肩肘張らずに自分らしさを生かし、日常からヒントを得て、いかに世の中をよりよくできるかを真摯に日々考えるという意外な印象でした。彼らは自然体なんだなあと、この時の体験はその後、私とチームがMX-30を“親しみやすい新しさ”をテーマにデザイン開発を進めていく上で重要な羅針盤となっています」と明かした。

　そうした開発環境の中で仕上がったMX-30のエクステリアデザインは、シンプルな立体構成に徹することで親しみやすい表情を表現。キャビンデザインは「フリースタイルドア」と「フレームドトップ」と呼ぶ3トーンのボディカラーによって軽快感を表現したという。

　魂動デザインで展開されるマツダ車のラインアップの中でのMX-30の位置付けについて、松田氏は「ライフスタイルの変化の捉え方も新たな可能性の1つとして表現に広がりを持たせる実験をしています。人の手が生み出す美しい形、そして作り込みを基礎としながら、これから始まろうとしている価値観の変化に新しい表現の可能性を示しています」との考えを示した。

　発表会の終わりに、竹内氏はMX-30の発売に合わせて行なわれる新しい取り組みとして、オンライン上にMX-30を知ることができるさまざまなコンテンツを用意していることを紹介。

　竹内氏は「ニューノーマルに変わりつつある時代の転換点の中、これまでマツダを応援してくださる皆さまに支えられ、マツダにとって未来への一歩をMX-30とともに踏み出そうとしています。この先に待っている新しいお客さまとの出会いの中で、お客さまそれぞれの私らしい生き方とともに歩んでまいります。これからもMX-30をそしてマツダをどうぞ応援ください」とのメッセージで発表会を締めくくった。