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マツダ初のEV「MX-30 EV MODEL」 一充電走行距離256kmで価格451万円から

モータートルクに同期したサウンドを発生する「サウンドシステム」採用

2021年1月28日 発売

451万円~495万円

「MX-30 EV MODEL」

 マツダは1月28日、「MX-30 EV MODEL(エムエックス サーティ イーブイ モデル)」を発売した。グレードは「EV」「EV Basic Set」「EV Highest Set」の3種類で、価格はEVが451万円、EV Basic Setが458万7000円、EV Highest Setが495万円。

 MX-30 EV MODELは、2050年時点のカーボンニュートラル実現へのチャレンジに向けて、マツダの「マルチソリューション戦略」に基づき、LCA評価によるCO2削減とユーザーの使い方を両立するという新しい考え方から企画した、マツダ初の量産EV(電気自動車)。2020年10月に発売した「MX-30 マイルドハイブリッドモデル」のコンセプト「わたしらしく生きる」をもとに、ユーザーの夢を応援し、より豊かな人生を過ごしてもらうことを目指して開発したという。

EV Highest Set
EV Basic Set
EV
マツダ初のEV「MX-30 EV MODEL」走行シーン

 搭載されるモーターの最高出力は107kW/4500-1万1000rpm、最大トルクは270Nm/0-3243rpmを発生。WLTCモードでの一充電走行距離は256km。バッテリーは、LCA評価によるCO2排出量を抑えることと、買い物や通勤など、日常生活でのユーザーの実用的な使用環境に見合った走行距離を考慮し、総電力量を35.5kWhとした。充電方式は、DC急速充電とAC普通充電の2つを搭載。急速充電はCHAdeMO規格を採用し、普通充電は最大入力6.6kWまで対応する。なお、充電出力6kWで満充電までかかる時間は約6時間となる。

 ボディはEV専用に基本骨格をストレート化し、バッテリーパックを骨格として活かした環状構造によって、剛性アップと伝達遅れ低減の両立を実現。マツダの新世代車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE(スカイアクティブ ビークル アーキテクチャー)」に加え、電動化技術「e-SKYACTIV(イースカイアクティブ)」を採用することで、思い通りに操れる走行性能と、さまざまなシーンで体感できるシームレスで滑らかな挙動を実現したとしている。

e-SKYACTIVのシステムはモーター、高電圧バッテリー、インバーター、DC-DCコンバーター、AC普通充電器などの高電圧部品で構成。バッテリーの直流電流はインバーターで交流に変換してモーターを駆動させ、DC-DCコンバーターで降圧させることで12V系の各種補機類に電力を供給する。モーター、インバーター、DC-DCコンバーター、ジャンクションボックスは高電圧ユニットとして一体化し、車両前部に搭載。フロア下に搭載される高電圧バッテリーは、電池モジュールの高密度搭載や、薄型のバスバー配線を採用して最小化した高電圧部品間の配線設計、薄型構造の冷媒冷却方式の採用により、バッテリーケースの高さを抑制。室内空間への影響を最小限に抑え、快適な居住性を確保した充電口は普通充電・急速充電ポートをセットにして右リアフェンダー部に、AC普通充電器はラゲッジルームに配置。車両との協調制御による電力消費の削減などによって、駆動に活用できるエネルギーを最大化している
バッテリーパックには高電圧部品への直接接触を回避するためのカバー構造や、異常を検知すると即座に通電を停止させる制御などを採用。衝突時の外力からの保護構造や高電圧の遮断機構も搭載され、事故などで高電圧部品が損傷を受けた場合まで想定して感電を防ぐ
冷却システムはバッテリー温度の上昇に合わせてバッテリーを冷却する冷媒冷却システムを採用。バッテリーモジュールの下面に薄型の冷媒チューブ式熱交換器を接触させて冷却する構造により、コンパクトなバッテリーパックの実現に寄与。高い気温でもバッテリーの温度をベストに保つことで、熱によるバッテリーの劣化を抑制するほか、温度センサーでバッテリー温度を常にチェックし、必要に応じて冷媒の流量と圧力をコントロールする制御によって効率的にバッテリーを冷却。エアコンとバッテリー冷却システムの協調制御を採用し、冷房性能とバッテリー冷却性能を高次元に両立する
バッテリーケースを環状構造の一部として活用することで、上下・左右・前後に骨格を連続させた基本設計と合わせて4輪対角剛性を大きく向上。バッテリーケースを構成するフレームとボディをケース全周の20か所で強固に結合するとともに、ボディとの結合部を左右でつなぐクロスメンバーをバッテリーケース内に配置したほか、リアトレーリングアーム取り付け部も環状構造で強化することで、伝達遅れを大幅に低減した。さらに、バッテリーケース締結部の剛性をコントロールすることで、バッテリーケースを活用してロードノイズおよび振動を抑制し、乗り心地の向上にも貢献
基本骨格のストレート化と環状構造を基本として、剛性とエネルギー伝達効率をさらに高めたマツダ独自のボディを採用。上下・左右・前後に骨格を連続させた多方向の環状構造によって剛性アップと伝達遅れの低減を両立し、ダンパーやタイヤの機能を最大限に発揮できるようにしたほか、路面からのエネルギーを特定の部位へ集中させ、緩衝材としてエネルギーを吸収させる効果を持たせた減衰構造で吸収することで、騒音の原因となる振動を効果的に低減させている

 また、高い操縦安定性を実現するマツダ独自の「G-ベクタリング コントロール プラス(GVC Plus)」を進化させた「エレクトリック G-ベクタリング コントロール プラス(e-GVC Plus)」を搭載。ブレーキペダルの操作量からドライバーが必要とする制動力を判断し、その範囲内で最大限のエネルギー回生を行ないつつ、不足分を摩擦による制動力で補う「回生協調ブレーキ」のほか、人の感覚にあったトルクコントロールを可能とした、エンジン車のアクセルペダルに相当する「モーターペダル」システム、通常走行時の「D」レンジを基準に、プラスとマイナスそれぞれ2段ずつの合計5段を設定し、ステアリングに設置したパドルで変速できる「ステアリングホイールパドル」を採用。さらに、加速状況に応じて発生するトルクの状態をドライバーが無意識に認知できることを考え、モータートルクに同期したサウンドを発生するサウンドシステムも用いられている。

 さらに、より安心してカーライフを過ごせるように、コネクティッドサービスとスマートフォン専用アプリ「MyMazda」が連携。バッテリー残量やエアコン作動状況などクルマの状態をMyMazdaアプリで確認できる「リモートモニター」、タイマー充電開始の1時間前に充電コネクタが適切に挿入されていない場合に通知する「うっかり通知」、駆動用バッテリーの充電ON/OFFができる「リモートチャージ」、車内のエアコンの作動/停止ができる「リモートエアコン」、近くの充電スポットを検索できる「充電スポット検索」、充電スポット検索を使って近くの充電スポットを目的地として送信できる「目的地送信」といったEVならではの機能を備えている。

クロス(ブラック)+合成皮革(ブラウン)
クロス(グレー)+合成皮革(ホワイト)
クロス(グレー/ブラック)
メーター
メーター内充電表示
ロアディスプレイ

 マツダの安全思想に基づいた先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」を標準装備とし、全機種が「サポカーS・ワイド」に該当。サポカー補助金の対象となる。

 そのほかにも、購入方法の選択肢を広げるために、残価設定型クレジット「マツダスカイプラン」を利用可能。3年後の残価率は従来のエンジン車と同じ、メーカー希望小売価格の55%に設定されている(残価率は支払い期間によって異なる)。

 また、多くの人が安心してMX-30 EV MODELを選択肢の1つとして検討できるよう、購入前にEV生活を体感できる「1DAYモニター試乗」の実施や、初めてEVを検討する場合の購入から保有までの困りごとに対応する「EV専用ダイヤル」を設置。コネクティッドサービスを活用してバッテリー状況をモニタリングし、バッテリーに優しいクルマの使い方をアドバイスする「バッテリーケアアドバイス」も今秋に導入される予定。

マツダ初のEV「MX-30 EV MODEL」内外装紹介
マツダ初のEV「MX-30 EV MODEL」充電シーン
MX-30 EV MODEL主要諸元
ボディサイズ(全長×全幅×全高)4,395×1,795×1,565mm
ホイールベース2,655mm
最低地上高130mm
トレッド(前/後)1,565mm
室内寸法(長さ×幅×高さ)1,835×1,500×1,135mm
乗車定員5人
車両重量1,650kg
荷室容量366L(Boseサウンドシステム装着車は341L)
サスペンション(フロント/リア)マクファーソンストラット式/トーションビーム式
ステアリングラック&ピニオン式
ブレーキ(前/後/制御)ベンチレーテッドディスク/ディスク/回生協調制御
タイヤ215/55R18
駆動用バッテリー
種類リチウムイオン電池
セル角型(prismatic)
総電圧355V
総電力量(バッテリー容量)35.5kWh
原動機
方式交流同期電動機
冷却方式水冷式
最高出力107kW(145PS)/4,500-11,000rpm
最大トルク270.9Nm(27.5kgfm)/0-3,243rpm
充電
DC充電CHAdeMO規格
AC充電最大入力6.6kW
交流電力量消費率(国土交通省審査値)
WLTC145Wh/km
JC08131Wh/km
一充電走行距離(国土交通省審査値)
WLTC256km
JC08281km