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オーディオメーカーのデモカーでサウンドチェックができる「OTOTEN 2019」開催
ケンウッド、ダイヤトーン、アルパイン、JBLのカーオーディオ
2019年7月1日 13:53
- 2019年6月29日~30日 開催
日本オーディオ協会が主催する国内最大級のオーディオ展示会「OTOTEN 2019(OTOTEN AUDIO&HOME THEATER FESTIVAL 2019)」が6月29日~30日の2日間、東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開催された。
カーオーディオ関連メーカーではJVCケンウッド、三菱電機、アルパイン、ハーマンインターナショナルがデモカーを用意して、試聴体験などもできる展示となっていた。
HD映像とハイレゾ音源の「ケンウッド」サウンドを「ノア」で試聴
JVCケンウッドはトヨタ自動車「ノア」をデモカーとして用意。AVナビ“彩速ナビ”の「MDV-M906HDL」、17cmセパレートカスタムフィットスピーカー「KFC-XS1703」、パワーアンプ「XH401-4」とそれぞれがハイレゾ音源に対応したオーディオシステムを搭載。これに加えて250Wパワードサブウーファー「KSC-SW30」と400Wパワードサブウーファー「KSC-SW40」の2台を搭載していて、セレクトして聞き比べができるようになっていた。
24bit/192kHzのハイレゾサウンドをHD映像とともに視聴したが、川井郁子さんが奏でるバイオリンの弦の弾み、リアルで響きのある余韻が豊かに車内に響き渡る。サブウーファーの効果は、ロックサウンドでよく分かる。斉藤和義さんのライブが、会場にいるような臨場感で目前に広がる。ミニバンという広めの車内でも、ボワついた感じはまったくなく歯切れのいいサウンドを奏で、気持ちよく没入できる。ジャンルを問わず楽しめるサウンドキャラクターだと感じた。分かりやすいセッティングにしているのか、やや低音が多めに感じたが、このあたりのバランスは好みで調整すればいいだろう。
ほかにも“彩速ナビ”と連携する、HDドライブレコーダー「DRV-MN940」、ハイビジョンリアビューカメラ「CMOS-C740HD」も搭載。リアシートには、10.1V型ハイビジョンリアモニター「LZ-1000HD」も2機搭載していた。
ほかにも、ホイールメーカーのエンケイとコラボレーションしたホイール、シガーソケットに装着して使うUSBチャージャーやFMトランスミッター、Bluetooth接続でaptX対応のネックスピーカー「CAX-NS1BT」なども展示していた。ネックスピーカーは、クルマや自転車の運転中の使用も可能でハンズフリー通話にも対応する。
「ダイヤトーン」のお手軽仕様とハイエンドを聞き比べ
三菱電機ブースでは、トヨタ「プリウス」、メルセデス・ベンツ「A 180 スポーツ」の2台をデモカーとして用意。プリウスでは、純正スピーカーにDIATONE SOUND.NAVI「NR-MZ300PREMI」を装着。A 180 スポーツでは同じNR-MZ300PREMIに車載用DIATONEスピーカーシステムとドイツ製ハンドメイドパワーアンプ「BRIX Matrix-MX4」、さらに25cmスーパーウーファーも加え、お手軽なシステムと全部盛りの双方を聞き比べできるようになっていた。A 180 スポーツの方は、配線ケーブルの交換やデッドニングも含めてピュア向けのインストールが施されていて、工賃まで考慮すると総額は250万円を優に超えると思われる。「とにかく最上を目指してみたシステム」とのことだ。
プリウスの方は、低音こそ物足りないものの、これはこれで十分満足する人も多いと思われる仕上がり。映画の視聴ではしっかりと立体的な動きが感じられ、音も迫力がある。サブウーファーを追加すれば、さらによくなるだろう。
A 180 スポーツはさすがに上手な仕上がりだ。FLACの24bit/96kHzのファイルを44.1kHzにダウンサンプリングした再生ではあったが、再現性の高いダイヤトーンサウンドのできに心地よく聴き入ってしまう。A 180のシートが低く構える姿勢なこともあり、サウンドに包み込まれる感じがとても心地よかった。スピーカーシステムの「DS-SA1000」は、2ウェイで恐ろしくリアルなサウンドを再生している。サブウーファーの存在感は完全に消されていて、必要な低域を支えているナチュラルな音を目指した音楽向けのセッティング。ダイアナ・クラールのボーカルがひときわ美しく感じられた。ダイナミクスのある上質な音源で、しっとりと大人のドライブを楽しめるのは間違いない。
アルファードは「アルパイン」の車種専用カスタム
アルパインはトヨタ「アルファード」のデモカーを用意し、車種専用に用意される11型「ビッグX」を装備。この11型「ビッグX」は、トヨタの「アルファード」「ヴェルファイア」「ヴォクシー」「ノア」「エスクァイア」に対応する。スピーカーには、アルファード/ヴェルファイア専用リフトアップ3ウェイスピーカー「X3-710S-LUP-AV」を組み合わせている。イグニッションONに合わせてトゥイーターがリフトアップし、ブルーに光るというギミックがある。
サウンドは、音楽サブスクリプションサービスの人気を考慮し、今回はあえてストリーミング再生での圧縮音源入力でデモをしていたが、十分に楽しめる音質だ。もちろん、システムはハイレゾにも対応している。音は低音の締まりがよくタイト感が強い。リズムの芯がしっかり聞こえ、力強さが感じられるサウンド。EDM系など合うのではないだろうか。ついつい音量を上げてしまいそうだ。トゥイーターの効果か、前方にほどよく音が広がっていて気持ちがいい。デッドニングまではされていなかったようだが、鳴りがとてもいいので、マイカーにインストールする時はデッドニングも含めて施工するとさらによくなると思われる。
「JBL」のカーオーディオサウンドをチェック
ハーマンインターナショナルは「JBL」ブランドのスピーカーシステムを組んだ、トヨタ「C-HR」のデモカーを用意。ヘッドユニットはダイヤトーンの製品を組み合わせている。
スピーカーは、JBLカーオーディオシリーズ中での中上位モデル「STADIUM GTO」シリーズを使った構成。ウーファーとトゥイーターセットの「GTO 600C」にミッドレンジスピーカー「GTO 20M」を加え、リアには「GTO 620」を組み合わせている。パワーアンプは「Club 704」で、さらにコンパクトサブウーファー「BassPro Micro」で低域を軽く補強している。
音の印象は、力強く中域の情報量が多い元気なサウンド。サブウーファーの存在は気付かないほど自然で低音は少なめに感じるが、ロックやJAZZサウンドをガンガン聴くと、この程度で十分な量であると気がつく。前方に広がる豊かな中域が、ロックギターのクランチサウンドや女性ボーカルを気持ちよく鳴らしていた。アンプを上位のGTRシリーズにアップグレードするとどう変化するのかも気になる。
今回紹介したようなカーオーディオのデモカーは、カー用品店やイベントなどを週末を中心に巡回していて、注意して見ていると意外と体験するチャンスは多い。音だけは自分の耳で聞いてみないと好みを判断できないので、見かけたらぜひ試聴してみよう。マイカーで好みのサウンドシステムで聴きながらドライブする。そんな珠玉の時間を、自分なりのアプローチでぜひ大切にしてもらいたい。