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“再生エネ100%店舗”のセブン-イレブンがオープン。太陽光パネル設置や「リーフ」の再生電池で蓄電

「卒FIT」由来の電力も活用した実証実験を神奈川県内10店舗で

2019年9月26日 発表

左から、セブン-イレブン横浜中山南店で行なわれた実証開始セレモニーに出席した、株式会社セブン&アイ・ホールディングス 代表取締役社長 井阪隆一氏、フォーアールエナジー株式会社 代表取締役社長 牧野英治氏、日産自動車株式会社 執行役副社長 星野朝子氏、セブン-イレブン横浜中山南店 オーナーの土屋英樹氏、神奈川県知事 黒岩祐治氏、株式会社カネカ 代表取締役会長 菅原公一氏、株式会社スマートテック 代表取締役社長 小寺雄三氏

 セブン-イレブン・ジャパンは9月26日、店舗運営に関する全ての電力エネルギーを、太陽光発電を由来とする再生可能エネルギーで調達する実証実験を開始。同日、再生可能エネルギー100%店舗としてオープンした「セブン-イレブン横浜中山南店」で実証開始セレモニーが行なわれ、神奈川県知事の黒岩祐治氏や日産自動車の星野朝子氏らが出席した。

 同社事業におけるCO2排出量は「店舗運営」「物流」の大きく2つの要素からなり、店舗運営の電力消費に起因する部分が約9割を占めるという。今回の取り組みは、その電力使用量を全て発電時にCO2を発生しない再生可能エネルギーに置き換えて、CO2排出量を大幅に削減しようとする実験。同社初の試みとして神奈川県内のセブン-イレブン10店舗で順次開始される。

“再生エネ100%店舗”としてオープンしたセブン-イレブン 横浜中山南店
セブン-イレブン事業のCO2排出量は、店舗運営の電力消費分で9割を占めるという

 実証実験が行なわれる店舗では、再生可能エネルギーを「貯める」「創る」「調達」するといった目標を掲げて、日産自動車のEV(電気自動車)「リーフ」の再生バッテリーを活用した蓄電池や、太陽光パネルを設置。自家発電分以外の電力の調達については、FITによる電力買い取り期間が終了した一般家庭の太陽光発電(卒FIT)由来とすることで、実質再生可能エネルギー比率100%を達成させた。

再生可能エネルギーを貯める取り組み
1基につき「リーフ」1台分(容量40kWh/基)のリユースバッテリーを活用した蓄電池設備を設置。リユースバッテリーは電池の転用に関する評価規格「UL1974」に基づく認証を世界で初めて受けた工場で再生されたもの

 再生可能エネルギーを”貯める”といった取り組みでは、具体的には日産のEV リーフのリユースバッテリーを活用して、フォーアールエナジーがオリジナルの蓄電池を開発。動力に活用できる電力の供給も可能で、これにより停電時などにおいては店舗の冷蔵ケースを稼働させることが可能という。

再生可能エネルギーを創る

 再生可能エネルギーを“創る”といった取り組みでは、カネカの高性能太陽光パネルを店舗に設置。同社の太陽光パネルは、ヘテロ接合技術を用いることで良好な発電効率と温度特性を持たせるとともに、両面受光構造を採用して裏面でも発電することで、より高い発電量を実現させた。2019年のセブン-イレブン標準店舗では、パネル90枚(212.4m 2 )/28.8kWの敷設が可能という。

再生可能エネルギーの調達

 再生可能エネルギーの調達では、卒FIT由来の電力の活用を11月1日より開始する。スマートテックが、10月いっぱいでFIT買取期間終了を迎え始める太陽光発電由来の電力を調達して、店舗電力として供給。一般家庭の太陽光発電による電力の供給を受けることで、店舗運営における再生可能エネルギー比率を実質100%まで引き上げることが可能となった。

実証実験の取り組みイメージ

セブン-イレブン横浜中山南店で行なわれた実証開始セレモニー

株式会社セブン&アイ・ホールディングス 代表取締役社長 井阪隆一氏
株式会社カネカ 代表取締役会長 菅原公一氏
フォーアールエナジー株式会社 代表取締役社長 牧野英治氏
株式会社スマートテック 代表取締役社長 小寺雄三氏
EVトラックや営業車として試験導入される「リーフ」も展示された

 セブン-イレブン横浜中山南店で行なわれた実証開始セレモニーには、神奈川県知事 黒岩祐治氏、日産自動車 執行役副社長 星野朝子氏、カネカ 代表取締役会長 菅原公一氏、フォーアールエナジー 代表取締役社長 牧野英治氏、スマートテック 代表取締役社長 小寺雄三氏、セブン-イレブン横浜中山南店 オーナーの土屋英樹氏、セブン&アイ・ホールディングス 代表取締役社長 井阪隆一氏が出席。黒岩知事から、同実証実験にかける意気込みの言葉が述べられるとともに、井阪氏から実証実験の内容などが説明された。

神奈川県知事 黒岩祐治氏

 この実証実験は、神奈川県との「SDGs推進に係る連携と協力に関する協定」と、セブン&アイグループの「環境宣言」に基づく取り組みとして実施されるもの。黒岩知事は「私は知事になってからずっと再生可能エネルギーの普及に全力をかけてまいりました。集中型電源から分散型電源に早く進めようと言ってまいりましたけども、今このテーマが皆さんの1番大きな関心事になっているのではないでしょうか。つい先日の台風であれだけの大きな停電が起きた。これがわが街で起きたらどうするのかといったことについて、皆さんの関心が非常に高まっているところです」と、再生可能エネルギーの普及と分散型電源の重要性を強調。

 黒岩知事は「その中でこのお店は停電があってもへっちゃらです。これは日産リーフの中古バッテリーを利用して、そして太陽光発電を活用して、再生可能エネルギーでまさに自立型のエネルギーの店になったということであります。こういったお店を神奈川県で10店舗同時にオープンさせていただきます。こういったことが新しいこのエネルギーの時代の先駆けとなっていくに違いないと思っておりまして、SDGs推進でさらに突破していきたいと思っています」と、この取り組みにかける意気込みを話した。

日産自動車株式会社 執行役副社長 星野朝子氏

 また、日産の星野氏からは「黒岩知事からもありましたとおり、今、注目が災害のほうに向いておりますけれども、北海道でもそうでしたし、昨年も西日本の方での災害もありました。現在は千葉でも50台以上のリーフが駆けつけて電気を供給しています。多くの自治体さまと災害協定を結ばせていただきまして、日産自動車の販売店からどのように避難所に駆け付けるかということをシミュレーションして、それを協定にしていくという活動をしています」と同社の取り組みを紹介。

 星野氏は「セブン-イレブンさまのこの取り組みはものすごくエポックメイキングで、本邦初の素晴らしい取り組みになると思っています。ぜひこれを実証実験10店舗に限らず、どんどん日本全国に伸ばしていっていただきたい。日本のコンビニエンスストアはライフラインですので、何かあったときでも途切れることなく営業が続けられるように、人々に安心して水や食料や大事なものが供給できるように、そういう強靱な国づくりに貢献していければと思っております」との期待感を述べた。

セブン-イレブン 横浜中山南店 オーナーの土屋英樹氏

 同セレモニーに参加したセブン-イレブン 横浜中山南店 オーナーの土屋英樹氏は「私がセブン-イレブンに加盟いたしましたのは今から約5年前であります。毎日無我夢中で経営を考え、近隣の皆さま、地域の皆さまからどうすれば便利に利用していただける店になるのかなということを日々考えてまいりました。お客さまの求める商品、そしてサービスを私どもが提案することで、便利なお店になって、そして地域になくてはならない存在になりたいと願って仕事をしてまいりました。その思いは、昔も、今も、今後も変わることはありません。今回の取り組みとは、別の意味でこれから先10年、50年、100年のコンビニエンスストアの考えを取り組む中にあるのかなと私自身は思っております。未来に想いを馳せ、今後もこの取り組みに協力してまいりたいと思っております」との思いを話した。

11時にオープンして一般客が来店した