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京セラ、2020年3月期 上期決算説明で自動車・モビリティ分野の取り組みを説明
AI認識カメラ、カメラ-LiDARセンサー、V2I路側機などに注力
2019年11月5日 13:13
- 2019年11月1日 開催
京セラは11月1日、都内で2020年3月期 上期の決算説明会を開催。決算概要や通期での業績予想の説明が行なわれたほか、事業拡大に向けた自動車・モビリティ市場への取り組みについて説明。カメラやセンシングの開発強化、V2Iの展開が語られた。
2020年3月期 上期(2019年4月1日~9月30日)の売上高は7990億5000万円、営業利益は603億2000万円、税引前利益は852億1300万円。京セラ 代表取締役社長の谷本秀夫氏は「売上はほぼ横ばいで、コミュニケーション分野の増収と産業・自動車用部品で今季実施したM&Aが寄与したものの、電子デバイスの減収を主因に部品事業の売上が減少。システム事業の増益でカバーするに至らなかったが、税引前利益率はふた桁を維持した」と概要を語った。
業績予想については、2020年3月期予想売上高は1兆7000億円と4月の公表数値から変更なしとするものの、セグメント別予想では産業・自動車用部品が期中のM&Aが寄与するため売上は上方修正し、利益は下方修正、電子デバイスはAVX製品の在庫調整の長期化の影響で売上、利益とも下方修正した。
事業拡大に向けた取り組みでは、5Gや自動車・モビリティ市場、環境・エネルギー市場、医療・ヘルスケア市場について取り組み、合わせてM&Aも積極的に推進するとした。
中でも自動車・モビリティ市場について、谷本氏は「より安全なADASや自動運転の実現に向け、さまざまなセンシング関連製品やシステムの開発を進める」として、AI認識カメラモジュール、カメラ-LiDARフュージョンセンサー、V2I路側機を挙げた。
AI認識カメラモジュールでは、人やクルマ、自転車などの物体やフリースペースの検知が可能。カメラ-LiDARフュージョンセンサーではカメラ画像とLiDARの距離情報を一体化させることで、人の目を超える3次元センシングを実現。さらにV2I路側機はクルマと交通インフラの間で情報をやりとりする機器で、クルマの運転手から死角になるさまざまな情報を検知することが可能になるとした。
谷本氏は「当社の有する認識技術、無線通信技術により、自動運転をはじめとした、より安全な交通社会の実現に貢献してまいります」と語った。
そのほかの分野についても取り組みを説明。携帯電話の5Gについては、5G実現に向けたインフラ部品を拡大すると述べ、「来期以降の本格的な需要を予想しているが、すでにインフラ向け部品においては一部需要の立ち上がりが見られる」と、需要が始まっているとした。また、5Gスマートフォンはコミュニケーション事業となるが「アメリカで強い引き合いがあり、アメリカ向けには来期、国内は要望があればすぐに作る体制が整っている」とした。
また、太陽光発電での初期投資負担を軽減する新ビジネスモデルの開始、住宅用蓄電池システムや家庭用燃料電池の新製品の投入などを行ない、家庭用燃料電池では世界最小サイズになるとしたほか、医療・ヘルスケア市場や積極的なM&Aの推進するとした。