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デンソー、2021年第1四半期は赤字だが、年間売上4兆5000億円、営業利益1000億円を予想
止血・体質改善をしっかり行なうが、競争力の源泉となる開発費は5000億円維持
2020年7月31日 15:34
- 2020年7月31日
デンソーは7月31日、2021年3月期第1四半期決算を発表した。今回は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、会場に入る報道関係者の人数を制限し、決算発表の様子をオンラインで中継。決算発表はCFO 経営戦略本部および経営管理本部 担当経営役員の松井靖氏が行なった。
決算発表のトピックは2点あり、1点目は実績で、売上は新型コロナウイルス感染症の影響にともない車両販売が減少したことから減収。利益は売上の減収による操業度差損から営業損失となった。2点目は今期の業績予想で、売上は4兆5400億円、営業利益は1000億円とすると発表した。
詳細については、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大により、多くの国の経済活動にマイナスの影響がおよんだことで、売上収益は前年比で5590億円、同42.2%の減収となる7651億円。営業利益は、操業度の落ち込みにより前年比で1758億円減少し、1066億円の営業損失。当期利益は前年比で1472億円減少し、901億円の損失となった。
営業利益の増減要因については、経費を中心とした固定費等投入は55億円減と抑制しつつ、増加分は生産性向上などで365億円増とカバー。収益体質としては向上していると認識を示した。
また、年間の利益確保に向けて、緊急の止血や体質改善を実施。そのほかに製品構成の良化や、トヨタ自動車よからき継いだ広瀬工場の合流の効果などもプラス要素。新型コロナウイルスの影響を除けば営業利益は前年を上まわっているが、操業度が落ち込んだことで、今期の営業利益がマイナスになったと解説した。
地域別で見ると、全地域で新型コロナウイルスの影響により売上は大きく減少。止血・体質改善の追加策を講じるも日本、北米、欧州で営業利益はマイナスとなった。アジア全体では減収減益となったものの、中国の操業が早期に回復したことで中国の売上は前年を上まわり、アジア全体では営業利益を確保した。
今期の設備投資は3950億円で前年より415億円減で、実績は1154億円の進捗率29.2%とやや足が速くなっているが、成長ための投資は行なうとのこと。また、研究開発費は5000億円で、今季実績は1226億円の進捗率24.5%と順調に推移していてると解説。開発費は競争力の源泉であると考えているので、年間5000億円は維持すると明言した。
年間予測としては、上半期が30%減、下半期が5~10%減、通期で20%減程度を見込む。営業利益に関しては第1四半期では赤字となったが、止血と体質改善で年間では黒字を目指す。また、新型コロナウイルスの影響により、今まで見えなかった企業体質や、見たくなかった景色が見えたチャンスだととらえ、思考停止に陥らずに企業体質を改善し、社会貢献をぶれずに行ない、社会と共に持続的に成長すると締めくくった。