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スーパー耐久開幕戦、ROOKIE Racingのモリゾウ選手と片岡監督に聞く 決勝は大雨で赤旗中断後終了

2021年3月20日 開催

コース上ではGRヤリスとシビック TYPE Rの直接対決も

「スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook」(以下、S耐)の開幕戦となる「もてぎスーパー耐久 5Hours Race」が3月20日~21日の2日間にわたりツインリンクもてぎにおいて開催された。21日には決勝レースが行なわれたが、スタート前からの雨が強くなってきたため15時25分で赤旗中断。赤旗終了時の順位でレースは成立し、総合優勝は赤旗終了時点でトップを走っていたST-Zクラスの777号車 D'station Vantage GT3(星野敏/藤井誠暢/近藤翼組)となった。

 また、モリゾウ選手 vs. 柿沼選手と開発者同士の対決で注目を集めていたST-2クラスは、743号車 Honda R&D Challenge FK8(木立純一/石垣博基/柿沼秀樹/山本謙悟組)が3位表彰台に。モリゾウ選手の32号車 ORC ROOKIE Racing GR YARIS(井口卓人/佐々木雅弘/MORIZO/松井孝充組)は、スタート前のエンジントラブルで最後尾となり、一時トップに立ったもののマシントラブルが発生。ピットに留まる時間が長くなり、モリゾウ選手に交代する前に赤旗中断。最終的にはクラス6位でゴールすることになった。

赤旗中断のレース、総合優勝は777号車 D'station Vantage GT3

総合優勝した777号車 D’station Vantage GT3(星野敏/藤井誠暢/近藤翼組)
雨のレースとなった開幕戦のスタート

 総合優勝を争う最上位クラスのST-Zクラスは、ポールポジションからスタートした16号車 PC Okazaki 911 GT3R(永井宏明/中山雄一/上村優太/大原佳祐組)がスタートからしばらくトップを維持していたものの、予選2位からスタートした777号車 D’station Vantage GT3(星野敏/藤井誠暢/近藤翼組)がオーバーテイクしてトップに立った。

 S耐の2021年シーズンではタイヤをピレリからハンコックへと変更しており、多くのチームがハンコックのウェットタイヤを履くのは決勝レースが初めてということになる。そのため、急遽レース前15分のウォームアップセッションが追加され、各チームとも慣熟走行を行なった。

 ただし、ほとんどのチームが初めて履くことになるハンコックのウェットタイヤの使い方に戸惑っており、その状況に上手に対応できたチームが上位に来ることになった。

 レースはスタートして2時間もすると徐々に雨足が強くなり、結局2度セーフティカーが導入された後、15時25分に赤旗が出され全車グリッドに整列した形で天候の回復を待つことに。しかし、それ以上回復が見込めそうにないため、スタートから4時間後となる16時にレース終了がアナウンスされた。

 総合優勝したのは予選2位からスタートした777号車 D'station Vantage GT3。2021年シーズンはスーパー耐久だけでなく、WEC/ル・マン24時間レースなどにも参加する意欲的な計画を立てている。

モリゾウ選手、ROOKIE Racingの活動は「クルマを鍛えることと、プライベートチームへのサポート体制の強化」

モリゾウ選手ことトヨタ自動車社長 豊田章男氏

 トヨタとホンダというメーカーの開発者同士の対決が行なわれたST-2クラス。予選では32号車 ORC ROOKIE Racing GR YARIS(井口卓人/佐々木雅弘/MORIZO/松井孝充組)がクラスポールポジションを獲得したが、ウォームアップでエンジントラブルが見つかり、決勝レースまでになんとか修復できたものの、残念ながらピットスタートになってしまった。

ピットスタートになった32号車 ORC ROOKIE Racing GR YARIS
26号車 ORC ROOKIE Racing GR Supra

 同じROOKIE RacingからST-Qクラスに参戦している26号車 ORC ROOKIE Racing GR Supraのグリッドには、ROOKIE Racing 片岡達也監督やモリゾウ選手の姿があり、スタート前に話を聞くことができた。

片岡達也監督

 片岡監督は「GRヤリスの方は昨日(予選日)までは順調に来ていたが、ウォームアップでエンジンにトラブルが出たので載せ替えをしてすでに終了している。ピットレーンスタートになるが、ドライバー達の頑張りに期待したい」と述べた。

 モリゾウ選手は「タイヤが変わってレインタイヤは今日初めての経験になる。ちょっと想像を超えたことがいっぱい起こる。去年はGRヤリス、GRスープラともに1台だけだった。この1台を徹底的に痛めて、壊して不具合を出して、ほかの方が使う時には不具合はある程度解決してというということだと思う。それを今年もう1回やるが、今年はGRヤリスも1台増えている。ST-2というクラスの中でいろいろなレギュレーション変更があるので、そういう中でどうこのクルマの魅力を打ち出していくかが今後は重要になる。そしてメーカーであるトヨタとしてはプライベートの方が今後使っていただくときにより強いクルマにしておくことと、サポート体制をどうもっと充実させていくか、それがROOKIE Racingがスーパー耐久に参戦する一番の目的だ」と述べ、自身がステアリングを握ることを含め、ROOKIE Racingの目的がプライベートチームへのサポート体制充実にあると考えていると説明した。

スタートドライバーの佐々木雅弘選手が猛烈な追い上げ
同じST-2クラスの車両をオーバーテイクし、一時はトップに返り咲くが、最終的にはトラブルでピットイン。順位を6位まで下げて赤旗を迎えた

 32号車 ORC ROOKIE Racing GR YARISだが、最初のスティントを担当した佐々木雅弘選手が猛烈な追い上げを見せてトップまで順位を戻すことに成功した。その後井口卓人選手に交代したものの、トラブルが発生しピットイン。トップから6周遅れのクラス6位に順位を下げたところで赤旗を迎え、結局決勝レースはクラス6位という結果に終わった。次戦以降の巻き返しに期待したい。