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ランボルギーニ、V10エンジン&後輪駆動の「ウラカン テクニカ」日本初公開
2022年4月22日 19:02
- 2022年4月22日 開催
価格は「3000万円を切る形」
ランボルギーニ ジャパンは4月22日、ウラカンの新ラインアップとして「ウラカン STO」と同じV10エンジンを搭載した後輪駆動モデル「ウラカン Tecnica(テクニカ)」を日本(およびアジア太平洋地域)初公開した。発表イベントにはランボルギーニ ジャパン ブランド ディレクターのダビデ・スフレコラ氏が参加し、ウラカン テクニカの概要を紹介した。なお、ウラカン テクニカの正式な価格発表は夏ごろを予定しており、「3000万円を切る形」(広報部)とアナウンスされた。
現在、ウラカンのラインアップは「ウラカン EVO」「ウラカン EVO スパイダー」「ウラカン EVO RWD」「ウラカン EVO RWD スパイダー」「ウラカン STO」となっており、ここに新しく加わるウラカン テクニカはRWDモデルとSTOの中間に位置付けられるモデル。パワートレーンにはウラカン STOと同じく最高出力470kW(640HP)/8000rpm、最大トルク565Nm/6500rpmを発生するV型10気筒5.2リッターエンジンを搭載し、乾燥重量は1379kg、パワーウェイトレシオは2.15kg/HPを実現する。最高速は325km/hで、0-100km/h加速は3.2秒とした。
エクステリアではブラックのY字デザインが特徴的な新しいバンパーに、ウラカンシリーズ初のエアカーテンを採用。新しいフロントスプリッターに細いオープンスラットを備えてタイヤに空気を送り込み、ダウンフォースと冷却の向上を図った。また、フロントガラスのベース部分を黒くすることで軽量ボディをさらに強く印象付けている。
ボディサイズは4567×1933×1165mm(全長×全幅×全高。全幅はミラーをのぞく)、ホイールベースは2620mmで、全長はウラカン EVOよりも61mm長く、全高と全幅は同じながらウラカン EVOよりも低く幅広く見え、そのシルエットはV12エンジン搭載のサーキット専用ハイパーカー「Essenza SCV12」のDLO(デイライトオープニング)のラインから着想を得たものだという。
また、リアまわりでは新たに採用された垂直リアウィンドウをはじめとするリア部分の形状の見直しにより視認性が向上したほか、デザインを一新した軽量カーボンファイバー製ボンネットなどを採用。加えて、力強さを感じさせるリアには吸気を最適化した新バンパーを採用するとともに、ボディカラーまたはオプションのブラックで塗装されたディフューザーと、ウラカン テクニカのパワートレーンが奏でるファンファーレを強調する六角形の新型マフラーを組み合わせた。さらに固定式リアウィングの採用により、ウラカン EVO RWDと比べてリアダウンフォースは35%増加し、ドラッグは20%低減したとのこと。
インテリアでは高さ調節可能なスポーツシートを採用するとともに、軽量ドアデザイン、軽量チタン製リアアーチやホイールボルト、ハーネス式シートベルトなどのオプションを用意。また、ウラカン テクニカ限定のHMI(ヒューマンマシンインターフェイス)を用い、運転席のインストルメントパネルは色使いを抑え、ドライバー正面で大きく新たな弧を描くことで視認性を高めているという。
ドライビングファン、パフォーマンス、ライフスタイルを宿したモデル
発表会で登壇したスフレコラ氏はまず2021年の販売実績などについて触れ、世界販売台数8405台(対前年比13%増)、売上高19億5000万ユーロ(対前年比19%増)といった数値をもって過去最高の年になったと報告。販売台数はEMEA(欧州・中東・アフリカ)で12%増、米州で14%増、アジア太平洋で14%増と、3つの主要地域でバランスのよい成長を遂げたという。
また、同社の電動化へのロードマップ「Direzione Cor Tauri(コル・タウリに向かって)」についても紹介を行ない、2023年に同社初のハイブリッドモデルを発表すること、2024年に全ラインアップをハイブリッド化すること、2025年初頭までにハイブリッドモデルのCO2排出量を50%削減すること、2028年にブランド初のBEV(バッテリ電気自動車)が登場することを説明した。
一方、ウラカン テクニカについては「ランボルギーニとしては、常にお客さまに喜んでいただくことを第一に重視しており、お客さまがクルマをお買い求めいただくときにはさまざまな理由があります。例えば乗って楽しいクルマ、最高のパフォーマンス、さらにはご自身のライフスタイルを表す手段として選ばれることもあります。今回、『ドライビングファン』『パフォーマンス』『ライフスタイル』という3つの魂を宿したモデルを生み出すことができました」と述べるとともに、その3項目についてそれぞれ解説した。
まずドライビングファンにおいては、これまでウラカン STOで培ってきた経験を今回フルに活かしたとし、車両システムと統合しバーチャルリアルタイムでのフィードフォワード制御の実行を設定することで、クルマの動的挙動をあらゆる面でコントロールするLDVI(ランボルギーニディナミカヴェイコロインテグラータ)システムや、グリップ性能に優れるブリヂストン「POTENZA SPORT」を採用したことなどを紹介。
また、エモーショナルなドライビングを体験するにはエンジンが非常に重要になり、「ウラカン STOから受け継いだダイレクトなスロットルレスポンスを特徴としており、今回非常に切れのいいエンジン音を実現しています。エンジンはクルマの心臓部だとランボルギーニでは考えており、心臓である以上はパワフルな鼓動を響かせなければいけない」とアピールした。
パフォーマンスのパートでは、新デザインのフロントバンパー/スプリッター、フロント&リアボンネットを採用するとともに、エアロダイナミクスの改善を図ったことを報告し、「特にサーキットなどを走行する際にはブレーキが非常に重要な役割を果たすことに着目し、今回は専用冷却およびキャリパーダクトを装備しました。これによりブレーキの温度が-9%、ブレーキディスクの温度が-7%、ブレーキパッドの消耗が-13%という素晴らしい実績を達成することができました。また、パフォーマンスでは重量が非常に重要になってきます。今回もカーボンファイバーをふんだんに採用し、とくにフロントとリアのボンネットでは完全なカーボンファイバー化によって重量の大幅低減を実現しています」と紹介している。
そしてライフスタイルについては、「お客さまはクルマを通じて自分たちのライフスタイルを表現したいと考えていらっしゃいます。自分自身を表現するのに重要な要素となってくるのが、ランボルギーニが長い間培ってまいりましたデザインのDNAになります。今回もこれまでのとおり、ランボルギーニのヘリテージから得たインスピレーションでウラカン テクニカのデザインを行なっています」と述べるとともに、「ウラカン テクニカのデザインはモータースポーツから影響を受けていますが、特にシアン(ハイブリッド・スーパースポーツカー)からかなりインスピレーションを受けています。エアインレットあたりはまさにシアンそのものに仕上がっており、これまで生産したランボルギーニ車の中でもっともパワフルなEssenza SCV12(V12エンジン搭載のサーキット専用ハイパーカー)のシルエットも見て取れます」と、ウラカン テクニカのデザインについても解説した。