試乗インプレッション
今春発売の三菱自動車「エクリプス クロス」で雪上試乗
クーペの世界観をもつコンパクトSUVの雪上性能とは!?
2018年2月21日 17:08
本稿では北海道の新千歳モーターランドで試乗した、エクリプス クロスの試乗内容について紹介する。
エクリプス クロスはSUVならではの走行性能にスタイリッシュなクーペの世界観を融合させたモデルだ。シャープなボディデザインの内側には、アウトランダーPHEVと同様のプラットフォームを採用し、主に開口部に対して構造用接着剤を多く盛り込むことで結合剛性を高めている。また、アウトランダーと共用のガセットやブレースをフロント周りに採用。コンパクトなボディに妥協のない造り込みがあれば、これは期待できそうだ。エンジンは1.5リッター直噴ターボエンジンを搭載。それに組み合わされるのは8速スポーツモード付きCVTとなっている。
まるでSUV版のランエボ
広大な視界が確保されている運転席に収まって走り出すと、低速からかなりのトルクが発生していることが感じられる。スペックではわずか2000rpmから240Nmを発生しているとあるから、その感覚に間違いはなさそうだ。けれども、走り出しから突如タイヤがスリップするようなことはなく、確実に路面を捉えられるコントロール性も備えている。走り出しはスムーズに、それ以降は求めればどうにでもトルクがついてくる、そんな感覚なのだ。おかげでスリムなボディはいかようにでもコントロールが可能。ドライ向けのターマックモードで走れば、これもまたアウトランダーPHEVのスポーツモードと同様、リアを発散させながら自在な姿勢コントロールを可能にしてくれる。低速トルクのツキのよさ、そしてS-AWCのコントロール性のよさがあってこその世界だろう。
ただ、もし可能であればアウトランダー(ガソリンモデル)に用意される「AFD(Active Front Differential)」をオプション装備してほしいとも感じる。そうすれば、より旋回方向への動きが出ることは間違いないからである。もっとスポーティにしても面白そうだと感じるからこそ、そんなことをリクエストしておきたい。エクリプス クロスはそんなマニアックことを求めたくなる、まだまだ可能性があるクルマなのだ。まるでSUV版のランエボ。エクリプス クロスにもエボリューションモデルが誕生したら……。思わずそんなことを期待してしまう。