イベントレポート

【ジュネーブショー 2018】三菱自動車、エンジンを2.4リッター化してPHEVシステムも刷新した「アウトランダーPHEV」2019年モデル世界初公開

「トリプルモーター4WD」のコンセプトカー「e-EVOLUTION CONCEPT」欧州初披露

2018年3月6日~18日(現地時間)開催

欧州初披露となった「トリプルモーター4WD」のコンセプトカー「MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPT」

 三菱自動車工業は、スイス ジュネーブで開催されている「第88回 ジュネーブ国際モーターショー」(プレスデー:3月6日~7日、一般公開日:3月8日~18日)で、大幅に刷新した2019年モデルとなる「アウトランダーPHEV」を世界初公開。また、東京モーターショー2017で世界初公開された「トリプルモーター4WD」のコンセプトカー「MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPT」を欧州初披露した。

 今夏に日欧で発売を予定している2019年モデルのアウトランダーPHEVでは、デビュー当時から搭載してきた直列4気筒DOHC 2.0リッターから排気量を高めた2.4リッターエンジンにスイッチ。さらに低回転域で効率よく発電できるよう、カムプロフィールとバルブタイミング制御の変更を行ない高膨張比サイクル(アトキンソンサイクル)化を実施したほか、エンジンの発電制御を全域で見直したことでエンジン音を大幅に低減。発電でのエンジン始動における違和感を低減して、モーター駆動による気持ちいい走りをさらに楽しめるようにしている。

 PHEVシステムでも主要構成部品の約9割を改良するアップデートを実施。新設計した駆動用バッテリーは容量が約15%向上し、最高出力も約10%アップ。ジェネレーターとリアモーターは出力が約10%向上しており、新エンジンとの組み合わせで力強い走りを実現している。

 このほかに制御面では、車両運動統合制御システム「S-AWC」の走行モードに「SPORT」「SNOW」の2種類を設定。SPORTモードの選択時にはモーターのレスポンスを高め、前後の駆動力配分を最適化することで旋回性能や加速性能を向上。SNOWモードの選択時にはモーターのレスポンスや車両挙動を穏やかにして、氷雪路のような滑りやすい路面で安定感やコントロール性を高める制御を実施する。

世界初公開された「アウトランダーPHEV」2019年モデル

 内外装デザインの変更も実施され、外観ではLEDヘッドライトを採用し、ラジエターグリル、LEDフォグランプベゼル、スキッドプレートなどの形状を変更してフロントマスクを一新。アルミホイールの形状も変更され、空力性能を高めるリアスポイラーも追加されている。

 インテリアではメーターパネル内の演出を変更してモーターとエンジンの出力状況が分かりやすいようにしたほか、レーザーエッチングを施したオーナメントパネルの採用、サポート性を高めた新形状のキルティング本革シートの設定などを行なって質感を向上させている。

エンジン排気量が2.4リッターに拡大され、PHEVシステムも大幅刷新された
ガソリンモデルである「アウトランダー」の2019年モデル
欧州では2017年10月にデリバリーが開始されたコンパクトSUV「エクリプス クロス」
MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPT

 MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPTは、「SUV」「EV」「システム」という三菱自動車が持つ3つの強みを融合させて新しい運転体験をユーザーに訴求するコンセプトカー。フロントに1基、リアに2基のモーターを組み合わせた新開発の「デュアルモーターAYC」を設定して4輪を駆動させるトリプルモーター4WDを採用し、ブレーキキャリパーも電動化したものを搭載。車両運動統合制御システムのS-AWCによって4輪の駆動力、制動力を緻密に制御して旋回性能とトラクション性能を大幅に向上。クルマとの一体感あるドライビングを実現するという。

モーターをフロントに1基、リアに2基搭載するトリプルモーター4WDを採用
MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPTのインテリア

編集部:佐久間 秀