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写真で見る 三菱自動車「eKスペース」「eKクロス スペース」

eKに“スーパーハイトワゴン”が登場。その全貌を見る

2020年3月19日 発売

eKクロス スペース:165万5500円~199万1000円

eKスペース:139万9200円~176万7700円

スーパーハイトワゴンになった新型「eKスペース」(左)と「eKクロス スペース」(右)

 三菱自動車工業の「eK space(eKスペース)」「eK X space(eKクロス スペース)」はスーパーハイトワゴンタイプの軽自動車。2014年にデビューした初代モデルと同じく、企画・開発マネジメントを三菱自動車と日産自動車の合弁会社NMKVが担当。2019年3月にモデルチェンジを実施した軽ハイトワゴン「eK wagon(eKワゴン)」「eK X(eKクロス)」に続く世代交代モデルだ。

 eKワゴン系と大きく異なるのは、eKスペース系が“スーパー”ハイトボディを採用している点。全長×全幅は3395×1475mmと変わらないものの、全高は前者が1640mmとしているのに対し、こちらは1780mmと140mmもアップ(ともに2WD車)。圧倒的な頭上空間を生かしつつ、ブラッシュアップを図ったのがこの2代目というワケだ。そのコンセプトは「他社にはない“三菱自動車らしさ”を訴求するスーパーハイトワゴン」。初代モデルで好評だった質感や仕上げのよさはそのままに、居住性の改善、安全性能の強化、そしてSUVテイストを加味しているのが特長となる。

 まず、居住性の面では初代モデルでもトップクラスだった後席まわりの空間だが、後席スライド量を60mm延長、後席のニールームは81mmも拡大。スーパーハイトワゴンならではの1400mmの室内高と相まって、自由に使える広々空間を実現した。同時にフロアのフラット化やスライドドア開口幅も拡大しており、乗り降りや荷物の積み降ろしといった面での使い勝手も向上している。

 大きく進化したのが安全性能。初代モデルのデビュー時は過渡期だったこともあり限定された内容だったが、新型は「e-Assist」をフル装備。「衝突被害軽減ブレーキ(FCM)」をはじめ、自動ブレーキ機能付きの踏み間違い衝突防止アシスト、「車線逸脱警報(LDW)」「車線逸脱防止機能(LDP)」が標準。ここまでは2019年デビューのeKワゴン系と同じだが、さらに「標識検知機能(TSR)」「ふらつき警報(DAA)」「先行車発進お知らせ(LCDN)」「前方衝突予測警報(PFCW)」が追加されている。また、「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」「レーンキープアシスト(LKA)」などもオプションで追加可能。そのほか、急な下り坂などで速度を一定に保ってくれる「ヒルディセントコントロール」の車速調整幅を4~20km/hと拡大、先行車や対向車を避けハイビーム領域を拡大する「アダプティブLEDヘッドライト」をオプション設定するなど、もはや全部入りといった充実度となっている。

 長距離を走行するユーザーにうれしい高速道路同一車線 運転支援技術「MI-PILOT(マイパイロット)」もオプション設定。こちらも渋滞時の完全停止状態からの再スタートに対応するなど進化を遂げている。

 パワートレーンは直列3気筒DOHC 0.66リッターの自然吸気エンジンと同インタークーラー付ターボの2タイプを設定。トランスミッションはCVTのみとなり、どちらもモーターを組み合わせたハイブリッドシステムとなる。駆動方式は2WD(FF)と4WDを用意する。

 スペックは自然吸気ユニットが最高出力38kW(52PS)/6400rpm、最大トルク60Nm(6.1kgfm)/3600rpm。燃費(2WD車)はWLTCモードが20.8km/L、市街地モード18.5km/L、郊外モード22.3km/L、高速道路モード21.0km/L。ターボユニットのスペックは最高出力47kW(64PS)/5600rpm、最大トルク100Nm(10.2kgfm)/2400-4000rpm。燃費(2WD車)はWLTCモードが18.8km/L、市街地モード16.7km/L、郊外モード20.0km/L、高速道路モード19.1km/L。

 ハイブリッド関連のスペックは共通で、モーターは最高出力2.0kW(2.7PS)/1200rpm、最大トルク40Nm(4.1kgfm)/100rpm。電池はリチウムイオンを採用する。

eKスペース

 丸みを帯びたファニーな顔付きを採用し、スタンダードモデルらしい落ち着いたイメージを演出。ボディカラーはモノトーンカラーが「ホワイトパール」など6色、2トーンカラーはホワイトルーフが2色、オークブラウンルーフ1色の計3色を設定。インテリアカラーは全車、温かなイメージを感じさせる「ライトウォームグレー」を採用。

 グレードは自然吸気エンジン車が「M」「G」、ターボ車が「T」の3タイプ。価格は順に139万9200円、154万2200円、163万5700円で、4WD車はそれぞれ13万2000円高。

撮影車両はGグレード。ボディカラーは有料色となるオークブラウンメタリック
グリルをボディ同色とすることで落ち着いたイメージ
フロントウィンドウ上部にe-Assist用の単眼カメラを装備
無鉛レギュラーガソリン仕様で燃料タンク容量は27L
ヘッドライトの点灯パターン。eKスペースはハロゲンのみ、eKクロススペースはオプションのアダプティブLEDヘッドライトが装着されている
リアコンビランプはストップランプとテールランプにLEDを採用
M、Gグレードは自然吸気エンジンを搭載
eKスペースのタイヤサイズは155/65R14で統一。M、Gグレードはカバー付のスチールホイールが標準となる
インパネ全体をライトウォームグレーで統一。車内全体が明るく感じられる
M、Gグレードのステアリングはウレタンタイプ。撮影車両にはオプションのマイパイロットなどが装着されているためボタンが多い
インパネ中央にシフトレバーとエアコンを配置。これはeKワゴンからキャリーオーバーされたモノ
パーキングブレーキは電動タイプを採用しているため2ペダル
中央にインフォメーションディスプレイを備えた2眼メーター
標準では全車オーディオレス仕様。撮影車両にはオプションの9インチナビゲーション「MM319D-LM」が装着されている
デジタルルームミラーは全車オプション
ステアリングコラム右側にはスライドドアなどのスイッチ
スライドドア下部に足先を入れることで開くことが可能なハンズフリーオートスライドドアを採用。運転席側はオプション
大型のサンバイザーを採用。運転席側は裏にバニティミラーを装備
ルームミラー後方にはマップランプやチケットホルダーが備わる。その前方はシートベルトリマインダー
インパネ中央に引き出し式のトレイを装備。紙パックOKなカップホルダーも用意
最下部には引き出し式の収納がある
助手席前にはボックスティッシュを収納できる引き出し式のグローブボックス
下部にもグローブボックスを用意
コンビニの袋などを引っかけておくのに便利な収納式フックを装備
フロントシートはベンチタイプでアームレストも装備。G、Tグレードのシート表皮ははっ水タイプ
助手席下部には大型のアンダートレーを装備
運転席ドアトリム。シンプルなデザインながら上質なイメージ
アームレストにはパワーウィンドウ、サイドミラーのスイッチ類
スライドドアは開口幅約650mmを確保
足下は広々としたフラットな仕上がり
リアシートは5:5分割タイプ。足下までファブリック仕上げとなっているため、見た目にも高級感のある仕上がり
320mmのロングスライドが可能
それぞれリクライニングが可能
フロントシートを倒すことでセミフラットにもなる
ボディ側にリアシート用のカップホルダーが備わる
車内の空気を循環させるリアサーキュレーターはスマートなトリム一体型を採用。プラズマクラスター機能を内蔵したほか、スイッチ部分を下側にすることで運転席からの操作も可能に
スライドドアのサンシェードはG、Tグレードに標準
助手席背面のテーブルはG、Tグレードに標準。オプションで運転席背面にも装着可能。ショルダー部のレバーを引くことで運転席からも助手席背もたれの操作が可能
助手席のシートバックポケットは全車標準
下部には充電用USBポートも用意
ラゲッジフロア下部にはパンク修理キットと工具が収納される
ラゲッジ容量もたっぷり。5:5分割可倒式リアシートを使えば積載量に合わせたアレンジが可能

eKクロス スペース

 フロントマスクには「デリカD:5」や「アウトランダー」でおなじみの「ダイナミックシールド」デザインを採用。ヘッドライトからサイドを真っ直ぐ貫くキャラクターラインにより先発のeKクロスとの差別化が図られており、背の高さやスライドドアの存在もあって、独特の世界観を演出する。

eKクロス スペース

 グレード構成はeKスペースと同様で、自然吸気エンジン車が「M」「G」、ターボ車が「T」の3タイプ。ボディカラーはモノトーンカラーが専用色となる「サンシャインオレンジメタリック」など7色、2トーンカラーは「ホワイトルーフ」3色、「ブラックルーフ」2色、「サンシャインオレンジメタリックルーフ」1色の計6色となり、全13色のワイドラインアップとなっている。インテリアカラーはブラック基調の標準カラーに加えて、ブラックとブラウンのコンビネーションタイプがオプション設定される。価格は順に165万5500円、177万1000円、185万9000円。4WD車はそれぞれ13万2000円高となる。

撮影車両はターボエンジン車のTグレード。ボディカラーはナチュラルアイボリーメタリックとサンシャインオレンジメタリックルーフの2トーン
フロントはダイナミックシールドデザイン
ルーフレールは全車にオプション設定
G、Tグレードのタイヤサイズは165/55R15でアルミホイールを標準装備
ターボユニットは最高出力47kW(64PS)/5600rpm、最大トルク100Nm(10.2kgfm)/2400-4000rpmを発生
G、Tグレードにオプション設定されるアダプティブLEDヘッドライト
消灯時
ライト点灯時にはメッキ部分がポジションランプとして光る
撮影車両はオプションのプレミアムインテリアパッケージを装着。ブラウン&ブラックのコンビネーションがシックなイメージ
ターボ車のステアリングは本革巻。こちらもブラウンカラーになる
右側スポーク部にはマイパイロットやACCのスイッチがある
ターボ車には開発陣が「世界トップクラスの操作フィーリング」と胸を張るパドルシフトを装備。装着位置も三菱車の標準だったコラム部からステアリング裏に変更されている
メーターパネルは自然吸気車と同様
インフォメーションディスプレイには各種情報の表示が可能。グリップコントロールは4WDモデルのみの設定
プレミアムインテリアパッケージの場合、シート表皮は合成皮革とファブリックのコンビネーションに。助手席前倒しレバーは標準では非装着
プレミアムの名に相応しい質感の高さが光る
リアサーキュレーターはパッケージオプション