CES 2017
モデルベース開発に最適? 「CES 2017」に展示されたソニーの超巨大壁面ディスプレイ「CLEDIS(クレディス)」
クルマのデザイン確認などライフサイズシミュレーションを提案
2017年1月8日 08:21
- 2017年1月7日(現地時間) 開催
2017年の「CES 2017」では、自動運転技術に代表される自動運転関連の展示が数多くあり、最先端PC、大型テレビが覇を競っていた時代とは異なる雰囲気となっている。
それでも、2017年は最先端PCやテレビ、スマートフォンなどで数多くのニュースがあったほか、それらの業界もクルマに関連した展示を行なっているのが印象的だ。
その1つ、ソニーのブースでは超巨大壁面ディスプレイ「CLEDIS(クレディス)」のデモで、本田技研工業の新型「NSX」を使用。CLEDISの技術的詳細については、僚誌AV Watchの記事(ソニーの新LEDディスプレイ「CLEDIS」日本初披露。新たな大画面・高画質へ)に詳しいが、外形寸法403×453mmのディスプレイユニット「ZRD-1」(320×360ドット)とコントローラ「ZRCT-100」から構成され、必要な画面サイズに応じて、ZRD-1の枚数を追加していく。
今回のCES 2017に展示されたCLEDISは、9.7×2.7mの大画面に8K×2K映像を表示しており、絶景ポイントとして知られるウユニ塩湖の映像など10分の映像を流していた。
その映像の中で提案されていたのが、ライフサイズシミュレーションというもの。これは実物大の映像や画像をシミュレーション描画することで、とくにデザインなどの開発に役立てるものだ。新型「NSX」のデモでは、さまざまな環境下における映り込みや、ボディカラーの変更などが行なわれていた。実際自動車会社の研究開発施設においては、このくらいのサイズの表示装置は普通に使われており(記者が見たものは、もっと巨大なものだ)、表示デバイスは数年前の時点で背面投影のプロジェクションだった。画像品質は圧倒的にCLEDISが上回っており、近年自動車会社で導入の進むモデルベース開発などでは、リアリティを追求する上でCLEDISは優位なデバイスとなるだろう。
新型「NSX」のデモ表示に使われていたソフトウェアは、ダッソー・システムズのロゴが表示されており、おそらく「CATIA」の映像となるのだろう。このシミュレーション画像・映像の分野も進化が激しく、ホンダはこのCATIAデータをコンバートする形でリアルタイムレンダリングを行なう「TOPS」( Real-Time Automotive Appearance Evaluation for Non-Prototype Design)を開発。その概要は以前本誌でもお届け(【GTC2014】リアルタイムレンダリングが可能になったホンダの試作レス確認ツール「TOPS」)したとおりだ。
CLEDISの高画質と巨大な壁面ディスプレイのもたらす圧倒的な現実感を、ソニーブースで体感してみてほしい。