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「東京モーターサイクルショー 2014」が開幕、3月30日まで
ホンダ「NM4」やヤマハ「MT-07」など、市販モデルやコンセプトモデルが集結
(2014/3/28 22:15)
3月28日から30日までの3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで「東京モーターサイクルショー 2014」が開催されている。市販の最新車種、市販予定モデル、コンセプトモデルが一堂に会するオートバイの祭典とあって、平日にもかかわらず初日の朝から多くの来場客が詰めかけた。今回はこの東京モーターサイクルショーの見どころやポイントをご紹介したい。
東京モーターサイクルショー 2014の入場料は大人1500円、高校生1000円、男女ペア券2500円(いずれも当日券)となっている。
近未来風スタイルの「NM4」を前面に出すホンダ
本田技研工業は、今回の東京モーターサイクルショーにおいて国内メーカーで唯一プレスカンファレンスを開催し、近未来的な雰囲気をまとった「NM4-01」「NM4-02」を披露した。3月23日まで開催されていた大阪モーターサイクルショーですでに発表済みの車種ではあるが、市販予定車として突如公表されたこともあって注目度は高い。
プレスカンファレンスでは本田技術研究所 二輪R&Dセンターの三倉圭太氏が登壇し、開発責任者としての立場から、独特のスタイリングをもつNM4について詳しく解説した。
同氏によれば、「自分流に楽しんでいる、モノ選びへのこだわりが強い、クールな人たち」をターゲットとし、「近未来」と「COOL」をコンセプトに開発。左右に大きく張り出したフロントフェアリングにより「フロントマッシブなローフォルム」を実現するとともに、アップハンドルやローシートなどとあいまって、包み込まれるような感覚と地面が近くに思えるスピード感を得られるようにした。「今まで味わったことのないような体験」ができるマシンであり、「次のホンダファンを作るという思いを注ぎ込んだ」と力強く語った。
「NM4-01」「NM4-02」は、DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)によるオートマチックトランスミッションと745ccの水冷直列2気筒OHCエンジンを搭載。ヘッドライトからテールランプ、ウインカーまで、すべてLEDランプとして近未来感を演出したほか、リアに幅200mmの極太タイヤを採用し、マッシブ感をより強調している。
また、前後位置や角度を変えられるバックレスト、大きなフロントフェアリングの左右に1つずつ設けられた電源ソケット付きのユーティリティボックス、「NM-02」についてはリアボディー部分がパニアケースとして利用できるようになっているなど、実用性や利便性を高める工夫も施されている。さらに、DCTの走行モードに合わせてメーターパネルの色が変化するようになっており、この色を25色から好みに合わせて設定可能としている。
ホンダブースではそのほか、くまモンとコラボした50ccバイク「Monkey Kumamon Version」や、アニメ「ミュータント タートルズ」とコラボした125ccバイク「GROM」など、ユニークなカラーリングのモデルが展示されている。
市販予定の「MT-07」の軽さを体感できるヤマハ
ヤマハのブースでは、4月から国内販売される直列3気筒エンジン搭載車「MT-09」に加え、市販予定としている直列2気筒エンジン搭載車「MT-07」も展示している。「MT-07」は、来場者が引き起こしてまたがれるような形で展示されており、車両重量175kg程度と見込まれるその軽さを体感可能だ。
軽快な吹け上がりとパワフルなトルク特性を実現しているとして期待度の高い両車種の3気筒エンジンは、カットモデルも公開されており、その内部構造を間近で観察できる。このほかには、東京モーターショー 2013でお目見えした3輪バイクの「TRICITY Concept」や、カフェスタイルのバイク「BOLT」のあるライフスタイルを再現したというガレージ風のセットも設置されている。
国内モデルとなった隼、各種コンセプトモデルを展示するスズキ
スズキは、東京モーターショー 2013などで発表済みの電動バイク「EXTRIGGER(エクストリガー)」や、インタークーラーターボを採用した「Recursion(リカージョン)」など、コンセプトモデルを紹介している。
一方、2014年から初めて国内モデルとして出荷する同社のフラグシップ「GSX-1300R隼」は、ブースの最前面に展示。これまで同車種は逆輸入モデルとして扱われてきたが、国内モデル化にあたりETCユニットがビルトインされるなど、細かなバージョンアップが施されている。
カワサキは前後オーリンズで固めたZX-14R特別仕様車など充実のラインアップ
カワサキはギア付きの250ccバイクで高い人気を誇る「Ninja 250」をはじめ、「Ninja 1000」「Ninja 400」「Z1000」「Z800」「Z250」など、スポーツタイプのモデルを数多く展示。前後サスペンションをオーリンズにした豪華な「ZX-14R」の特別仕様車も参考出品されている。
また、鈴鹿8時間耐久レースにファクトリーチームとして出場する「チームグリーン」の使用車両である「ZX-10R」も壇上に設置されており、レースマシンの実際の装備をじっくり眺められる。
数々の最新モデルを並べる海外メーカー
ハーレーダビッドソン、BMW Motorad、トライアンフ、KTM、MV アグスタ、ドゥカティなど多くの海外勢も出展している。中でもハーレーダビッドソンは、新型スポーツスター「SUPERLOW 1200T」のアンベールイベントを開催し、来場者に強くアピールしていたのが印象的だった。
ほかには、米国のもう1つの“アメリカン”と言えるポラリスのインディアン モーターサイクルや、独特な3輪自動車を製造するカナダのCan-Amなど、国内ではまだあまり見かけないメーカーの魅力的な車両も目にすることができる。
●アプリリア
●BMW Motorad
●ドゥカティ
●ハーレーダビッドソン
●KTM
●MV アグスタ
●トライアンフ
●インディアン モーターサイクル
●Can-Am
ユピテルがバイク用ドライブレコーダーを展示。広々とした会場で試乗会も
自動車用ドライブレコーダーのメーカーとして有名なユピテルは、「バイク専用設計 ドライブレコーダー」として、標準的な機能を備えた「BDR-S1」と、GPS付きの高機能な「BDR-1」の2モデルを並べて紹介。いずれも円筒型のコンパクトなタイプで、バイクのハンドルなどに取り付けても邪魔になりにくい設計となっている。
東京モーターサイクルショーには、バイクメーカーだけでなくこういったパーツメーカーに加え、ヘルメットやジャケットといったギア用品の製造メーカーも参加している。ライディングをさらに充実させる最新のアイテムや技術を取り入れたい人にとっても、きっと有意義なイベントになるはずだ。
なお、屋外のスペースでは各メーカーの多彩な車種を取りそろえた試乗会も開催されている。かなり広めのスペースで、コーナーもふんだんに設けられているようなので、免許を所有している人はぜひ参加してみてほしい。初心者や女性向けのスクーター試乗会も合わせて開催されており、運転に自信がない人でも安心して参加できるだろう。
【お詫びと訂正】記事初出時、ヤマハ「MT-07」について直列3気筒エンジンを搭載すると記載いたしましたが、正しくは直列2気筒エンジンでした。お詫びして訂正させていただきます。