まるも亜希子の「寄り道日和」

クルマと一緒に写真が撮れる絶景ポイント

山梨県笛吹市にある「リニアの見える丘 花鳥山展望台」から望む絶景。この日は雲の感じもステキで、ずっと眺めていたくなるくらいでした

 知らない街、初めての道を走るたびに、つい探し求めてしまうのが絶景ポイント。最近は「SNS映え」なんて言って、それまで無名だった場所がいきなり観光名所になっちゃう例もありますよね~。

 私の場合は、ただ自分の目で眺められる絶景というだけじゃなくて、やっぱり「クルマと一緒に写真が撮れる絶景」がイチバン! でも、そういう場所って今どきはなかなか見つからないものなんです。イベントなどで特別な許可があってクルマが入れる場所なら、まぁそこそこあるんですけどね。普通にブラりとドライブで行って、クルマを停めて、ドアを開けたらうわぁ~と息をのむような絶景と出会える場所。もうこの仕事を20年以上やってますが、日本国内、とくに本州では数えるくらいしか記憶にないんですよね。

 でも、そんな貴重な絶景ポイントを先日、ひっさびさに見つけてしまいました! それは新型「MINI」の試乗会で訪れた山梨県笛吹市。山梨だと勝沼周辺はよく行くんですけど、中央自動車道の一宮御坂IC(インターチェンジ)で降りたのは初めてのこと。市街地を抜けると辺り一面に葡萄や桃の畑が広がっていて、ぐるりと山々に囲まれたワインディングも気持ちよ~く走れていい感じです。そんな山梨県道36号を上っていくと、ふいにその看板が現れます。「リニアの見える丘 花鳥山展望台」。

 そうです、もう名前からお察しいただけますよね? 看板手前で左折してグングン上って行くと無料駐車場にたどり着き、クルマを降りたらそこからはリニアモーターカーの実験線がドーン! 遠くには日本第2位の標高を誇る北岳から北アルプスの山々も広がっていて、うわぁと歓声をあげてしまうような絶景ポイントになっているんです。これはテンション上がりましたね~。1時間に何回か、実際にリニアモーターカーも走ってくるので、タイミングが合えば愛車とリニアのコラボ写真なんてのも撮影可能! 私は時間切れで実現しなかったけど、誰かぜひチャレンジしてみてくださいね。

試乗した新型「MINI」にモデルになってもらって、クルマと一緒に撮るとこんな感じ。1段高いところに道路があるので、そこに登って撮るとリニアモーターカーとの共演が収められるはずです

 そして、せっかくなので過去に訪れて感動した、「クルマと一緒に写真が撮れる絶景ポイント」を少しご紹介。まず海が大好きな人なら絶対にココは行ってみてほしい、石川県の「千里浜なぎさドライブウェイ」。日本で唯一、砂浜が約8kmの道路になっているところで、運転しているとすぐ脇までザザ~ッと波が打ち寄せてくる光景といい、タイヤから伝わる砂の感触といい、ちょこっと停めてひと休みする気持ちよさといい、もう本当に最高です。海に沈む夕陽をバックに愛車を撮影、なんてこともできるので、いい記念になると思いますよ~。

石川県の「千里浜なぎさドライブウェイ」にDS 3を並べてパチリ。波打ち際までクルマが入れる場所ってなかなかないですよね。夏には海水浴場にもなるそうです

 さらに、山や湖が好きな人に行ってみてほしいのは、長野県の野尻湖周辺。澄んだ色をした水が風にそよぐとても美しい湖面のすぐ近くまでクルマで入れるし、その周辺は郷愁を誘う田園風景が広がっていて、「日本人でよかった~」と心が洗われるような絶景ポイントになっています。

長野県の野尻湖周辺には、日本むかし話に出てきそうな絶景が。この時は7月で緑がイキイキとしていましたが、秋にはきっと金色の景色が広がるんでしょうね。

 この2カ所の絶景写真はどちらも2013年に撮影したものなんですが、今でも見るたびにこの絶景と出会ったときの感動がよみがえって、幸せな気持ちになれるんです。乗ったクルマの印象なんかも鮮やかに思い出せるし、その時の風や気温、一緒にいた人たちと話した内容まで。絶景は心に刻みつけるのもいいけど、こうして愛車や試乗したクルマたちと写真に残しておくと、その思い出がのちのちまで何倍も楽しめる気がします。ぜひ皆さんも、「クルマと一緒に写真が撮れる絶景ポイント」、見つけてみてくださいね。今週もどうぞステキな寄り道を♪

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。17~18年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。女性のパワーでクルマ社会を元気にする「ピンク・ホイール・プロジェクト(PWP)」代表。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦している。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968など。ブログ「運転席deナマトーク!」やFacebookでもカーライフ情報を発信中。