イベントレポート
【インタビュー】「SUBARU VIZIV TOURER CONCEPT」について、デザイン本部長 石井守氏に聞く
ジュネーブショーで世界初公開された新世代ツアラーコンセプト
2018年3月14日 10:32
- 2018年3月6日~18日(現地時間)開催
スイス ジュネーブで開催されている「第88回 ジュネーブ国際モーターショー」(3月6日~18日開催)。このジュネーブショーにおいて、スバルが世界初公開したのが「SUBARU VIZIV TOURER CONCEPT」。VIZIV(ヴィジヴ)は「Vision for Innovation」を語源とする造語で、スバルの一連のコンセプトカーに付けられているネーミングとなっており、VIZIVシリーズのコンセプトカーは近年のスバル市販車に直結することが多い。
この「SUBARU VIZIV TOURER CONCEPT」をデザインした、スバル 商品企画本部 デザイン部 デザイン部長 石井守氏に、コンセプトなどを聞いてみた。
──2017年10月の東京モーターショーではセダンタイプの「SUBARU VIZIV PERFORMANCE CONCEPT(スバル ヴィジヴ パフォーマンス コンセプト)」、2018年1月の東京オートサロンでは「SUBARU VIZIV PERFORMANCE STI CONCEPT」が世界初公開されました。ジュネーブショーで世界初公開された「SUBARU VIZIV TOURER CONCEPT」は、それらと異なった形になっています。「SUBARU VIZIV TOURER CONCEPT」で目指したものを教えてください。
石井氏:安心と愉しさの価値を我々はお客さまに伝えています。VIZIVシリーズの中では、愉しさを全面に出したいと思っています。
「SUBARU VIZIV CONCEPT(スバル ヴィジヴ コンセプト)」という「XV」につながったクルマはハッチバックのクロスオーバーという愉しさを全面に出していました。「SUBARU VIZIV FUTURE CONCEPT(スバル ヴィジヴ フューチャー コンセプト)」というSUVのコンセプトカーでは使える価値を全面に打ち出しました。先日の東京モーターショーの「VIZIV PERFORMANCE CONCEPT」では、走りの愉しさを全面に押し出したクルマです。VIZIV TOURER CONCEPTでは、走りの愉しさに加え、荷室も付いている、でもワゴンではない。走りが重要で、そこに機能性がちょっと付いてる、という新しい提案です。
──ここ数年のスバルのコンセプトカーは、きちんと市販車につながっている気がします。これは意識しているところですか?
石井氏:そこが信頼感だと思っています。お客さまとの約束、コンセプトカーをただショーの花火みたいなところで作る……場合もありますよね(笑)。場合もありますが、だけどスバルはそれはしない。スバルの“安心と愉しさ”の将来像をお客さまにお見せする、そういう場にしていきたいと思っています。量産車につながて、お客さまの手元に届くというのが、最終の形なのかなと思っています。夢ばっかりというはやりません。
──VIZIVで描かれるラインなのですが、フロントホイールフェンダーの盛り上がりであるとか、フェンダーの盛り上がりを焦点にうねるようなものとなっていますが、この意図は?
石井:これは意図してやっています。VIZIVシリーズではすべてやっています。“DYNAMIC × SOLID(ダイナミックソリッド)”というデザインフィロソフィーを我々は作っていて、そのソリッドという形は、(フロントグリルの)ヘキサゴンから始まる硬質なシェルがボディの中央にあって、そこから4輪駆動の力の張り出たタイヤ。これが内圧によってぐぐっと盛り上がってくる。そこで、安心と、フェンダーの盛り上がりが愉しさを表現しています。