イベントレポート 東京オートサロン 2024

スバルが新車のサブスクを始める理由とは? 東京オートサロン2024で加藤執行役員が思いを明かす

2024年1月12日~14日 開催

2024年の初夏、株式会社SUBARUと株式会社KINTOはスバルの新車サブスクリプションサービスKINTO ONE(SUBARU)を開始する

 スバルとKINTOは1月12日、「東京オートサロン2024」(幕張メッセ:1月12日~14日)のスバル/STI(スバルテクニカインターナショナル)ブースにて、協業による新車サブスク事業への参入を発表した。

 スバル/STIブースでのカンファレンスに登壇したSUBARU 執行役員 国内営業本部長 加藤章浩氏は、冒頭で自動車販売の現状について、「商品の平均価格の上昇や、若年者を中心に広がるライフスタイルに合った車の利用方法、買い方の多様化などの市場ニーズが大きく変化している」ことを挙げた。

 スバルは2021年に一部のエリア限定で中古車サブスク事業を開始しているが、その限定的なトライアルではクルマを利用したいものの購入には少しハードルがあると感じている20代、30代の申し込みが多数あったという。そのような状況を踏まえKINTOの新車サブスクサービスのプラットフォームを活用した「KINTO ONE(SUBARU)」の開発に着手し、2023年7月に業務提携契約を締結したという。

株式会社SUBARU 執行役員 国内営業本部長 加藤章浩氏

 一方、5年前からクルマのサブスクという新しいクルマとの付き合い方を提供したKINTO 代表取締役社長 小寺信也氏は、「これまでトヨタ/レクサスで行なってきたこのサービスを他ブランドを含めたサービスへの展開を考えていた」という。ちなみに社名にトヨタと入らずKINTOとしているのも、そういう展開を見越したものだったそうだ。

 きっかけは86/BRZの共同開発に象徴されるように、もともとトヨタとスバルの交流・協業が進んでいる中で、スバルからKINTOについて聞かせてほしいとのアプローチがあったとのこと。ちょうど次の展開を考えていたKINTO側の描く展開とタイミングが合ったこともあり、とんとん拍子に話が進みこの発表にいたったという。

株式会社KINTO 代表取締役社長 小寺信也氏

 ちなみKINTOが5年間やってきた成果として20代、30代を中心に新しいユーザーを増やすことができた事例を挙げた。KINTOのユーザーの4割は20代、30代だそうだ。頭金がなくても始められる点、総費用に任意保険が含まれる点などで結果的には総コストが抑えられ、不要になればいつでもやめられ、オンラインで契約ができるなどのメリットが評価されえていると小寺氏は分析。

 小寺氏は、昨今増えてきた他社の同様のサービス展開は、競合関係ではなく仲間だという。その仲間とともに「クルマのサブスクという新しい自動車との付き合い方をもっともっと普及させていきたい」と語った。

 一方、加藤氏は「KINTO ONE(SUBARU)を通して、すでにスバルに乗っているユーザーはもちろん、新しいユーザーにスバルを知ってもらい、スバルに触れてもらい、スバルの輪を広げていきたい」と語りカンファレンスを締めくくった。

株式会社SUBARU 執行役員 国内営業本部長 加藤章浩氏(左)と株式会社KINTO 代表取締役社長 小寺信也氏

 なお、KINTO ONE(SUBARU)のサービス開始は2024年の初夏を予定しているとのこと。

高橋 学

1966年 北海道生まれ。下積み時代は毎日毎日スタジオにこもり商品撮影のカメラアシスタントとして過ごすも、独立後はなぜか太陽の下で軽自動車からレーシングカーまでさまざまな自動車の撮影三昧。下町の裏路地からサーキット、はたまたジャングルまでいろいろなシーンで活躍する自動車の魅力的な姿を沢山の皆様にお届けできればうれしいです。 日本レース写真家協会(JRPA)会員