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【SUPER GT第2戦 富士】23号車 MOTUL AUTECH GT-Rがミシュランタイヤの暖まりのよさで最後のアウトラップに大逆転して優勝
GT300は55号車 ARTA BMW M6 GT3がポール・トゥ・ウイン
2018年5月4日 20:25
- 2018年5月4日 開催
SUPER GTの第2戦「2018 AUTOBACS SUPER GT Round 2 FUJI GT 500km RACE」が、5月3日~4日の2日間にわたり富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で開催された。
GT500クラスで優勝したのは23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)で、2回目のピットストップ時までレースをリードしていた39号車 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/坪井翔組、BS)を、アウトラップで7秒も引き離すというミシュランタイヤの暖まりやすさを生かして大逆転で優勝した。GT300クラスはポールポジションからスタートした55号車 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/ショーン・ウォーキンショー組、BS)がポール・トゥ・ウインを決めた。
“魔法のアウトラップ”で39号車を逆転し、23号車 MOTUL AUTECH GT-Rが優勝
GT500のレースは、ポールポジションからスタートした38号車 ZENT CERUMO LC500(立川祐路/石浦宏明組、BS)が主導権を奪うのかと思われたが、レースの主導権を最初に獲得したのは予選3位グリッドからスタートした、23号車 MOTUL AUTECH GT-Rだった、周りのレクサス LC+ブリヂストンという組み合わせに比べてタイヤの暖まりがいいようで、1コーナーまでに2位の6号車 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/フェリックス・ローゼンクヴィスト組、BS)をオーバテイクして2位に上がり、ADVANコーナーでトップの38号車を抜いて23号車がトップに立った。
その23号車が逃げていくのかと思いきや、ブリヂストンタイヤに熱が入った38号車、6号車、36号車 au TOM'S LC500(ジェームス・ロシター/関口雄飛組、BS)、39号車 DENSO KOBELCO SARD LC500が23号車を追いかけ、ほとんど差がない状態で続くというレース展開になった。中でも速さを見せたのは39号車で、徐々に順位を上げていき、23周目にロニー・クインタレッリ選手が操る23号車 MOTUL AUTECH GT-Rをオーバーテイクした。
この39号車には、F1優勝経験者で2016年のSUPER GTチャンピオンのヘイキ・コバライネン選手と、今回はWEC(FIA 世界耐久選手権)に参加するため欠場している小林可夢偉選手の代役として坪井翔選手が搭乗しており、特に小林可夢偉選手の代役に起用された坪井選手は、今回がGT500デビュー戦ながら、コバライネン選手から受け取ったトップのバトンをトップのままコバライネン選手に戻すことに成功。高く評価されるべきデビュー戦となった。
レースのほぼ3分の2をトップとして走った39号車だが、最後のピットストップが終わってみると、トップに立っていたのは23号車 MOTUL AUTECH GT-Rだった。レースのほとんどを2位で走ってきた23号車だが、最後に入ったピットストップのアウトラップが、39号車と比べて7秒も速く、23号車がピットを出てからかなり経って39号車がストレートに来るという状況だった。第1スティントの序盤もそうだったが、今日のミシュランタイヤは暖まりがとても早く、それが23号車の武器になっていたことは明らかだ。これでトップに立った23号車は2位の39号車に徐々に差をつけていき、結局そのままトップでゴールすることになった。
ミシュランとブリヂストンが高いレベルで戦った今回のGT500。わずかな差が勝負を分けた
今回のレースでは、スタート時には40℃を超える路面温度だったものの、レース中盤になると30℃台半ばになり、レース終盤には30℃前後まで下がっていた。各陣営が利用しているタイヤがどこまでその変化に対応できたかが勝負を分けたと言え、レース前半と中盤まではレクサス LCとブリヂストンの組み合わせが、レース後半では日産 GT-R+ミシュランの組み合わせが高い戦闘力を発揮していた。このため、優勝こそ日産 GT-R+ミシュランの23号車となったが、2位以下は39号車、38号車、36号車、6号車といずれもレクサス LC+ブリヂストンという組み合わせになった。ミシュランとブリヂストンがかなりレベルの高いところで戦っており、ほんの少しの路面温度の差が結果を分けた、そういうレースだったと言えるだろう。
ホンダ勢は予選最上位だった16号車 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/中嶋大祐、YH)が2度のパンクに襲われ、レースから脱落してしまったのが痛かった。なお、ヨコハマゴム勢は、24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/高星明誠組、YH)、19号車 WedsSport ADVAN LC500(国本雄資/山下健太組、YH)もタイヤトラブルに見舞われており、途中リタイアした64号車 Epson Modulo NSX-GT(ベルトラン・バゲット/松浦孝亮組、DL)を除外した中ではGT500最下位に固まってしまう残念な結果となった。
ブリヂストンを履いたホンダ勢は、前半こそトップ勢と同じようなタイミで走れていたが、後半になって路面温度が下がってくると、上位勢とのタイム差が大きくなっていった。ウェイトハンデのない8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也組、BS)、ウェイトハンデが30kg載っている100号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン組、BS)もほぼ同じようなタイムになってしまっており、8号車が8位、100号車が9位に入るのが精一杯だった。
第2戦 GT500クラスのリザルト(暫定)
順位 | カ―ナンバー | 車両 | ドライバー | タイヤ | ウェイトハンデ | 周回数 | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田次生/ロニー・クインタレッリ | MI | 12 | 110 | 2時間52分02秒048 |
2 | 39 | DENSO KOBELCO SARD LC500 | ヘイキ・コバライネン/坪井翔 | BS | ― | 110 | 2時間52分11秒786 |
3 | 38 | ZENT CERUMO LC500 | 立川祐路/石浦宏明 | BS | 6 | 110 | 2時間52分25秒498 |
4 | 36 | au TOM'S LC500 | ジェームス・ロシター/関口雄飛 | BS | ― | 110 | 2時間52分35秒192 |
5 | 6 | WAKO'S 4CR LC500 | 大嶋和也/フェリックス・ロ―ゼンクヴィスト | BS | 16 | 110 | 2時間52分37秒374 |
6 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー | BS | ― | 110 | 2時間52分38秒264 |
7 | 1 | KeePer TOM'S LC500 | 平川亮/ニック・キャシディ | BS | 22 | 110 | 2時間52分40秒558 |
8 | 8 | ARTA NSX-GT | 野尻智紀/伊沢拓也 | BS | ― | 110 | 2時間53分04秒240 |
9 | 100 | RAYBRIG NSX-GT | 山本尚貴/ジェンソン・バトン | BS | 30 | 110 | 2時間53分19秒630 |
10 | 3 | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R | 本山哲/千代勝正 | MI | 8 | 109 | 2時間52分04秒862 |
11 | 17 | KEIHIN NSX-GT | 塚越広大/小暮卓史 | BS | 42 | 108 | 2時間52分15秒031 |
12 | 19 | WedsSport ADVAN LC500 | 国本雄資/山下健太 | YH | 4 | 108 | 2時間52分23秒404 |
13 | 24 | フォ―ラムエンジニアリング ADVAN GT-R | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/高星明誠 | YH | 10 | 108 | 2時間52分49秒677 |
14 | 16 | MOTUL MUGEN NSX-GT | 武藤英紀/中嶋大祐 | YH | 2 | 108 | 2時間53分25秒417 |
R | 64 | Epson Modulo NSX-GT | ベルトラン・バゲット/松浦孝亮 | DL | ― | 45 | 1時間11分54秒773 |
第2戦終了時点でのGT500クラス年間順位(暫定)
カ―ナンバー | ドライバー | 第1戦 | 第2戦 | 合計 | 次戦ウェイトハンデ |
---|---|---|---|---|---|
23 | 松田次生/ロニー・クインタレッリ | 6 | 20 | 26 | 52 |
17 | 塚越広大/小暮卓史 | 21 | ― | 21 | 42 |
100 | 山本尚貴/ジェンソン・バトン | 15 | 2 | 17 | 34 |
1 | 平川亮/ニック・キャシディ | 11 | 4 | 15 | 30 |
38 | 立川祐路/石浦宏明 | 3 | 12 | 15 | 30 |
39 | ヘイキ・コバライネン/坪井翔 | ― | 15 | 15 | 30 |
6 | 大嶋和也/フェリックス・ロ―ゼンクヴィスト | 8 | 6 | 14 | 28 |
36 | ジェームス・ロシター/関口雄飛 | ― | 8 | 8 | 16 |
12 | 佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー | ― | 5 | 5 | 10 |
24 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/高星明誠 | 5 | ― | 5 | 10 |
3 | 本山哲/千代勝正 | 4 | ― | 4 | 8 |
8 | 野尻智紀/伊沢拓也 | ― | 3 | 3 | 6 |
19 | 国本雄資/山下健太 | 2 | ― | 2 | 4 |
3 | 本山哲/千代勝正 | ― | 1 | 1 | 2 |
16 | 武藤英紀/中嶋大祐 | 1 | ― | 1 | 2 |
GT300の前半を盛り上げた34号車 Modulo KENWOOD NSX GT3だが、ピット作業のミスで後退
GT300はスタートから平穏に過ぎ、ほぼ順位どおりに1コーナーに入っていった。レースはポールポジションからスタートした55号車 ARTA BMW M6 GT3、予選2位からスタートした61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)に続き、予選7位からスタートした31号車 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/平手晃平組、BS)が3位に上がりトップ3を形成した。このトップ3は1回目のピットストップを終えても変わらず、3台で不動のトップグループを形成した。
その1回目のピットストップを終えるまでレースを盛り上げたのは、11番手からスタートした34号車 Modulo KENWOOD NSX GT3(道上龍/大津弘樹組、YH)で、徐々に順位を上げて各車がピットに入る前に6位まで順位をアップ。最終的には各車のピットインにより3位となった。34号車の第1スティントと第3スティントを担当した大津選手は前回のレースがデビュー戦だったが、自分の担当パート前にリタイアになったため、実質的に今回がデビュー戦となるが、安定したタイムを刻んで徐々に順位を上げるというレースを行ない、高い評価を受けた。
ところが、そのレースが台無しになったのはピットストップだった。1回目のピットストップを行なった際に右リアホイールが入らないトラブルが発生してしまい、他チームに比べて20~30秒近い時間をタイムロス。これで、最終的に4位になった65号車 LEON CVSTOS AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥組、BS)の後ろを走っていた34号車だったが、ピットアウトすると12位まで順位を下げてしまい、第2スティントの道上選手、続けて大津選手も追い上げたが結果的に8位に入賞となった。このトラブルがなければ65号車の近くでゴールできたと考えることもでき、ヨコハマタイヤ勢の最上位で終えることが可能だったということで、新チームにありがちなミスがあったとは言え、NSX GT3に上位で戦えるポテンシャルがあると分かったことは同チームの救いと言えるだろう。
優勝はピットストップ時を除いてゴールまでトップを独走した55号車 ARTA BMW M6 GT3
トップ3を形成していた55号車、61号車、31号車のフォーメーションが崩れたのは60周目。61号車にエンジントラブルが発生し、ダンロップコーナーで車両を停止してリタイアとなった。ドライブしていた山内英輝選手が悔しそうに金網に感情をぶつけるシーンがサーキットビジョンに流れ、サーキットに大きなため息が流れることになった。
最後のピットストップが終わると、トップは変わらず55号車で、61号車のリタイアで繰り上がった31号車が2位。そして予選8位からするすると順位を上げてきた11号車 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信、DL)が3位となった。レース終盤の焦点は4位争いに移り、最後の残り数周まで4位を走っていた0号車 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組、YH)を65号車がオーバーテイクし、順位はほぼ確定した。
優勝は55号車 ARTA BMW M6 GT3、2位は31号車 TOYOTA PRIUS apr GT、3位は11号車 GAINER TANAX GT-R、4位は65号車 LEON CVSTOS AMG、5位は0号車 グッドスマイル 初音ミク AMG、6位は7号車 D'station Porsche(藤井誠暢/スヴェン・ミューラー組、YH)となった。
第2戦 GT300クラスのリザルト(暫定)
順位 | カーナンバー | 車両 | ドライバー | タイヤ | ウェイトハンデ | 周回数 | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 55 | ARTA BMW M6 GT3 | 高木真一/ショーン・ウォーキンショー | BS | 10 | 102 | 2時間52分07秒982 |
2 | 31 | TOYOTA PRIUS apr GT | 嵯峨宏紀/平手晃平 | BS | ― | 102 | 2時間52分33秒911 |
3 | 11 | GAINER TANAX GT-R | 平中克幸/安田裕信 | DL | 12 | 102 | 2時間52分42秒452 |
4 | 65 | LEON CVSTOS AMG | 黒澤治樹/蒲生尚弥 | BS | 16 | 102 | 2時間52分56秒129 |
5 | 0 | グッドスマイル 初音ミク AMG | 谷口信輝/片岡 龍也 | YH | 6 | 102 | 2時間52分57秒098 |
6 | 7 | D'station Porsche | 藤井誠暢/スヴェン・ミューラー | YH | 30 | 102 | 2時間53分18秒269 |
7 | 60 | SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 | 吉本大樹/宮田莉朋 | YH | ― | 101 | 2時間52分02秒869 |
8 | 34 | Modulo KENWOOD NSX GT3 | 道上龍/大津弘樹 | YH | ― | 101 | 2時間52分08秒445 |
9 | 88 | マネパ ランボルギーニ GT3 | 平峰一貴/マルコ・マッペリ | YH | 10 | 101 | 2時間52分18秒904 |
10 | 21 | Hitotsuyama Audi R8 LMS | リチャード・ライアン/富田竜一郎/篠原拓朗 | DL | ― | 101 | 2時間52分20秒524 |
11 | 10 | GAINER TANAX triple a GT-R | 星野一樹/吉田広樹 | YH | ― | 101 | 2時間52分28秒692 |
12 | 5 | マッハ車検 MC86 Y's distraction | 坂口夏月/平木湧也/玉中哲二 | YH | ― | 101 | 2時間52分35秒635 |
13 | 18 | UPGARAGE 86 MC | 中山友貴/小林崇志 | YH | 40 | 101 | 2時間52分46秒661 |
14 | 96 | K-tunes RC F GT3 | 新田守男/中山雄一 | BS | ― | 101 | 2時間53分18秒815 |
15 | 26 | TAISAN R8 FUKUSHIMA | 山田真之亮/川端伸太朗/中野信治 | YH | 4 | 101 | 2時間53分22秒729 |
16 | 87 | リーガルフロンティア ランボルギーニGT3 | 佐藤公哉/元嶋佑弥/高橋翼 | YH | ― | 101 | 2時間53分26秒606 |
17 | 9 | GULF NAC PORSCHE 911 | 久保凜太郎/石川京侍 | YH | ― | 101 | 2時間53分36秒454 |
18 | 30 | TOYOTA PRIUS apr GT | 永井宏明/佐々木孝太 | YH | ― | 99 | 2時間52分13秒494 |
19 | 52 | 埼玉トヨペットGreenBraveマークX MC | 番場琢/脇阪薫一/高木真一 | YH | ― | 99 | 2時間52分14秒536 |
20 | 50 | EXE AMG GT3 | 加納 政樹/安岡秀徒/坂本祐也 | YH | 2 | 99 | 2時間52分21秒241 |
21 | 48 | 植毛 GT-R | 田中勝輝/飯田太陽/リチャード・ブラッドリー | YH | ― | 99 | 2時間52分59秒446 |
22 | 117 | EIcars BENTLEY | 井出有治/阪口良平/田中篤 | YH | ― | 98 | 2時間52分04秒850 |
23 | 2 | シンティアム・アップル・ロータス | 高橋一穂/加藤寛規 | YH | ― | 96 | 2時間45分33秒087 |
24 | 35 | arto RC F GT3 | ナタウッド・ジャルーンスルカワッタナ/ナタポン・ホートンカム | YH | ― | 87 | 2時間52分31秒677 |
25 | 22 | アールキューズ AMG GT3 | 和田久/城内政樹 | YH | ― | 86 | 2時間52分11秒001 |
26 | 777 | CARGUY ADA NSX GT3 | 横溝直輝/木村武史/ケイ・コッツォリーノ | YH | ― | 83 | 2時間53分11秒259 |
R | 360 | RUNUP RIVAUX GT-R | 田中篤/青木孝行/ | YH | ― | 69 | 2時間53分17秒457 |
R | 61 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 井口卓人/山内英輝 | DL | ― | 54 | 1時間31分27秒660 |
R | 25 | HOPPY 86 MC | 松井孝允/近藤翼/土屋武士 | YH | 22 | 40 | 1時間52分32秒225 |
第2戦終了時点でのGT300クラス年間順位(暫定)
カーナンバー | ドライバー | 第1戦 | 第2戦 | 合計 | 次戦ウェイトハンデ |
---|---|---|---|---|---|
55 | 高木真一/ショーン・ウォーキンショー | 5 | 21 | 26 | 52 |
18 | 中山友貴/小林崇志 | 20 | ― | 20 | 40 |
7 | 藤井誠暢/スヴェン・ミューラー | 15 | 5 | 20 | 40 |
11 | 平中克幸/安田裕信 | 6 | 11 | 17 | 34 |
65 | 黒澤治樹/蒲生尚弥 | 8 | 8 | 16 | 32 |
31 | 嵯峨宏紀/平手晃平 | ― | 15 | 15 | 30 |
25 | 松井孝允/坪井翔 | 11 | ― | 11 | 22 |
0 | 谷口信輝/片岡龍也 | 3 | 6 | 9 | 18 |
88 | 平峰一貴/マルコ・マッペリ | 5 | 2 | 7 | 14 |
60 | 吉本大樹/宮田莉朋 | ― | 4 | 4 | 8 |
34 | 道上龍/大津弘樹 | ― | 3 | 3 | 6 |
26 | 山田真之亮/川端伸太朗 | 2 | ― | 2 | 4 |
50 | 加納政樹/安岡秀徒 | 1 | ― | 1 | 2 |
21 | リチャード・ライアン/富田竜一郎/篠原拓朗 | ― | 1 | 1 | 2 |
暖まりではなく、タレないことを優先してタイヤを選んだとクインタレッリ選手
決勝レース後には、GT500、GT300両クラスの優勝ドライバーによる優勝者記者会見が行なわれた。以下はその模様だ。
司会:それでは、優勝した4人のドライバーに、それぞれ今の気持ちや自分のパートについて説明してほしい。
ショーン・ウォーキンショー選手:レースはとてもよいレースで、自分のパートではギャップを維持するだけだった。温度がどんどん下がっていったので、タイヤのウォームアップが難しかったが。
高木真一選手:(司会からポールポジション獲得13回、優勝19回で単独トップという記録を聞かされて)嬉しいです。最多勝や多くのポールを取れているのは、いいクルマを用意してくれている鈴木亜久里さん、土屋圭市さんをはじめとしたチームのおかげだと思っている。われわれはソフトタイヤを選択していたので、後半に落ち込みがどれくらいあるかが気になっていた。だが、その前に2位との差を広げることができた。気温が下がっていくとバランスが狂い始めて、特に後半4輪交換を行なうと気温が下がったときには固めにでていて、3スティント目はかなり厳しかった。それでも、晴れたので、楽をさせてもらった面はある。
松田次生選手:(司会から歴代単独首位の20勝を達成したことを告げられて)まさか自分が20勝を達成できるとは思っていなくて、このレースで立川さんに並ばれるのではないかと思っていた。チーム、スタッフ、そして半分はロニーと一緒に獲っているので感謝したい。これまでの20勝は運が味方してくれているときもあったが、25勝とか30勝を目指して今後も頑張りたい。
今日のレースはロニーが最初と最後を走った。序盤はロニーが苦しそうだったので、自分の真ん中のスティントでは大変な状況になるだろうと思っていた。39号車に行かれたときには、アウトラップで抜けるかなと思っていたが、坪井選手のアウトラップがすごくて、正直感心しながら走っていた。運わるくGT300の車両が止まってヘアピンで黄旗が出たことで、それに引っかかって7秒ほど開いてしまって、そこからなかなか詰められなかった。最後は4秒まで詰めたところでロニーに代わって、冷えたタイヤの状態で頑張ってくれた。
ロニー・クインタレッリ選手:昨日の予選ではポールを取れるだけのクルマのポテンシャルがあったが、3位に終わってしまい悔しかった。スタート時には岡山の時みたいにジャンプスタートにならないよう注意していた。青になった瞬間によく反応できて、1台を抜いて1コーナーに入ることができた。その後も思い切り行ったらダンロップで立川選手の前に出られた。その後は引き離そうと思ったが、GT300のトラフィックの中で上手くいかず、路面ができていないときに38号車と39号車に抜かれてしまった。
3スティント目の時にはピット作業が終われば前に行けると思っていた。39号車も(自分たちの)次の周にピットに入ったのでチャンスだと思っていた。ピットからリスタートしてすぐにリアタイヤが暖まり、内圧の上がり方も早くて1周目からいいタイムを出すことができ、その後マージンを広げたが、あんなにマージンを作れるとは思わなかった。
――2回目のピットストップ後のアウトラップでの39号車との差が勝因だと思うが、ミシュランのタイヤは暖まりがよかったのか?
クインタレッリ選手:われわれが選んだタイヤは暖まりがいいタイヤではなく、ちょっと苦労するレベルだったので、まさかあそこまでいけるとは思っていなかった。だが、2人ともミシュランタイヤのことはよく理解していてタイヤはトモダチだから(笑)。チームと一緒に総合力で上手く使いこなせたと思っている。今回われわれが選んだタイヤは暖まりよりも、タレないことを優先して選んだ。
――23号車の2人に、これでチャンピオンが見えてきたか? 開幕戦でシングルフィニッシュし、第2戦で優勝というのは2015年にチャンピオンを獲った時と酷似しているが
松田選手:確かに2015年はそういう勝ち方でチャンピオンを獲った。SUPER GTの場合は勝つとウェイトが重たくなるので、これからが大変。開幕戦に行く前に最低5位ぐらいでいいよね、次の富士で勝てるかなという話をしていたら、本当に開幕戦5位、そしてここで優勝となったので、今は順調と言っていい。問題はこの先だ。シーズン中盤から後半にかけて、1勝からもう1度気を引き締めてみんなでやっていかないといけない。内容を見れば楽勝だったということはなく、マシン的にはまだ満足していない。
クインタレッリ選手:次生が言っているように、レースを振り返れば明らかに足りない部分があるので、シーズン後半から、特に菅生とかも速く走れるようにしていく必要がある。今回のレースでは長いストレートのお陰でいろいろ(各社の得意不得意が)見えた。メディアなどには日産が3メーカーの中で弱い弱いと言われてしまうので、NISMOにはもっと頑張ってもらって総合力で1位を維持していきたい。松田選手の最多勝と同じように、自分も5回目のチャンピオンを早く獲りたいので。
3メーカーの争いは接戦になっており、今回の結果を見ても岡山で勝った車両が周回遅れになっているなど、ウェイトハンデ制度が機能していると言える。自分たちも鈴鹿で1つ目のリストリクターが入るので、頑張って今の位置を維持していかないといけない。
――高木選手に、55号車のタイヤ選択について教えてほしい
高木選手:ソフトタイヤを選択しており、それが不安だった。朝のフリー走行を含めてつらいかなというのがあった。というのも、このタイヤではロングをやっていなかったからだ。しかし、最初のスティントで走ってみたら速かった。今日は本当にタイヤのお陰で勝てたと言っていい。
次のサーキットの鈴鹿は(BMW)M6にとって苦手なサーキットで、そこでウェイトを積まれることになるのでかなりつらい。ただ、加重に強い対策パーツを入れてもらえることになっているので、それで1点を取りたい。その後タイで勝って、富士で勝ってチャンピオンを目指したい。
――23号車の2人に、去年との違いを教えてほしい
松田選手:去年より見た目がかっこよくなったこと(笑)。去年は苦しいシーズンを送っていたけど、空力面でダウンフォースが足りなかったので、それが増えたことが大きい。開幕前はバランスを取ることが難しかったけど、足まわりのバランスが取れたらよくなった。
岡山では昨年と比べて正直わるくなかった。前のポールのクルマがいろいろあったのでペナルティを受けたけど、正直あのペナルティがなければ優勝争いができていた。富士はローダウンフォースになるけど、課題だった100RやAコーナーは乗りやすくなった。
クインタレッリ選手:去年のシーズン終盤にはクルマは速くなってきていた。足まわりには大きな変化はなく、空力のおかげ。ブレーキにはまだ不満があるけど、突っ込みやすいクルマにはなってきた。特にセクター2では、1年前に比べてニュートラルになっており、去年の課題だったフロントタイヤの痛みも今年は解消されていた。
――ウォーキンショー選手は日本に来て2年目だが、日本のレースはどうか? また、今後どういうドライバーになっていきたいか?
ウォーキンショー選手:今はこのSUPER GTでのチャレンジにフォーカスしていて、今年チャンピオンになることを目指している、日本のシリーズに参戦できるのは非常にエキサイティングだし、次の鈴鹿でも頑張りたい。