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【レッドブル・エアレース千葉 2018】予選終了後の記者会見。3番手の室屋義秀選手「マジカルなフライトだった」

垂直尾翼は第2戦カンヌの状態に戻して決勝へ

2018年5月26日~27日 開催

左から予選3位の室屋義秀選手、予選トップのマイケル・グーリアン選手、レッドブル・エアレースのレース・ディレクター ジム・ディマッテオ氏

 千葉県立幕張海浜公園(千葉市美浜区)で開幕した「レッドブル・エアレース千葉 2018」。5月26日に行なわれた予選終了後、予選トップのマイケル・グーリアン選手と母国開催となる室屋義秀選手が登壇する記者会見が開かれた。

 この日の予選結果トップ3は、グーリアン選手がトップ、カービー・チャンブリス選手が2位、室屋選手が3位の順。

 予選トップとなったグーリアン選手は、開幕戦アブダビの優勝、第2戦カンヌで3位と表彰台を獲得、第2戦時点で24ポイントを獲得してランキングトップ。千葉大会の予選ではトップタイムの55秒424を記録した。

予選トップのマイケル・グーリアン選手

 予選のフライトについて、グーリアン選手は「千葉のコースは非常に技術を要するコース。スタートからシケインに向けてリズムが必要で、1本目はシケインでリズムを崩してしまったが、ミスをしなければいいタイムが出るはずだと、(ランキング2位の)マット・ホール選手の結果がよくなかったとしても、ここで守りの姿勢に入ってはいけないと信じて2本目を飛んだ」と話した。

 また、今シーズン好調が続くことに関して、グーリアン選手は「エアレースはチームスポーツで、僕はバズルのようにとらえていて、ここ数年で大きなピースを整え、今年は細かいピースを整えてそれがうまくはまって機能している。そこに自分を信じる力、自然に自分の実力が出せることに集中している」とコメントした。

室屋義秀選手

 一方、予選3位のタイム56秒403を記録した室屋選手は、今日のフライトについて「今日まで垂直尾翼を変更して飛んだのですが、非常にコントロールが難しい状態で、予選では1本だけ集中して奇跡的に3番手のタイムが出せ、マジカルなフライトだったと思う。明日の決勝はカンヌのセッティングに戻します」と、千葉大会に向けて新たに投入した垂直尾翼について、決勝レースでは第2戦カンヌの時の機体の状態に戻すことを明らかにした。

 実際、5月26日は前日までの風もおさまりタイムの出やすいコンディションであったが、室屋選手はフリープラクティス2で57秒221を記録して8位のタイム、フリープラクティス3では55秒806を記録するも、2秒のペナルティをもらい57秒806と10位のタイムと苦戦していた。

 室屋選手は「今日のセッティングでは、コンディションが少し荒れると非常に難しい状態になるので、明日は安定した状態でレースをしたほうがいいと思っている。その状態でもライン取りをきちっと決めていけば、たぶんトップタイムに近いタイムを出せる手ごたえはある。明日は安定したレースを目指したい」と話した。

 そして、明日の決勝日、室屋選手はラウンドオブ14で第2戦カンヌの勝者マット・ホール選手と対戦する。

 室屋選手は「なんで、こんなにドラマティックになるんでしょうかね。せっかく3位に入ったのに……。でも、皆さんも面白いと思いますし、年間のチャンピオンシップを考えるうえでどこかで対戦していく必要もあるので、1年間をとおした“天王山の1回目”という感じになる。明日はラウンドオブ14が勝負どころになると思う、あとはファイナル4でグーリアン選手との戦いになる」と決勝に向けた意気込みを話した。

 この室屋選手の垂直尾翼の変更については、会場の記者団からも質問があり、室屋選手は「垂直尾翼を元に戻そうと判断したのは、フリープラクティス2が終わった時点で戻すことは決めていた。今のままでも飛べなくはなく、機体としては0.1~0.2秒上がる計算をしていたが、一度機体が乱れだすとコントロールが難しく、もう少し練習しないとレースでの勝ちにつなげるのは難しいという判断から。予選までに替えることは困難だったので、そのままのセッティングでなんとか予選は切り抜けた」とコメントした。

 5月27日は14時から決勝がスタートする。