【レッドブル・エアレース千葉 2018】千葉戦に向け垂直尾翼を小型化。室屋義秀選手「2018年に狙ったスペックは完成」

エアレースパイロットの室屋義秀選手

　エアレースパイロットの室屋義秀選手が5月24日、5月26日～27日に開催される「レッドブル・エアレース千葉 2018」に向けて、現在の機体の状況やレース本番に向けた意気込みを語った。

　これまでの2週間、地元の「ふくしまスカイパーク」で機体の調整を進めてきた室屋選手。千葉大会に投入する機体については垂直尾翼を小型化する改良を施したという。

　室屋選手は「垂直尾翼を小さくすることで空気抵抗が減るのですが、その分方向安定性がわるくなるので、コントロールがパイロットに委ねられる部分が多くなります」と、その部分の調整やトレーニングを地元の福島で進めてきたことを明かすとともに、この調整により2018年に目指した機体のスペックは完成したという。

　また、千葉大会のレーストラックについて、室屋選手は「昨年とほぼ同じレイアウトと思ってもらっていいと思います。ミディアムスピードのトラックなので昨年の機体では1番のタイムを出せなくて厳しいコースでした。今年の機体は、（千葉のコースと同じくらいのアベレージのスピードを持つ）カンヌではほぼトップに近い機体のセットができているので、千葉でほかのチームと比べてどれくらいいけるのか楽しみ。昨年よりは戦いやすい状態ではあると思います」と述べた。

　このコースのポイントについて、室屋選手は「バーチカルターンが2回あって、そこが大きな勝負のポイントになると思います。超高速で入っていく最初のバーチカルターン、フィニッシュに向かう2回目のターン、そこで逆転ということもあると思います」と話した。

　今回で4回目の千葉大会が開催されたことに対して、室屋選手は「今年開催されるかどうか分からなかったのですが、千葉大会が開催されたことに対しては、当然、日本人パイロットとしては嬉しいし、昨年ワールドチャンピオンのタイトルを獲って、こうして凱旋できたことは本当に嬉しいことですね。ただ、われわれとしては8戦を戦ってタイトルを獲得することを大きな目標として動いていますので、千葉大会がなかったとしてもあまり思い込みすぎないようにしていたのも事実です」とその思いを話した。

　レース本番への意気込みについて、室屋選手は「2年目、3年目に優勝して、4年目にワールドチャンピオンとして帰って来られて非常に楽しみ。機体のセットアップもできていて、トレーニングも福島で十分行なえているので、今は万全と考えています。あとは天気がよさそうなので、フルにレースができればいい結果が取れると思って準備しています」と述べた。

　今後、「レッドブル・エアレース千葉 2018」は、5月25日に練習日フリープラクティスデイが設定されており、5月26日に予選、5月27日に決勝が行なわれる予定。

浦安市にある機体整備を行なうハンガーで取材に応えた室屋選手