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コンチネンタルの最新スタッドレスタイヤ「バイキング・コンタクト 7」を冬のニュージーランドで試乗
日本で9月発売
2018年8月20日 08:15
- 2018年8月9日(現地時間) 開催
独コンチネンタルのタイヤ部門は、ニュージーランドにあるプルービンググラウンド「SHPG:Southern Hemisphere Proving Grounds」においてアジア・パシフィック地域のディーラー関係者を対象にコンチネンタルタイヤのテクノロジーを体験してもらう「コンチネンタルタイヤ テクノロジー エクスペリエンス」を開催した。
日本からは成田空港を出発してオークランド国際空港を経由し、クイーンズタウン空港からクルマで1時間ほどのところにあるSHPGに雪上コースを用意。取材日の9月8日(現地時間)は、中国、タイ、韓国、日本から参加したディーラー関係者が、冬用タイヤに使われているテクノロジーを体験できるプログラムをこなした。
日本では9月発売の「バイキング・コンタクト 7」と旧世代コンパウンド採用のスタッドレスタイヤで定常円旋回
最初のステージでは、スタッドレスタイヤに採用されるコンパウンドの違いでどのような性能差があるのか、最新のコンパウンドを採用したスタッドレスタイヤ「バイキング・コンタクト 7」と旧世代のコンパウンドを採用したスタッドレスタイヤを装着した2台のフォルクスワーゲン「ゴルフ」で定常円旋回を体験した。
円形のコースの対面に、新旧のタイヤを装着した2台の車両をスタンバイして同時にスタート。アクセルやステアリングをコントロールしながらパイロンをトレースしていくと、ドライバーが入れ替わりながら何回行なわれても、最新のバイキング・コンタクト 7を装着した車両が前方を走行する旧世代のスタッドレスタイヤを装着した車両に追いつく結果になった。
実際に2台の車両に乗ってみた印象は、どちらのタイヤもある程度の速度域に達すると限界を超えてグリップを失うことになるが、バイキング・コンタクト 7の方がグリップを失ってからグリップが復帰するまでの時間が短く、スタート時にアクセルをガバっと踏み込んだときのタイヤの食い付きもよい。
バイキング・コンタクト 7と他ブランドの夏タイヤ、オールシーズンタイヤをパイロンスラロームで乗り比べ
別のステージでは3台のゴルフが用意され、他ブランドの夏タイヤ、他ブランドのオールシーズンタイヤ、バイキング・コンタクト 7の順番でパイロンスラロームのコースで乗り比べた。試乗車は2WD(FF)でアイスバーンや勾配のないコースを1周する。
まずは夏タイヤで走行してみると、トラクションコントロールやスタビリティコントロールといった車両の電子制御により自分が想像していたよりも普通に走れてしまうことに驚きつつも、やはり加速性能ではタイヤが空転するので速度が出るまで時間がかかる、ハンドリングについてもステアリングを切ってからクルマが曲がるまでの反応がワンテンポ遅いので、速度を落として走行しないとパイロンからどんどん離れていってしまう、ブレーキ性能でも制動距離は当然のことながらほかのタイヤよりも長かった。
続けてオールシーズンタイヤとバイキング・コンタクト 7に乗ってみると、今回のコースではツルツルのアイスバーンはなかったので、30~40km/hといった領域で走行すると、夏タイヤで走行した時に感じた差と比べると、この2つのタイヤの差はわずかであった印象。
ここでのテストは、気温が7℃になるとサマータイヤのゴムは硬度を高めグリップを減少させるのに対して、コンパウンドの異なるウィンタータイヤでは気温7℃を下まわっても柔軟性を維持していることを感じるためのもの。低温下でもタイヤが柔軟性を保つことで路面とタイヤが密着してグリップを増加させる。定常円旋回やパイロンスラロームで感じた違いは、低温下でもタイヤの柔軟性を実現させるコンパウンド技術によるもの。
このステージの最後に、それを視覚的に示してくれる実験が行なわれた。ドライアイスで冷したスタッドレスタイヤとサマータイヤのゴム片をハンマーで衝撃を与えるテストを実施。夏タイヤのゴム片は粉々に砕けてしまったのに対して、スタッドレスタイヤのゴム片は砕けることなく柔軟性を維持していた。
余談ではあるが、今回、動画撮影のために吸盤を使用した固定具でカメラを車両に取り付けていたのだが、吸盤が寒さで硬化してしまい手で温めながら吸盤の柔軟性を取り戻して車両に取り付けるといったことを繰り返していたので、低温下でタイヤの性能を発揮するためには、ゴムの柔軟性を保つことが重要であるというのが理解できた。
「A5 カブリオレ」「MX-5 RF(日本名:ロードスター RF)」がドリフト走行で競演
昼食後のステージでは、インストラクターがドライブするマツダ「MX-5 RF(ロードスター RF)」、アウディ「A5 カブリオレ」に同乗することができるお楽しみイベントも用意されていた。
2WD(FR)のMX-5と4WDのA5 カブリオレが右へ左へと華麗なドリフト走行を披露して、現行モデルのスタッドレスタイヤ「バイキング・コンタクト 6」のパフォーマンスを示した。
スパイクタイヤの最新技術
スタッドレスタイヤのほかにも、日本市場では販売していないスパイクタイヤのスタッド技術「ゴムコーティングスタッド技術」を紹介するステージも用意されていた。ゴムでスタッドを包むことで、従来アルミニウムで包んでいたものと比べ、凍結時性能7%向上と道路の摩耗を20%減少を実現するという。
ゴムでコーティングした馬の蹄鉄から事業スタートしたコンチネンタル
このコンチネンタルタイヤ テクノロジー エクスペリエンスは8月2日~10日といった9日間の日程で開催され、アジア・パシフィック地域最大の市場となる中国のディーラー関係者を中心に計400人を超える人が招待され、同社のテクノロジーを体験した。
同イベントの挨拶でコンチネンタル 乗用車・ライトトラック交換用タイヤ部門 アジア・パシフィック地域のトップ Ferdinand Hoyos氏は、コンチネンタルは1871年にドイツのハノーファーで設立され、最初の製品は騒音を抑えるためにゴムでコーティングした馬の蹄鉄であることを紹介。
今では世界で4番目のタイヤメーカーであることを示すとともに、Hoyos氏は「コンチネンタルはタイヤ事業だけでなく、さまざまなゴム製品を作るコンチテック事業、自動車関連部品を作る3つの事業を備え、エンドユーザーに向けて最新の技術を使ったさまざまな製品を供給しています。タイヤ事業に関しては、ほかの事業で得た技術的なアドバンテージを使いながら製品開発しており、エンドユーザーに最適なタイヤを供給しています。われわれはテクノロジーに秀でた会社で、タイヤにおいても同じです」と強調した。
さらに「今日は、タイヤに使われている革新的な技術を知ってもらい、どのようなタイヤがどのような状況で正しく使えるのかというのを、知っていただきたい」と、このイベントの狙いを話した。