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マツダ、新型SUV「CX-60」概要説明 コンセプトは「ドライビングエンターテインメントSUV」

2022年4月7日 発表

マツダが新型ミッドサイズSUV「CX-60」を発表。商品概要説明会が行なわれた

新世代ラージ商品群の第1弾となる「CX-60」

マツダ株式会社 国内営業本部 東堂一義氏

 マツダは4月7日、日本国内では2022年初秋に発売予定としている新型ミッドサイズSUV「CX-60(シーエックス・シックスティ)」の日本仕様を発表。メディア向けに商品概要説明会をオンラインにて実施した。

 冒頭でマツダの国内営業本部の東堂一義氏は、「マツダはクルマを単なる移動手段ではないと考えています。走るよろこびを追求しながら、地球、人、社会とクルマが共存する未来を描き、飽くなき挑戦を続けていくのがマツダの姿勢です」とあいさつ。

 そして2012年からは「ものづくり」の革新と同時に、ユーザーとの接点を大切にして愛車の資産価値を高く維持することを目指す「つながりづくり」の革新も行ない、ブランド再構築に取り組んでいる。

 この「つながりづくり」の取り組みの具体例としては、鼓動デザインが最も美しく映えるように設計した新世代店舗の展開と、クルマの価値を大切にする正価販売への切り替えを実施。その結果、クルマの価値が高まったことで再購入率が向上し、店舗も「マツダブランドの世界観を感じられる」とユーザーから好評だという。

 また「ものづくり」革新については、10年前にスカイアクティブ(SKYACTIV)技術と鼓動デザインを全面採用した商品群を誕生させて以来、CXシリーズはSUV市場をけん引しながら幅広いラインアップに成長。そして藤堂氏は「ここでSUV市場に新たな一歩を踏み出します」と宣言。

 藤堂氏は、マツダの新世代ラージ商品群の第1弾となるCX-60について、「心を高ぶらせる圧倒的な走行性能」と「洗練されたデザイン」に加え、「環境性能と安全性能」を高次元で両立させた国産SUV唯一の直列6気筒縦置きプラットフォームで、走りの楽しさを極めた上質なドライビングエンターテインメントSUVモデルであると発表した。

コンセプトは「ドライビングエンターテインメントSUV」

マツダ株式会社 開発主査 和田宣之氏

 開発主査の和田宣之氏はCX-60の特徴について、「直列6気筒エンジン縦置きプラットフォームを活かし、マツダブランドの醍醐味である“走る歓び”をエンターテインメントといえるレベルまで高めることに注力したこと」と語り、CX-60の開発コンセプトはドライビングエンターテインメントSUVであると紹介。

 特にこだわったのは人の能力を最大限に引き出すことだといい、「走ることの感動が感じられるクルマを目指し、五感で感じるクルマとの一体感と、心に響くエンジンサウンドと変速のリズムをつくり込んだ」と説明したほか、万が一ドライバーが意識をなくして運転ができなくなったときには、迅速に減速停止して事故のリスクと被害の低減を図れる「ドライバー異常時対応システム」をCX-60で初めて導入すると明かした。

開発陣のCX-60へ込めた想い

 操安性能開発 上席エンジニアの虫谷泰典氏は「まったく新しいレベルのパフォーマンスを体験いただくために、新開発の直列6気筒ディーゼルエンジンを用意しました。プラグインハイブリッドをはじめとするマツダらしい電動化技術によって、環境にも配慮しながら、妥協のない走りのよさを思う存分楽しんでいただけます。クルマを自在に操るよろこび、心高ぶる加速感、心弾むサウンドとリズムは走りに対する情熱を忘れないお客さまの期待を裏切りません。CX-60はそんなあなたの走りへの情熱に応えるSUVです」とコメント。

 また、総合制御システム開発 主査の田端伸章氏は「室内空間を美しく見せるだけでなく、乗る人が直感的に楽しくクルマを操ってほしいと考え、人間の動きや特性を徹底的に研究し、普段気にかけていないようなささいなことにもこだわって開発しています。また、多くのドライバーが正しいドライビングポジションを取れていない現状を知り、CX-60では1人ひとりのドライバーを認識し、シート、ステアリング、ミラー、そしてアクティブドライビングディスプレイを自動的に調整するシステムを開発しました」と述べている。

 チーフデザイナーの玉谷聡氏は「日本の美意識である引き算の美学に着目。書道の強く大胆な筆跡や枯山水の庭園の簡潔さから着想を得て、不要な要素を徹底的に削ぎ落とし、SUVとしての力強さとエレガンスを両立するノーブルタフネスをテーマにしています。時代に流されない、自然で力強い骨格、ボディに周囲の風景を美しく映し出すことで、まるでアート作品のように周囲の環境と調和する日本独自の自然感で仕上げました」と、デザインコンセプトを解説。

 そして、カラー&トリムデザイナーの宇多川舞氏は「日本の『間』と呼ばれる精神を取り入れました。インテリアと周囲にある自然を結び合わせ、日本のものづくりの技術や素材から着想を得て、心のこもった穏やかな空間に仕上げました。自然の中で移りゆく光の質感を大切にし、日本独自の『不完全な美』を表現しています。光の揺らぎを感じさせるメープルウッドやファブリックなど、伝統的なモチーフに、現代の感覚を取り入れることで、モダンで落ち着きのある空間をつくりました。季節や時間によって変わりゆく光の表情を楽しんでいただき、CX-60での旅がかけがえのない心豊かな時間になることを願っています」と語っている。

 最後に東堂氏から、日本国内での発売は2022年初秋を予定していること、発売までの期間も「CX-60ティザーサイト」で随時情報を更新していくと説明会を締めくくった。

【マツダ】新型SUV「CX-60」紹介動画(B-roll)(2分51秒)