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ダイハツ、「DNGAを鍛える」ために小型SUV「ロッキー」でTOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジに挑む!

2023年3月26日 開催

ダイハツ工業の小型SUV「ロッキー」がTOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジに「D-SPORT ダイハツ ロッキー チーム」として参戦。ロッキーのモータースポーツ参加はこれが初めてとなる

 ダイハツ工業はユーザーに寄り添い、暮らしを豊かにすることを目指して「モノづくり」と「コトづくり」の両輪でさまざまな取り組みを行なうなか、その一環として2022年からモータースポーツ活動を再開。そして2023年度はSPK(D-SPORT)が運営するD-SPORT Racing Teamと共同で、TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ(ラリチャレ)への全戦参戦を予定している。

 本稿では3月26日に開催された「TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge 2023 in三好」に参戦したD-SPORT ダイハツ ロッキー チームの活動をお伝えする。

「ロッキー」のTOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ仕様車

 今回、競技車として選ばれたのはダイハツ「ロッキー」。新世代のプラットフォーム「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」を採用し、レジャーから日常使いまで活躍できる「良品廉価」なクルマである。

 ロッキーには1.2リッターガソリンエンジン+e-SMART HYBRIDのハイブリッドモデルと、1.2リッター自然吸気エンジン、そして1.0リッターターボエンジンを搭載するガソリンモデルの計3種類のパワートレーンをラインアップしている。

 そのなかでラリー車のベースとなったのは、1.0リッターターボエンジンを搭載し、トランスミッションにCVTを組み合わせる4WDの「X」グレードだ。

TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ仕様になったロッキー。ベースはXグレード。エンジンは1.0リッターターボで駆動方式は4WD。トランスミッションはCVTだ

 ラリチャレは国内Bライセンスがあれば参加できるビギナー向けのラリー競技。そのためクルマの改造範囲は限定されているが、今回はモータースポーツという使用環境での車両の評価をすることも参戦の大きな目的なので、ラリチャレに出場するロッキーは基本的にノーマル。変更されたところはラリチャレに出場するために必須のロールケージ、6点式シートベルト、バケットシートとなる。なお、フロア下のパーツを保護するためのアンダーガード類を装着し、さらにロードクリアランス確保の意味でスプリングをD-SPORT X-SPECスプリングへ交換している。

TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジに参戦するダイハツ ロッキー
カービューティープロの手によってラリチャレ仕様のラッピングが施されるロッキー。特徴的なコンパーノレッドのボディカラーにラッピングがされたように見えるが、実はブラックのボディカラーの車両をフルラッピングしたという手が込んだ仕様
ロッキーが搭載する1KR-VET型直列3気筒DOHC 1.0リッターインタークーラーターボエンジン。ラリーの規定どおり完全ノーマルだ
D-SPORT製フルバケットシート(リニューアル)を装着。シートベルトはTRS製6点式レーシングハーネス
助手席足下には規定により消火器が装備される
ラリチャレでは車検証に記載されている乗車定員分のシートが付いていることが必須なので、リアシートは装着したまま
ロッキー用のロールケージは市販されていないのでワンオフ製作して装着。材質はクロモリ。ラリチャレの規定に合致している
ラゲッジスペース
ラリチャレ用に装着したOZ製アルミホイールとアドバンA036タイヤ。サイズは195/65R15。前後の大型マッドガードはワンオフ製作品
D-SPORT X-SPECスプリングは純正ショックアブソーバーとのマッチングを重視した設定となっていて、組み込むことで車高が約15~20mmアップする(保安基準適合品)
こちらはリアスプリング。リアのショックアブソーバーもノーマルだ
アルミ製フロントアンダーガードもワンオフ製作品。矢印ステッカーが差しているのは牽引用ベルト
こちらはタンクガードにデフガード。こうしたガード類はフロア下面にある重要パーツを、グラベル走向時の石飛びや路面との干渉から保護する目的のパーツだ

本番を前にサーキットでシェイクダウン走行を実施

山陽スポーツランド 中山サーキット(以下中山サーキット)にてロッキーのシェイクダウン走行が行なわれた

 ロッキーによるラリチャレへの参戦は開発部門を中心としたダイハツ社内チームによる活動で、代表を務めるのはダイハツ工業 コーポレート統括本部 DGR主査 兼 D-SPORT Racingチーム 監督 殿村裕一氏だ。

 殿村氏はこの取り組みについて「ダイハツとしてのモータースポーツへの参加はコペンでのラリー参戦から始まりました。そして2023年2月にはミラ イースでK4GPへの参戦も開始しています。これらの取り組みはダイハツ車のベーシックな部分を鍛えることを目的としていました。そして、今回のロッキーには現在のダイハツ車の基本となるDNGAプラットフォームが使われています。ラリチャレへの参戦はモータースポーツを通じて、DNGAをさらに鍛え上げるというのが主な理由です。車両の開発時には各種の耐久試験は当然しっかりと行ないますが、ラリーのようなスポーツ走行領域はテストコースで走るのとはまるで違うものです。例えばタイヤショルダーのゴムが溶けるような、強い横荷重をかけ続けるという項目は(開発テストには)ありません。それだけにラリチャレへの参戦を通じていろいろな現象をとにかくいっぱい出して、それらを持ち帰り分析することで、いまのクルマ、これからのクルマをもっといいものにできるよう、あらゆるモノ、コトの改善をしていきます。そういった目的もあるので用意したロッキーはラリーの規定に合う装備だけ付けた、市販車に近い仕様としています」と説明した。

シェイクダウン走行が行なわれた中山サーキットにはダイハツ社内チームのメンバーが帯同。このほかにもメンバーがいて現在は10名ほどでの活動となっている
チーム代表を務める、ダイハツ工業 コーポレート統括本部 DGR主査 兼 D-SPORT Racingチーム 監督 殿村裕一氏

 中山サーキットは岡山県にあるミニサーキットで、日本のサーキットとしては4番目に長い歴史を持つという。コースは山あいに設けられているので地形を生かした高低差があり、それでいてタイトなコーナーも多いというもの。ラリーのSS(スペシャルステージ)で使用する峠道のようなところである。

 中山サーキットに持ち込まれたロッキーは、直前にロールケージなどラリー用の装備が付いたばかりで、走行するのは初めてという状態。そのため今回はタイム計測をするのではなく、車両の状況確認が主な目的となった。

 なお、ロッキーのクルーはダイハツ工業 コーポレート統括本部 DGR(TGR出向)兼 D-SPORT Racingチームの相原泰祐氏がドライバーで、コ・ドライバーは同じくダイハツ工業の萩野司氏が担当。2022年FIA世界ラリー選手権(WRC)第13戦となった「ラリージャパン」にコペンGRスポーツで参戦し、JRCar3クラス優勝という成績を収めた名コンビである。

中山サーキットに持ち込まれたロッキー。今回の走行はラリー本番を前に車両の状況確認が目的。ここで修正すべき点が出たら本番までに改善するというものだ
計測のために取り付けられた測定機材
通常であればナビゲーションが装着される部分にデータロガーをはめ込み、常に数値を確認できるようにしていた
スポーツ走行時の吸入空気温度を測定するため、エアインテークパイプには温度計を取り付けてあった
フロントブレーキの温度を測るためにブレーキパッドに穴を開けて温度センサーを取り付け。サーキットだから試せるもの
このブレーキの温度を測るための加工もダイハツ社内のお手製
ロッキーのドライバーを務める相原泰祐氏
ロッキーのコ・ドライバーの萩野司氏。中山サーキットではロッキーの状況を確認する技術者として同行していたので、レーシングスーツではなく仕事着を着用
中山サーキットにコースイン
ロッキーのサーキット走行シーンはこれまで見たことないもので貴重だ

 チーム代表の殿村氏に続き、走行を終えた相原氏にもこの取り組みについてのコメントを聞いた。相原氏は「ダイハツとしてはミラ イース、コペンでモータースポーツに参加していますが、それらに加えて新たに始めるのがロッキーでのTOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ参戦です。この活動は会社からのトップダウン指示ではなく、開発現場からの声を反映したものとなります。ロッキーを選んだ理由はユーザーの皆さまに愛されているクルマであることです。そしてSUVは世界的にスポーツカーとしての存在感も増していますので、そうした情勢にわれわれも参画するということも考えに入っています。今回のクルマはほぼノーマルで、サスペンションまわりも乗り心地重視の作りです。車高も全高も高いSUVなのでサーキット走行では苦戦すると思っていましたが、走った手応えは予想以上にいいものだったと感じました。とはいえやはりロールは大きく、サスペンションとボディをつなぐブッシュ類の柔らかさは気になるところでした。でも、そうした部分の洗い出しを含めての挑戦なので得るものは多かったと思います」と語った。

数周走っては戻って、データを確認することを繰り返す
サーキット走行で激しく作動するショックアブソーバーの温度も計測していた
本番でも使用するラリータイヤのアドバンA036を履いていた。長い時間の走行ではなかったが、横方向の高い負荷を支えていたタイヤサイドのゴムは溶けていた

TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge in 三好へ参戦

TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge in 三好に参戦した「D-SPORT ダイハツ ロッキー チーム」のロッキーとドライバーの相原氏、コ・ドライバーの荻野氏

 3月26日に徳島県三好市を舞台に開催されたTOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge in 三好。四国での開催は7年ぶりとなり、舞台となる三好市での開催はこれが初である。

 メイン会場は三好市を流れる吉野川沿いの三野健康防災公園で、セレモニアルスタートや観戦ができるSSが用意される。また、イベントステージ、フードコーナー、協賛各社のテントブースが並ぶTOYOTA GAZOO Racing PAPK(TGRP)も設けられた。

 ラリー全体図としては三好市三野体育館にラリーヘッドクォーターやエントラントのサービスパークが設けられ、SSとして三好市の山間部が使用される。なお、各会場間の移動には三好市内の一般道が使用されていて、沿道に集まったギャラリーは通過するラリーカーに向けて声援を送っていた。

SSが設定されたふれあい公園から三好市を見たところ。キレイでのどかな風景が広がる街だ
メイン会場は吉野川沿いの三野健康防災公園。ギャラリーの観戦とイベント広場を設置
イベント広場にはダイハツが1日1万3200円~の料金でレンタルする移動販売車の「Nibako(ニバコ)」を利用する出展者もいた。地元で取れたいちごを販売
ヘッドクォーターやエントラントのサービスパークは三好市三野体育館に置かれた

 2023年の開幕戦となったTOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge in 三好には47台のエントリーがあり、D-SPORT ダイハツ ロッキー チームのロッキーは「OPEN-C/E:GR YARIS限定(GXPA16)/全自動車メーカー車両(気筒容積区分無し)」というクラスでの出走となる。

 チームは前日から会場入りして参加受付、サービステントの設営を済ませる。その後は「レッキ」と呼ばれるSSの試走を行なう。ここではコ・ドライバーが道路の状況やカーブの特徴などを細かく記録し、本番走行中にその記録を読みあげることで、ドライバーは先が見えないカーブに対しても全力で攻められるようになる。ゆえにレッキはとても大切な作業である。なお、レッキは競技ではないのでヘルメットなどは不要だが、速度制限など道路交通法は遵守して行なっている。

ラリー本番前日にサービスパークへ到着
この日の予定はレッキと車検だが、レッキの前に急遽行なったのがルーフライニングを撤去する作業
相原氏の依頼による作業。ロッキーは車高が高くロールが大きいため、天井という高い位置を少しでも軽くして挙動変化を改善するのが目的
レッキへスタートするロッキー。ルーフライニング外しによる軽量化はわずかではあるが、挙動にはよい変化があったという
レッキが終わるとオフィシャルによる車検を済ませる
車検後はゼッケンが貼られる。ロッキーはOPEN-Eクラスの144番

 TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge in 三好でのSSは山間部(ターマック)を走るものが2ルート。グラベル区間は防災公園に用意された1ルートという3パターンのステージが用意される。そしてこれらのコースを午前と午後の両方で走るので、三好では計6回のSS走行をこなす必要がある。

 3月26日の日曜日、天気はあいにくの雨となったが、エントラントはサービスパークを出て山間部のSS1(ふれあい公園I)へとクルマをスタートさせていく。SS1は曲がりくねった山道を駆け上がる約2kmのコース。SS1の走行後は山道を下り、一般道を移動し、セレモニアルスタートとSS2がある防災公園へ向かう。セレモニアルスタートはエントラントにとって大きな見せ場。大勢のギャラリーに向けてエントラントの紹介が行なわれたあと、ゆっくりとスタートゲートをくぐってSS2(防災公園I)のスタート地点へ移動。そしてグラベルを全力で走り、SS3(明神I)へ向かうという行程となる。

ラリー当日はダイハツ工業株式会社 取締役 営業CS本部長 武田裕介氏(右)など、多くの人が応援のためチームのテントを訪れた
ラリースタート前に三好市三野体育館で行なわれた開会式には三好市長の高井美穂氏も登壇。開催への喜び、関係者への感謝を述べると同時に、三好市は四国最大の面積を誇る市であること、吉野川、剣山、平家落人伝説が残る祖谷のかずら橋といった観光資源などを紹介した
4月1日よりトヨタ自動車の社長となる佐藤恒治氏も登壇。佐藤氏はイベント広場であるTGRPにも足を運んだ。握手やサイン、記念撮影を求める観客の行列ができており、佐藤氏はていねいに対応していた
徳島トヨタ自動車株式会社 代表取締役 高瀬謙一氏。高瀬氏は三好でのラリチャレ開催を喜ぶコメントに加え、雨模様について「雨の開催もラリーの醍醐味だと思います。がんばってください」と語り、エントラントにエールを送った
三好出身の武将、三好長慶の勇姿を再現する「三好長慶武者行列まつり」は三好市の名物。衣装を着た市民の方々が、タイムコントロールからのスタート時に出陣をイメージした応援を行なった

 ロッキーの出走順は全47台中の44番手なので最後の方。ほとんどのクルマが出発して閑散としたサービスパークを赤いカラーのロッキーが進み、スタート地点となる「タイムコントロール」へ向かう。タイムコントロールでは出走時間まで少し待機。時間が来たらタイムカードにスタート時間を記録してもらい、コ・ドライバーがそれを受け取ってスタート。SS1のスタート地点まではリエゾンと呼ばれる一般道走行なので、ロッキーはゆっくりと山道を上がっていった。

 SS1はきついカーブが連続する峠道を駆け上がるコースだ。そうなるとロール量が多いノーマル車では厳しい面もあるというのが大方の予想だったが、結果はなんとSS1クラストップ、総合32位のタイムで通過。これは驚きであった。

 続けて、防災公園に設けられたセレモニアルスタートの場に現れたロッキー。スタート前の車両紹介ではそれまでゲートを通過したラリーカーとは違う車種ゆえ、MCのコメントも盛り上がり、ギャラリーの注目度も高いように感じられた。

 セレモニアルスタート後はすぐにSS2のスタートだ。防災公園のコースは短いながら全区間グラベルで4WDのロッキーは強みが見せられるところだ。その期待どおりSS2もクラストップのタイムをマーク。総合でも1つ順位を上げていった。

「TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge 2023 in三好」D-SPORT ダイハツ ロッキースタートシーン
SS1をクラストップのタイムでクリアしたロッキー。防災公園へ移動してセレモニアルスタートを行なった
セレモニアルスタート後はそのままSS2へ
降雨のためぬかるんだ路面だったが、4WDのロッキーは車速の伸びもよく、ここでもクラストップのタイムをマーク
約400mと短いSSだっただけにちょっとしたロスが順位に大きく響く。ロッキーの素性のよさと相原氏のドライブの正確さが光った場面
TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge in 三好は午前と午後に同じSSを走る設定。これは午後に設定されたSS4(ふれあい公園II)へ向かうロッキーの姿
SS4(ふれあい公園II)もトップタイムを記録。SS5(防災公園II)へのリエゾン中
SS5(防災公園II)からSS6(明神II)へ向かうため三好市内を走るロッキー。SS5ではクラス1位、SS6ではクラス2位のタイムを記録
D-SPORT ChallengeコペンチームもコペンGRスポーツでE-3クラスから参戦。ドライバーは殿村氏、コ・ドライバーはTV番組でアナウンサーをしている上原あずみさん
SS5(防災公園II)へ向かうコペンGRスポーツ
沿道には応援の旗を振るギャラリーの姿をよく見かけた。そんな応援に対してクルーも手を振り返す。コペンGRスポーツの助手席からも上原さんが手を振っていた
すべての走行を終えて最後のタイムコントロールに戻ってきたロッキー
走行後はパルクフェルメと呼ばれる車両保管場にクルマをとめる
ロッキーはクラス1位となったが、OPEN-C/EクラスはTOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジでは賞典外なので表彰はない。だが、公式リザルトにはっきり順位が残るのだ
E-3クラスに参加した殿村/上原組のコペンGRスポーツはクラス4位となった

TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge in 三好を走り終えて、ロッキーの現在地は?

 ロッキーというクルマにとって初めてのモータースポーツ参加となったTOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge in 三好。賞典外ながらクラストップの成績を残した。

 しかし、目的はいい順位を得ることではなく、モータースポーツへの参戦を通じてDNGA、そしてロッキーというクルマを鍛え上げることである。そこで走行を終えた相原氏に感想や課題などを伺ってみた。

 相原氏は「ラリーをノーマル車で走るということも初めてのことでした。そしてロッキー自体もモータースポーツで使うようには作っていません。その状態のクルマをラリーのフィールドで限界走行させるとどうなるのか? そんなことを確認するための走行でしたが、理由は殿村も言っていたように“DNGAを鍛える”ためのものです。つまりラリチャレへの参戦は耐久性促進試験だとも言えます。お客さまに10万km乗っていただいたときに出るかもしれない不具合が、ラリーというハードな環境下ではもっと短い時間、例えば1戦の走行で同じような不具合を出すことも可能です。本来だったらクルマの開発が終わって何年も経ってから見えるはずの不具合が早く見られることは、技術者にとってとても有意義です。早い段階で問題点が分かれば改善の速度を大幅に速めて“もっといいクルマ作り”ができることにつながります」と語った。

 この日の走行に関しては「シェイクダウンはドライ路面でしたが、今回は路面グリップが低く、スピードも上がらないウエットコンディションです。そのためクルマへの入力(負荷)は少なかったと思いますので、課題として見えた部分もあれば、見えきっていないところもありました。でも、ラリチャレへの参加を続けていけば色んな部分が見えてくるでしょう。今回の参戦で得られたことで最も大きいものを挙げるとすると、モータースポーツの舞台にノーマル車で参戦し、トラブルなく走り切れたこと、そしてDNGAのよさが改めて確認できたことですね。これは大きな収穫であり、とてもうれしく思っています。次回の第2戦の舞台は長野県の山の中になります。こちらでは長い距離のグラベルSSが設定されるので今回より条件はハードです。そのためロッキーにどんなことが起こるか分かりません。でも、それもまたDNGAを進化させることにつながるので楽しみでもあります」と答えてくれた。

 ダイハツによるモータースポーツ活動は他のメーカーとは視点が違うところがあるが、そこが最大の魅力。TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジへの参戦をはじめ、今後のダイハツの取り組みに注目したい。

最大の目的である「DNGAを鍛える」ということを表すカットがこちら。他のエントラントが片付けをしているなか、チームスタッフはセンサーのデータ収集や車両状態のチェックを行なっていた