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写真で見る レクサス「LC500」「LC500h」
2017年3月16日 13:30
レクサス(トヨタ自動車)「LC」は、同社のフラグシップとなる新型ラグジュアリークーペ。もともとショー向けのデザインスタディモデルだった「LF-LC」が市場に好意的に受け止められたことから、量産化への取り組みを開始。新世代のFR向け「GA-Lプラットフォーム」をベースに、LF-LCのイメージをモチーフとしたエクステリアを組み合わせ、レクサスらしい走りと独創的なデザインを両立している。車名のアタマに付く「LC」は「Luxury Coupe」であると同時に、「Lexus Challenge」でもあるという。
クーペらしいフォルムのボディは4770×1920×1345mm(全長×全幅×全高)とワイド&ローを体現。エンジンなどの重量物を車両中心近くに配置するフロントミッドシップレイアウトを採用するとともに、高張力鋼板をはじめCFRP(炭素繊維強化プラスチック)やアルミ部材などを積極的に採用。剛性を確保するとともに、ガソリンエンジン車では2000kgを切る車両重量を実現している。
こうしたボディを支えるサスペンションは前後とも新設計。フロントは上下4本のアームを持つ構造としたハイマウントマルチリンクサスペンション、リアもマルチリンクサスペンションを採用する。タイヤは20インチと21インチが設定され、どちらもランフラットタイプとなっている。
LCのモデルラインアップは2タイプ。これは2種類用意されたパワーユニットの違いによるもので、ガソリンエンジン車は「LC500」、ハイブリッド車は「LC500h」となる。
まず、ガソリンエンジンはV型8気筒DOHC 5.0リッター「2UR-GSE」ユニットを搭載。最高出力は351kW(477PS)/7100rpm、最大トルクは540Nm(55.1kgm)/4800rpmと、数字上でも間違いなくハイパフォーマンスだが、加えてチタン製吸排気バルブや鍛造クランクシャフトなどによる軽量化で、レスポンスや伸びといったフィーリング面にも配慮されている。組み合わされるトランスミッションは、レクサス初となる10速AT。高応答かつ高精度なクラッチ圧の制御とパワートレーンを統合制御することにより、Mモードでは約0.1秒の変速時間を実現している。JC08モード燃費は7.8km/L。
ハイブリッド車が積むガソリンエンジンはV型6気筒DOHC 3.5リッター「8GR-FXS」ユニット。従来のGR系ユニットをベースとしながらも、ピストンの軽量化などLC500h用に専用チューニング。最高出力220kW(299PS)/6600rpm、最大トルク356Nm(36.3kgm)/5100rpmと、出力向上とともに高回転化を果たしているのが特長。モーターはリチウムイオン電池により最高出力132kW(180PS)、最大トルク300Nm(30.6kgm)を発生する「2NM」。システム全体では最高出力264kW(359PS)を発生する。
この両者を結びつけているのが、世界初となる「マルチステージハイブリッドシステム」。レクサスがこれまで採用していたハイブリッドシステムはCVTとの組み合わせとなっていたが、このシステムでは有段ギヤの自動変速機構に変更。エンジンの使用領域を低速域、高速域の両面に拡大することにより、これまでのハイブリッド車とは異なるダイナミックな走りを可能にしている。燃費面にもその効果が現れており、大型のハイパフォーマンスカーながら、JC08モード燃費はなんと15.8km/Lを達成している。
バリエーションはLC500、LC500hともにベースグレードと“L package”“S package”の3タイプ。“L package”はガラスパノラマルーフやセミアニリン本革シートなどが標準装備となるラグジュアリーグレード、“S package”はトルセンLSDに「LDH(レクサス・ダイナミック・ハンドリングシステム)」を組み合わせコーナリング性能を向上するなどスポーツ色を強めたグレードとなる。
ボディカラーはホワイト、シルバーなど無彩色系が6色、レッドなどが5色の計11色が用意される。
価格はLC500が1300万円~1400万円、LC5000hが1350万円~1450万円。