トピック

「34号車 Modulo KENWOOD NSX GT3」応援レポート。第3戦 鈴鹿は初の予選Q1突破で勢いをつけるがトラブルに見舞われた不運なレース

Round3 SUZUKA GT300km RACE

2018年5月19日~20日 開催

前戦の8位入賞で6kgのウェイトハンデを積んで第3戦の鈴鹿 GT 300kmレースを戦う34号車

 SUPER GTのGT300クラスに参戦する「Modulo Drago CORSE」の密着レポートも早くも3回目。今回は第3戦の鈴鹿 GT 300kmレースを、「予選」「ホンダブース」「決勝」「決勝後のブース会見」についてお伝えする。

 Modulo Drago CORSEはレーシングドライバーの道上龍選手とホンダ車の純正アクセサリーを開発、販売するホンダアクセスがパートナーシップを組むチームで、マシンは話題のNSX GT3を使用。ゼッケンは34番を付ける。

 ドライバーはチーム代表でもある道上選手と期待の若手である大津弘樹選手のペア。第2戦では8位入賞で6ポイントを得ているので、第3戦 鈴鹿からは6kgのウェイトハンデを積んだ状態でレースを戦うことになる。

鈴鹿のピットの模様。第2戦でポイントをゲットしているので、鈴鹿では6kgのウェイトを積む。チームのファンから写真の差し入れもあった

5月19日予選:レースで使うタイヤを何にするか? ここから戦いは始まっている

 今シーズンのSUPER GTは、第1戦の岡山では低気温&雪、第2戦の富士では雨&濃霧と予選日の天候が荒れる展開が続いたが、ここ鈴鹿でもその流れは継続。朝から強風が吹き荒れるという状況で、GT500クラスの公式練習走行では風の影響を受けてスピンをするクルマが続出した。

 そんな状況のなか、34号車はまずは道上選手のドライブでピットアウト。ここでは事前テストの結果を踏まえたセットアップ変更の結果と、鈴鹿に持ち込んだ2種類のタイヤのマッチングのチェックなどを行なった。

34号車は横浜ゴムのタイヤを使用する。鈴鹿には「ミディアム」と「ミディアムハード」というコンパウンドが異なる2種類のタイヤを持ち込んだので、公式練習ではこれらのタイヤのテストを行なった

 SUPER GTではレースごとに持ち込めるタイヤの本数が24本、つまり6セットのみと決められている。そのためチームは事前テスト結果やレースデータなどからレースで使うタイヤの種類を決め、それを大会事務局に登録している。

 さて、34号車だが、6セットのうち4セットを「ミディアム」で登録。そして2セットをコンパウンドが若干硬めな「ミディアムハード」としたのだが、土曜日の午前中にある練習走行で両方のタイヤを試してみると、この日のコンディションではミディアムハードのほうがマッチングがよかったのである。

 これはチームにとって誤算。ミディアムハードは2セットしかなく、練習ですでに1セット使っているので残りは1セットだ。

 そこで、予選1回目のQ1(大津選手担当)では練習で使ったミディアムハードを使ってとにかくQ1突破を狙い、Q2(道上選手担当)に進出できたらミディアムハードはユーズド、新品ともに温存。あえてミディアムを使うという作戦が立てられた。

 結果は大津選手が7位のタイムでQ1を突破。チームとしてはこれが初のQ1突破となった。しかし、Q2は道上選手のドライブながらタイムを更新できず、決勝は10位グリッドからのスタートになった。とはいえ、岡山では12位、富士では11位、そして鈴鹿の10位と着実にスタートグリッドが上がっており、「上向きの流れ」が途切れず続いていることを感じる。

大津選手がQ1をドライブ。走行前の大津選手からは緊張感も伝わっていたが、初のQ1突破の期待をネタに冷やかされるシーンでは笑顔も
大津選手の頑張りでチーム初の予選Q1突破を果たす。楽観できる状態ではないが、クルマの仕上がりも若手の成長も着実に進んでいるので雰囲気は明るい
Q2は道上選手が担当。タイヤはミディアムに変更している。結果は10位のグリッドとなった
34号車予選結果

Q1アタックドライバー:大津弘樹選手
Q1タイム:1分57秒367
Q2アタックドライバー:道上龍選手
Q2タイム:1分57秒494
予選順位:10位

 では、予選後に行なわれたチーム会見の模様を紹介しよう。

第3戦の予選終了後に行なわれたチーム会見

大津選手:Q1では道上さんがチョイスしたミディアムハードのタイヤを使用しました。自分としてはハード目のタイヤで本当にグリップ感があるのか不安もありましたが、走ってみるとすごいグリップ感がありました。その結果、公式練習と比べてタイムも大幅にアップし、7位という成績でQ1を突破することができました。今回のQ1ではタイヤの選択が一番のキモでした。

道上選手:ミディアムコンパウンドのタイヤを多めに持ってきたのですが、走ってみるとミディアムハードのほうがフィーリングがいいということになりました。このタイヤは2セットしか持ってきていませんので、ボクが担当するQ2はミディアムを使うことになりました。そのため、他のチームがタイムを伸ばすなかで付いていけない状態でした。決勝に向けて気になることは、Q1とQ2で違うタイヤを使っているので、大会事務局がどちらをスタートタイヤに指定するかです。ミディアムハードが選ばれてほしいですね。

チョン監督:事前テストで問題になった点を修正してきました。方向性としてはよくなっています。先ほどからタイヤの話が出ていますが、他のコースと比べると鈴鹿は路面のμも低いので、タイヤはミディアムコンパウンドがいいだろうと判断しました。また、週末はそれほど気温も上がらない予報だったので持ちもいいのでは考えましたが、それらの読みは外れてしまいました。明日のタイヤがどちらになるかの結果を待ってセットアップを行なう予定です。ただ、サーキットサファリのときに燃料を満タンにして本番を想定した走行もしましたが、ミディアムでは車重が重いときのタレも早かったので、ミディアムが選択された場合はピット作業を含めた作戦変更が必要になります。

会見で道上選手が大いに気にしていたスタートタイヤの抽選は、調子がよかったミディアムハードが選ばれた。順調とは言えないが、運は途切れていない34号車だ
予選後もメカニックは決勝のためにセットアップ変更を行なう。本番に期待したい

SUPER GTの観戦に行ったらぜひ寄りたいホンダブース

 鈴鹿サーキットのGPスクエア(イベント広場)にはホンダブースが設けられていた。ブースでは車両の展示やグッズ販売の他に、特設ステージを使って色々なテーマ、登壇者によるトークショーが開催された。その中から34号車に関係するステージの模様を紹介しよう。

グランドスタンド裏のGPSスクエアにあるホンダブース。ホンダアクセスも車両展示と物販を行なう
5月24日に「7月6日発売」が発表された「S660 Modulo X」のコンセプトモデル「S660 Modulo X Concept」
2017年12月に発売された「フリード Modulo X」
ModuloのカラーリングがほどこされたこのNSXはナンバー付き車両。ホイールにModuloの「MR-R03」を装着。このクルマも運転席の乗り込み体験が可能
NSX GT3も車両展示。こちらは展示のみの対応
物販コーナー。ホンダアクセスのマスコットキャラ「くるタム」のぬいぐるみを購入した人には、サーキットごとの「ご当地くるタム」が描かれた特製トートバッグを数量限定でプレゼント。Moduloスマイルの水村リアさんが持つ鈴鹿仕様のトートバッグには、鹿の角を付けた「すずタム」が描かれている

 土曜日のSUPER GT公式練習後に行なわれるのが「Modulo Xトークショー」だ。登壇者はModulo開発アドバイザーの土屋圭市氏とホンダアクセス Modulo開発責任者の福田正剛氏。内容はステップワゴンやフリードで好評を得ているModulo Xシリーズの開発にまつわる話が中心。今回は「ステップワゴン Modulo X」「フリード Modulo X」の乗り味のよさを詰めていくことについてのトークだった。また、レース開催時点では発売日が未発表だった「S660 Modulo X」のことも少し触れていた。

Modulo開発アドバイザーの土屋圭市氏(右)とホンダアクセス Modulo開発責任者の福田正剛氏(中央)によるModulo Xトークショー。司会は水村リアさん(左)
Modulo開発アドバイザーの土屋圭市氏。Modulo Xの開発ではクルマの完成度を左右する最終段階で的確なアドバイスをしている
ホンダアクセスの福田正剛氏。ディーラー装着用のModuloパーツとコンプリートカー販売のModulo Xのどちらも福田氏が開発の責任者となっている
Modulo関係のステージは土曜日だけで3回あり、どれも人気
34号車だけではなく「GT300クラス全体の応援」が目的の「GT300を盛り上げよう!!」。今回はモータージャーナリストの山田弘樹氏とベストカー編集部の佐々木美佳氏が登壇。レースを見る際に知っておきたい基礎知識などが解説された
こちらは大人気の「Moduloスマイルonステージ」。当日はかなり風が強かったので、全員が髪の毛を抑えながらのトーク。これはこれで貴重なシャッターチャンス!?
株式会社ホンダアクセス:SUPER GT「GT300を盛り上げよう」トークショー in 鈴鹿(16分19秒)
34号車を応援するModuloスマイルとModuloプリティの紹介をしよう。彼女たちは全員、ツイッターを利用して活動の報告を行なっている。SUPER GTの開催中も情報や状況をたくさんアップしているので、ぜひ全員をフォローしてほしい
Moduloスマイルの安藤麻貴さん。ツイッターはhttps://twitter.com/hello_makitty_3
Moduloプリティのはるまさん。ツイッターはhttps://twitter.com/XxHlm
Moduloプリティの生田ちむさん。ツイッターはhttps://twitter.com/1224chimu
Moduloスマイルの水村リアさん。ホンダブースのステージではMCも担当する。ツイッターはhttps://twitter.com/xxleah0316xx
34号車にはもうひと組、KENWOODレディが華を添えている。こちらもツイッターのフォロー、そしてサーキットでの応援をよろしく
KENWOODレディの前田真実果さん。ツイッターはhttps://twitter.com/mamilium
KENWOODレディの石橋あこさん。ツイッターはhttps://twitter.com/acococo120

チームを支えるスタッフに聞く。「レースメカニックのやりがい」とは

34号車のチーフメカニックを務める新保貴章氏

 このレポートでは34号車を支えるチームスタッフにスポットを当ててその仕事を紹介している。ということで、前回のチョン監督に続いて紹介するのは、34号車のチーフメカニックを務める新保貴章氏。

 この新保氏はSUPER GT、スーパーフォーミュラを中心に、レースの世界で13年のキャリアを持つメカニックだ。

 そんな新保氏に、まず「レースメカニックのやりがい」を伺ってみた。それに対して新保氏は「やりがいは色々あります。例えば自分が手がけたクルマが結果を出してくれれば、自分の仕事が役に立ったと思えるので、そこにもやりがいを感じます」とのこと。また「道上さんと大津さんは、われわれがやったことに対して『これはいいね』とか『全然ダメ』ときちんと言ってくれるのでとても励みになります」と言う。

 次にNSX GT3の感想だが「新しいクルマだけに、分からないところがあっても誰にも聞けません。でも、そこを自分の力で乗り越えていくことはとても楽しいです。規定が厳しいGT3といっても触れるところは少なからずあるので、その部分をこれまでの経験と技術を生かして突き詰めていくことにも面白さを感じます。実際、徐々にですが、第1戦以降はクルマがよくなってきているのでモチベーションが上がっています」ということだ。

 最後に今回のレースに向けて行なった変更点を伺ってみたところ、「実は前回までは納車時から大きく変えない状態でレースをしていましたが、今回はNSX GT3の特徴であるMRという特性をより生かせるよう、前後の重量配分を変える作業をレギュレーションで許可されている範囲で施してきています」とのこと。

 メカニックの働きはピットインのわずかな時間でしか見ることができないが、次にレースを見るときは、ピットインのタイミングでメカニックさんたちの動きにも注目していただきたい。ちなみに新保さんは右リアタイヤの交換を担当している。

5月20日決勝:観覧をお勧めしたい「Modulo Drago CORSEトークショー」

今回の「Modulo Drago CORSEトークショー」のゲストは、2号車 シンティアム・アップル・ロータスの高橋一穂選手と加藤寛規選手

 さて、決勝日となる日曜日だが、サーキットに到着した朝一番は、コース上ではなくホンダブースのステージで開催される「Modulo Drago CORSEトークショー」から見ていただきたい。

株式会社ホンダアクセス:SUPER GT Modulo Drago CORSEトークショー in 鈴鹿(18分31秒)

 このトークショーには道上選手と大津選手のほかに他チームのドライバーがゲストとして登場するのだが、GT300クラスのドライバーに関してはメディアを通じた発言は聞いたことあっても、その人なりの言葉を聞く機会があまりなかったりする。そのため、ドライバーの顔と名前は知っていても「どんな感じの人なのか?」がいまひとつ分からない。

 でも、このステージではチームやクルマの状況、そして自身のドライブなどについて自分の言葉で語ってくれるので、それを通して人柄や魅力が見えてくる。気になるドライバーが増えればレースがより面白くなるはずだ。

高橋一穂選手。水村さんから「2号車の走りで『ここを見てほしい』というところはありますか?」という質問に「いや~、ボクのときは見なくてもいいです」と発言し、会場の笑いを誘っていた
加藤寛規選手。2号車は34号車と比べて150kgほど軽いので、そこが強味とのこと。「コーナーは速いですが逆バンクは苦手です」という自虐的なトーク(予選でコースアウトし、赤旗の原因になった)も織り交ぜていた
決勝日にも「GT300を盛り上げよう!!」のステージが開催。この回ではHonda Styleの佐橋健太郎氏と、Car Watchでもおなじみのカメラマン 奥川浩彦氏が登壇
Honda Styleの佐橋健太郎氏。NSXのファンであり、新型NSXやNSX GT3がアメリカで発表されたときも現地まで取材に行ったエピソードなどを語った
カメラマンの奥川浩彦氏。被写体としてのGT300クラスの魅力を語るカメラマン目線トークは、ステージ前の集まったカメラ好きから共感を得ていた
株式会社ホンダアクセス:SUPER GT「GT300を盛り上げよう」トークショー(2日目)in 鈴鹿(12分33秒)
Moduloスマイルonステージのあと、Moduloグッズ購入者を対象としたサイン会が開催されている
ホンダブースのステージが終わると今度はピットウォークの時間
34号車のピット前ではこれらのグッズが配布された
ピットウォークではドライバーのサイン会も開催。2名のドライバーが揃うタイミングはレースごとに違うので、道上選手と大津選手のサインがほしい人はピット前で待機しておこう

燃費差を補う起死回生のタイヤ無交換作戦! ライバル勢と異なる戦略で臨んだレースの結果は!?

掲示システムのトラブルで決勝前のフリー走行がスタートできない状況になった
約1時間後にシステムが復旧。道上選手がセットアップを確認するためピットアウトする
続いて大津選手がドライブ。走行後はドライバー2人で話し合っていた
グリッド上は風は少し強いが過ごしやすい気温
タイヤに「A」のマーキングが見える。Aは予選Q1で使ったミディアムハードのタイヤだ

 前回の富士スピードウェイでは大津選手がスタートドライバーを務めたが、今回は道上選手が最初に乗る。タイヤは予選で使ったミディアムハードなので、いいレースペースが期待できる。

 そしてスタート。34号車は11位のポジションで周回を重ねるが、実はNSX GT3はライバル車と比べて燃費がよくないことから、序盤は多少ペースを抑える走りをしていたようだ。

 その後、13周目には39号車のクラッシュによりセーフティカーが出る展開になった。このタイミングで燃料補給とタイヤ交換のため早めのピットインをするチームも出たが、34号車はピットインせずにそのまま走り続けた。

 28周目という長い周回まで引っ張ったあと、39号車はようやくピットインしてドライバーが大津選手に変わる。ピットにはラスト1セットのミディアムハードのタイヤが用意されていたが、チームが取った作戦はなんと4本ともタイヤ無交換。燃料補給のみを行なって34号車はピットアウトしていった。

アクシデントもなく順調にラップを重ねていく。セーフティカー導入時には11位を走行
他のチームが次々とピットインしていくなか、34号車は走り続ける。20周を過ぎたころ、ようやく大津選手が準備を始めた
長い周回を引っ張ってやっとピットイン。当初、ピットには4本の交換用タイヤが用意されていたが、ピットロードには2本のみが持ち込まれた。この時点で「リア2本の交換か?」と思ったが、なんと無交換でそのままピットアウト

 このレースは300kmなので、すでに半分以上は消化済み。あとは大津選手の攻めで順位を上げていくだけ……。のはずだったが、ピットアウトして数周目にピット内に置かれた無線機から「ヤバイ、ヤバイ!」という大津選手の叫び声が聞こえてきた。

 原因はタイヤのトラブルだった。発生したのがデグナーカーブだったので、そこからは慎重に走ってそのままピットイン。タイヤ交換を行なったが、300kmのレースで2度のピットインではもう勝負権はない。27位まで順位を下げ、最後は26位でゴール。完走はできたが、監督、道上選手とも早々にミーティングルームがあるトレーラーに移動。ピットに戻ってきた大津選手の顔も険しかった。

なんと左リアタイヤにトラブルが発生して緊急ピットイン。タイヤ交換を行なってピットアウトしていったが、順位を大きく落とすことに
ピットへ戻ってきたばかりの大津選手。表情は固い

 ということで第3戦の鈴鹿は、予選では初めてQ2に進出するいい面もあったが、決勝は非常に残念な結果に終わってしまった。次戦は6月30日~7月1日にタイのチャン・インターナショナル・サーキットで開催される第4戦「Chang SUPER GT RACE」だ。海外のSUPER GTファンの前で34号車がどんな走りを見せてくれるのか、開催を楽しみに待ちたい。

決勝レース終了後のチーム会見:「燃費とタイヤ無交換の関係とは?」

決勝後に行なわれたチームの会見
道上選手

道上選手:燃費が厳しいクルマなので、後半の追い上げのために最初のスティントはできるだけ引っ張る作戦でした。ところが途中でセーフティカーが入り、そのタイミングでいくつかのチームはピットに入りました。自分たちも入りたいところですが、現状の燃費性能だとあのタイミングで満タンにしても最後まで走りきれないので……。そのへんの戦略的な幅が足りない状態です。

タイヤ無交換作戦は燃費のわるさを補うためと、今後に向けたデータ取りが目的でした。ところが自分のときは問題はなかったんですが、大津に交代した直後にトレッドが剥がれるというトラブルが出てしまいました。原因はまだ不明です。今回、タイヤ無交換を実行したチームはありましたが、後半はかなりきつそうだったので、タイヤにトラブルが出なかったとしても交換する作戦のほうがよかったのかとも思います。また、タイヤ無交換作戦だったとはいえ、ボクのペースがもうちょっと速ければとも思っています。

大津選手

大津選手:ピットアウトしたときは燃料が満タンということで、ちょっとオーバーステアが強い印象でした。アウトラップでは後ろからプリウスが来ていたので、ここは順位を守りたいなと思いましたが、ペースを上げすぎると残り周回が厳しくなるので、どうしようかと考えていたらデグナーで唐突にリアが流れてスピンしかけました。その後はストレートでも真っ直ぐ走らない状態になり、そのままピットに入りました。タイヤを交換してからのペースはいいとは言えませんが、ドンドン前に追いついていったので、リア2輪交換をした結果は今後に生きるデータになったと思います。

現在、クルマが抱えている問題はコーナー進入のオーバーステアです。これがあるとどうしても攻めきれません。そこを改善できれば自分たちの走りの幅も広がるので、この部分の対策が一番ほしいところです。

チョン監督

チョン監督:前回の富士スピードウェイでのタイヤの状況から、300kmならタイヤ無交換でも持ちそうだったので今回は無交換の作戦でしたが、原因が何かは不明ですが想定外のトラブルがタイヤに出てしまいました。

燃費に関しては、鈴鹿サーキットがとくに燃費で厳しいということではなく、どのサーキットでも一緒です。また、ウチのクルマがとくにわるいということではないようで、同じNSX GT3を使う777号車を見てもほかの車種と比べて早めにピットに入っています。この燃費の面を救済するため給油装置にもBOPがあり、NSX GT3は岡山のときよりホース内径が大きくなっています。そのため燃料を送れる量が増えて給油時間は短縮できるのですが、燃費がよくない点をカバーできるほどのものではありません。燃費については今後の課題でもあります。

2018 AUTOBACS SUPER GT Round3 SUZUKA GT 300km Fan Festival 34号車決勝データ

ベストラップ:2'02.134
周回数:47Lap
順位:26位
スタートドライバー:道上龍選手
セカンドドライバー:大津弘樹選手