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「34号車 Modulo KENWOOD NSX GT3」応援レポート。開幕戦 岡山
Round1 OKAYAMA GT300km RACE
- 提供:
- 株式会社ホンダアクセス
2018年5月2日 00:00
- 2018年4月7日~8日 開催
いよいよ開幕した2018年のSUPER GT。Car Watchでは例年どおり毎戦のレポートを掲載していくが、今シーズンはそれに加えてGT300クラスに初参戦する注目のチーム「Modulo Drago CORSE」に密着したスペシャルレポートを掲載していく。予選、決勝の結果はもちろん、ピット裏側の模様やチーム関係者へのインタビューなど、レースの人間模様についてもお届けできればと思う。
また、Modulo Drago CORSEのパートナーであるホンダアクセスは、ファンが集まるHondaブース内でドライバートークショーやModuloスマイル&Moduloプリティのステージも開催しているので、その模様も紹介していこう。レースだけじゃないSUPER GTの見どころを堪能していただきたい。
「34号車 Modulo KENWOOD NSX GT3」応援レポート 記事一覧
2018年の注目チーム34号車「Modulo Drago CORSE」
Modulo Drago CORSEはレーシングドライバーの道上龍選手が率いるチーム。ホンダ車の純正アクセサリーを開発、販売するホンダアクセスとパートナーシップを組んで2018年からSUPER GTへ参戦する。
チーム代表である道上選手は2013年以来のドライバーとしてのSUPER GT復帰となる。しかもキャリア初のGT300クラスへの参戦は、シーズン前の大きなニュースとなった。
道上選手とペアを組むのは大津弘樹選手。2017年の全日本F3選手権に参戦。表彰台の常連であり優勝も1回経験。そしてシリーズランキング5位という好成績を残している。なお、大津選手は鈴鹿サーキットレーシングスクール出身だが、当時の講師が道上選手だったので、Modulo Drago CORSEでは師弟コンビとなる。
そしてチーム監督を務めるのはチョン・ヨンフン氏。SUPER GTをはじめさまざまなレースで活動してきた経歴を持つエンジニアで、今回、マシンのメンテナンスやピット作業を担当する「4 MINUTES」の代表でもある。
Modulo Drago CORSEが使用するマシンは大注目の「NSX GT3」
使用するマシンは今シーズン大注目の「NSX GT3」。FIA-GT3カテゴリーを戦うために製作されたレース専用車で、車両開発は本田技術研究所と欧州におけるホンダ ツーリングカーレースのパートナーであるJ.A.S Motersportが行なっている。製造はNSXと同じアメリカ・オハイオ州で実施。ちなみに、車両価格はおそよ46万5000ユーロとのこと。
SUPER GTでのFIA-GT3車両は最初に付いているパーツ以外の銘柄は使用できない規定だが、ホイールは選ぶことができる。
そこでModulo Drago CORSEでは、ホンダアクセス製の「Moduloレーシングホイール」を装着する。ホイールのデザインは刀剣をモチーフとした8本スポークからなるもので、市販NSX用に発売されているホンダアクセス製「MR-R03」とイメージを共通化。
また、レーシングカーといえばボディのカラーリングも見どころの1つだが、これはホンダアクセスのデザイナーが担当。カラーはマットブラックをベースとしてオレンジにも見える蛍光レッド、そしてホワイトを組み合わせている。NSX独特のボディラインを生かしたデザインに加えてメリハリの効いた色分けなので、多くのマシンが同時に走るシーンでも存在感があるはずだ。
そしてゼッケンは34番。エントリー車両名は「Modulo KENWOOD NSX GT3」というが、レースファンはエントリー車両を車名ではなくゼッケンで呼ぶことが多く、記事でもゼッケンでの表記が基本だ。そこで以降「Modulo KENWOOD NSX GT3」のことは「34号車」と書くので、この番号をぜひ覚えていただきたい。
メカニックの仕事場、ピットガレージを紹介
続いてはピットまわりの紹介。SUPER GTではチームごとに専用のピットガレージ(以下ピット)とその裏側のパドックにスペースが用意される。サーキットごとにピットの広さが異なるが、第1戦の岡山国際サーキットのピットは狭いほうだと言う。
ピットは内部をパーティションで区切ってあり、ピットロードに面したスペースは車両の整備や修理をする区画。奥にはヘルメットなどレーシングギアが置いてあるドライバーの待機場所と、エンジニアやメカニックが使用するテーブルスペースがある。
ピット裏には追加の作業スペースとして使えるテントが立てられていた。今回のレースではタイヤに加え、練習走行や予選で入れるガソリン携行缶と計量器などが置かれていた。広さもあるのでタイヤのエアチェックや走行後のホイール清掃などを行なうスペースにもなっていた。
作業スペーステントの後方はパドックの通路で、渡るとパーツや工具、そしてミーティングなども可能なスペースを持つチームのトレーラーが止めてあり、その横にゲストのホスピタリティがある。
コース上だけではない「Modulo」の見どころ
今回のOKAYAMA GT300km RACEは、金曜日にエントラントの受け付けと公式車検などがあり、土曜日に公式練習と予選。日曜日に82ラップで行なわれる決勝というスケジュールだ。
取材班は土曜日の朝にサーキット入りし、早速、Modulo Drago CORSEのピットへ向かうとちょうど公式練習の真っ最中だったが、シーズン前に行なわれた公式テスト(レポートはこちら)でも調子がよかったためか、予定を淡々とこなしている印象だった。
ちなみに土曜日の早朝は、ピット内で行なわれるSUPER GT公開車検をピットロードから見学できる「オープンピット」というイベントが開催されている。パドックパスを取得すれば見ることができ、土曜日の朝だけに空いているので、サーキットに行ったときはこのイベントにも参加して34号車を間近で見てほしい。
取材班はパドックからグランドスタンド裏の出展エリアにあるHondaブースに移動。ここにはNSX GT3、ModuloデモカーのNSX、そしてフリード Modulo Xが展示されていて、デモカーのNSXとフリード Modulo Xは乗りこむことも可能だったので、土曜日から多くのファンが集まり、乗りこんだ姿を記念撮影するなどの光景が見られた。
ブースの中央にはステージが設けられていて、土曜日、日曜日ともドライバーや関係者によるトークイベントなどを開催。34号車関連のステージも多く、土曜日はModulo、及びModulo Xをテーマとした「Modulo Xトークショー」と、34号車に華を添えるModuloスマイル、Moduloプリティ、そしてKENWOODレディが勢揃いする「Moduloスマイル on ステージ」が開催された。
予選日、決勝日とも、コースでは大人気イベントのピットウォークが開催される。Modulo Drago CORSEは初参戦ながら、期待のルーキーである大津選手と圧倒的な人気を持つ道上選手という布陣なだけに、ピット前はGT500のチームに負けないくらいのファンが集まった。ピットウォークの料金は各日とも3000円。サーキットに来たときはピットウォークにも参加し、34号車のピットまでぜひ来ていただきたい。
ついに本気の走りが解禁! 34号車の予選アタックは?
ピットウォークが終わるとチームの動きは慌ただしくなる。およそ1時間後にはノックアウト方式の予選が始まるのだ。この予選はGT300、GT500のクラス別で行なわれ、最初はQ1と呼ばれる全車でのアタックがあり、GT300では上位14位までが次のQ2ヘ進むことができる。15位以下の車両はQ1のタイム順に15位からの予選順位となる。
Q2はQ1とはドライバーを交代して行なう。Q1のタイムは加味されず、Q2のタイムで上位のグリッドが決まるというルールだ。
34号車でQ1のアタックを担当したのは大津選手。予選の開始時刻になって各車コースインしていく中、34号車はピットにとどまりアタックしやすい状況が来るのを探っていた。コースイン後もなかなかアタックに入らず周回を重ね、あと2周もすると時間切れというタイミングでQ1突破ラインの14位のタイムを記録。
これでいけたかと思っていると、34号車の後で計測ラインを通過した0号車(グッドスマイル 初音ミク AMG)が0.2秒上まわる。さらに2号車(シンティアム・アップル・ロータス)もタイムを更新。ラスト1周もアタックした大津選手だったがQ1通過のラインに届かず、予選は16位となった。
公式練習走行ではGT300クラス中8位のタイムをマークするなど調子よかったはずの34号車なので、何が起きたのかと疑問を持つ人は多かったが、その理由が予選後に行なわれたチームの会見で語られたので、練習走行を含めたこの日の総括として会見の内容を紹介しよう。
チーム会見:予選
道上選手:公式練習では余力を残す感じで走れたので、予選に向けてはいい感じで挑めるのかなと思っていました。ところが予選が始まったに気温がグッと下がってしまい、フロント(タイヤ)の暖まりが朝よりわるくなったため、自分たちがやっていたセットアップに対してタイヤの力が上手く発動しなかったのかなと思っています。ただ、レースは長丁場です。レースに向けたセットアップはわるくないと思うので、気持ちを切り替えて決勝に挑もうかなと思っています。
大津選手:予選スタートはクリアラップを見つけやすくするため、他のチームより遅らせてピットを出ました。これはよかったのですが、想定したよりフロントタイヤの暖まりが遅くて予選時間の最後までアタックができず、ようやくアタックできてもベストが出るのが遅かったという感じです。しかし、クルマ的にそこが限界ではなく、タイヤが想定どおりの状況だったならもう少し上に行けた感じはあります。初めてのSUPER GTでこの結果はすごく悔しい気持ちですが、こういうこともあるんだということもアタマに入れてこれから戦っていきます。
――Q1担当ドライバーについて
道上選手:Q1を大津で行くことは、今日、監督と相談して決めました。Q1はとても大事ですが、これまでの大津の走りから突破できるだけの力はあると思って任せました。今回はこのような結果になりましたが、これはたまたまクルマのセットアップとタイヤの暖まりのバランスが上手くいかなかったということです。もちろん、本人は悔しい気持ちもあるでしょうが、今後この経験を生かし、結果を出してもらえばいいと思っています。
――決勝に向けての意気込み
道上選手:大津は先日のスーパー耐久で優勝し、長い時間を走る経験をしていますので心配はしていません。ただ、SUPER GTは耐久といっても内容はスプリントです。だからセーブして走るということは基本的にありません。それにタイヤの扱いは耐久レース的な難しさがあるので、上手くマネージメントしつつ走らせる必要がありますので、そういったこともレース中に経験して覚えてほしいです。あと、ボク自身もGT300でレースをするのは初めてです。速いクルマが追い抜いていくなかで、自分たちのクラスのクルマとのバトルをしていかなければならないので、接触などいろいろ気を付けなければいけないなと思っています。
チョン監督:SUPER GTはスプリントレースさながらのペースで走りますが、ドライバーは交代するしタイヤ交換などのピット作業もあるという複雑さがあるので、それに応じた戦略が必要というチームとしてもハードルの高いレースです。加えて我々のクルマは全くデータのない新車です。それだけに、他のチームと比べると準備ができていない部分もあります。とはいえ、その中でもできるだけのことを進めてはいるのですが、今回はこのような結果になってしまいました。しかし、ここで気持ちを切り替えて明日もやれることをしっかりやっていきます。
以上が予選後の会見の主な内容。34号車初のSUPER GT予選は季節外れの天気に狙いどおりとはいかなかったが、ドライバー、監督のコメントからは厳しさではなく、明日への意気込みを強く感じた。会見の後半にはドライバー、監督の表情に笑顔が多く見られたのも印象的だった。
AUTOBACS SUPER GT 2018 SERIES Round1 OKAYAMA 34号車予選データ
Q1ドライバー:大津弘樹
ベストタイム:1’26.505
順位:16位
いよいよ決勝日、34号車の初めての戦いが始まる
4月8日の日曜日、SUPER GTラウンド1「OKAYAMA GT 300km RACE」決勝日である。早朝からサーキット内部はもちろん、周辺に用意された場外駐車場はファンのクルマでいっぱいになっていた。そんな光景を見ると、SUPER GTの人気の高さを改めて感じる。
さて、決勝日の紹介だが、その前にホンダアクセスの石井裕氏に「ModuloがSUPER GTに参加する理由」を伺ったので、その話から紹介しよう。
ホンダアクセス 石井裕氏:Moduloは2013年からSUPER GTに参加しました。当時はGT500クラス 18号車の「ウイダー モデューロ 童夢レーシング」の「HSV-010」でした。その後、2015年から同じくGT500クラスで「Drago Modulo Honda Racing」をサポートしました。このころになると、ファンの方にもModuloの名前を知っていただくことができていたと思います。そして2016年にDrago Modulo Honda Racingが解散し、2017年は「Epson Nakajima Racing」にホイールを供給していました。
このような歴史があるModuloとSUPER GTの関わり合いですが、2017年中に「もう1度、道上さんと組まないか」という声がホンダアクセスに掛かりました。しかも車両は大変話題になっていたNSX GT3です。
このころ、ホンダアクセスはModulo Xシリーズとして「N-BOX」「N-ONE」「ステップワゴン」「フリード」と次々に発売し、これからもModulo Xをコンプリートカーとして出していこうという時期でした。そんなことから、話を受けた当社の社長はすぐに「やりましょう」と返答しました。
われわれの精一杯のサポートによりチームが結果を出してくれれば、それはチームの喜びだけでなく、Moduloを応援してくれた方、Modulo Xを購入していただいた方への恩返しにもなると考えています。そういうことから、今年からModulo Drago CORSEとしてSUPER GTに参加していきます。応援よろしくお願いします。
サーキットに来たらぜひ聞いてほしいドライバートークショー
さて、SUPER GT決勝に話を戻すと、当日のスケジュールは12時45分にオープニングセレモニー、スタートは14時40分からとなっているので、チームスタッフは別として、ドライバーは午前中ヒマかな?と思いきや、ドライバーも朝から忙しい。
34号車の2人は、9時~9時20分はHondaブース内ステージで「Modulo Drago CORSEトークショー」があり、その後、9時45分~10時40分までが決勝日のピットウォーク。そして決勝前のミーティングなど行ない、13時5分からはウォームアップ走行開始という過密なスケジュールだった。取材班もその動きを追いかけているので、まずはHondaブースで行なわれたModulo Drago CORSEトークショーの内容から紹介しよう。
司会の水村リアさんの合図でステージに登場したのは、34号車の道上選手と大津選手、そしてもう1台のNSX GT3を走らせる「CARGUY Racing」から木村武史選手、横溝直輝選手の4名だ。ちなみにCARGUY RacingもModulo Drago CORSEと同じく今シーズンからSUPER GTに参戦する新チームとなっている。
最初の話題はやはり前日の予選について。まずは34号車の道上選手が「昨日は雨が降るとは聞いていなくて、しかも雨だけでなく雹まで降ってきてコンディションがコロコロ変わる予選だったんですけど、その状況にうちのチームは合わせきれなかったという感じです」と答えた。
話題が変わり、道上選手はGT500の時代にも乗っていたので、道上選手にとってNSXはどんな印象か?と問いかけられた。
これに対して道上選手は、「(SUPER)GTに関してはNSX以外乗ったことがないというくらいずっとNSXです。ドライバーとして一人前に育ててくれたクルマなので思い入れはあります」と答えた。
次は予選Q1を担当した大津選手。大津選手はこの岡山がSUPER GTデビュー戦ということで「監督と道上さんにQ1担当と言われたときはちょっと緊張しました」とのこと。そして「練習走行を走った感覚ではタイムを出せる自信はあったので、予選も十分な自信を持って臨みました。まあ、言い訳はあまり言いたくないのですが、予選で乗ってみると練習走行のときとはクルマのフィーリングがかなり違っていました。でも、そんな中でも得意な区間の走りをまとめることができれば順位を上げることができたのではないかと思うので、その点は昨日、ひたすら反省していました」というコメントだった。
続いては、こちらも注目度が高い777号車 CARGUY Racingの木村選手へのインタビューだ。木村選手はこの週末がSUPER GTデビューとなるので、まずは予選日の印象を質問された。
木村選手は「当初、ボクがQ1を走りたいと言ったんですよ。だけどチームの誰も『行きましょう』と言ってくれなくてですね、ボクはチームオーナーですよ(笑)。でも、仕方ないので“あぁそう”ということで横溝選手に任せました」といきなりの面白発言に会場は沸く。
そんな木村選手はQ2でステアリングを握ったが、なんと雨が降ってきた。そこで「オレ、雨無理だから」と無線でピットに伝えたとのことだが、走ってみると好タイムをマーク。ここで「お世辞じゃないですが、NSX、雨すごくいいんですよ」と身を乗り出して語り、「だから少しは頑張れたかなという感じです」と結んだ。
「ルーキーの木村選手がはどんな人だろう」と考えていたお客さんは多かったと思うが、これで一気に距離感が縮まったように感じた。
最後は777号車の横溝選手。「ボクらのCARGUY RacingはSUPER GT初参戦ですが、ボク自身はこれまでもSUPER GTに出ていますのでQ1の大切さは十分承知しています。どのチームも14位以内に入ろうと必死です。でも、ウチは『Q1通過は当たり前でしょ』みたいな空気なんです。木村さんもアップしていたし(笑)。そんな感じだったので、ここでQ1不通過になったらボクは今回でクビだなと思い、メチャクチャ真剣に走りました(笑)。まあ、とにかく、チームがとてもいいクルマを用意してくれたのが結果につながったと思います」と語った。
こんな調子で会場を盛り上げつつトークは進んだ。20分という短い時間だったが、34号車と777号車が、チーム、マシン、そしてドライバーと全てが魅力的であることをファンの印象に刻んだショーだったと思う。
いよいよ決勝スタート! そしてまさかの展開
12時40分になると、ピット前に各マシンと監督、ドライバー、メカニックが整列。オープニングセレモニーが始まった。この時間は各ドライバー紹介が行なわれるので、一切のエンジン始動が禁止されている。週末のサーキットからクルマの音が消え、静かになる時間だ。そしてセレモニー終了後、ウォームアップ走行が行われた後、マシンはそれぞれのグリッドに着く。この時間はグリッドウォークのパスを持つファンもコースに入り、お目当てのマシンを囲むというスタート前の華やかな時間を迎える。
34号車のスタートドライバーは道上選手が務める。そして14時40分、いよいよSUPER GT OKAYAMA GT 300kmがスタート。34号車は中段からの追い上げとなる。34号車は集団の中で順位を上げ、11番グリッドだった777号車の後方まで付けるが、すぐに2台のNSX GT3の間に360号車(RUNUP RIVAUX GT-R)が割って入る。
この順位はしばらく続き、ペースが落ち着いたかと思われた17周目。モニターには驚きの光景が。バックストレートエンドで360号車に追突してフロントカウルが飛び散る34号車が映し出されたのだ。追突された360号車はコースアウトしてリタイアになったが、34号車はフロントカウルがない状態で走り続ける。しかし、1度ホームストレートを通過したが18周目にはピットイン。フロントからガレージに入り、そのままリタイアとなった。
レース終了後、ホスピタリティでチームの会見が行なわれた。まずは道上選手が発言。「ウォームアップ時にはスタートタイヤと同じ種類のタイヤを履いてガソリンも積んで、レースと同じ状況でシミュレーションしたんですけど、そのときもタイヤの暖まりがあまりよくなくて、決勝が厳しくなるかなという感じました。そこで監督と話をして、グリッド上でクルマのセットを少しアジャストしました。とくにリアのグリップ感がもう少しほしかったので、そこをリクエストしました。スタートしたらまあいい感じになってくれました。また、スタート後は気温も上がってきたのでタイヤ的にもいい傾向でした」。
「しかし、4コーナーのリボルバーコーナーで誰かに押されてスピンしかけることがありました。それは立て直しましたが、ストレートに戻ってくるとエンジンの力がなく、ストレートスピードが伸びないことを感じました。原因は後ろから押されたときにエキゾーストが潰れてしまったことでした。とにかくそんな状況がしばらく続くうちに、2号車が混戦の隙を突いて抜いていきました。ただ、ストレートが伸びないと言っても2号車よりは速さがあるので、バックストレートで付いていきヘアピンで抜き返そうかと思っていたところ、前を走る360号車のブレーキングが予想より早かったため追突してしまいました。その衝撃でボンネットが飛び、さらにフロントから水が飛び散ったように見えたのでピットへ戻りました。今回のことはボクのミスです。やってしまったことは取り返せないので、次戦、結果でカバーしたいと思います」とのこと。
確かにモニターで見ていると、あるときから急に前を行くクルマとの差が開いたときがあったが、あのときからパワー感が減ったという問題を抱えていたということだ。それゆえに後続に追いつかれバトルになった結果、前車に追突という流れになったということ。序盤で押されることがなければ……と思うところだが、これもレースということだろう。
大津選手は「自分にとって初めてのSUPER GTで、スタート前の流れとかは今回で分かったと思います。今回は決勝を走ることができなかったですけど、そもそも予選で自分がもっと前の順位を取れていたらなど、取りこぼしたモノが多かったので反省点は多いです。ただ、決勝でのセットアップがよく、クルマの方向性が見えたのは今後につながることだと思います」と語った。
チョン監督からは「クルマのセットアップは事前に行なわれた岡山国際サーキットでのテストで得たデータを元に仕上げました。それが今回の条件に合わなかったようですが、方向性は見えたので次はそれを生かしていきたいと思います。今回クラッシュしたクルマは修理可能と思われますので、直す方向でいきます」とのこと。
今回は残念な結果になってしまったが、予選での気候、そして決勝での最初に受けたアクシデントと不運が重なったためのリタイアとも言えるので、チーム力が不足しているわけではない。
次戦は5月3日~4日に行なわれる第2戦「FUJI GT 500km RACE」。ここでの34号車の活躍を期待しよう。
AUTOBACS SUPER GT 2018 SERIES Round1 OKAYAMA 34号車決勝データ
スタートドライバー:道上龍
セカンドドライバー:大津弘樹
ベストタイム:1’28.437
周回数:18Lap
順位:リタイア
ホンダアクセスでは今シーズン、SUPER GTの各会場ごとに「ご当地くるタム」をデザインしたオリジナルグッズを数量限定で用意しており、岡山ではジャンケン大会で勝ち残った人に「“桃タム”トートバッグ」をプレゼント。この“桃タム”トートバッグに34号車のドライバーである道上龍選手&大津弘樹選手と、Moduloスマイルの水村リアさんと安藤麻貴さん、Moduloプリティの生田ちむさんとはるまさんの4人にそれぞれサインを入れていただき、Car Watch読者各1人、計2人にプレゼントします。下記の応募方法に沿ってぜひご応募ください。
応募方法
電子メールで件名に【GT開幕戦 岡山プレゼント】と入力し、本文に名前、住所、メールアドレス、現在の愛車を記入して、Car Watch編集部(car-watch@impress.co.jp)まで送信してください。応募締切は5月18日(金)、プレゼントの当選は発送をもってかえさせていただきます。
記入例
・件名:【GT開幕戦 岡山プレゼント】
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名前:山田太郎
住所:東京都千代田区神田神保町1-105
メールアドレス:car-watch@impress.co.jp
現在の愛車:S660