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マツダ、LAショーで世界初公開する新型「CX-5」(北米仕様)の情報公開

日本仕様比で15mm低く、前後トレッドを10mm拡大。“ソウルレッド”も進化

2016年11月15日(現地時間)発表

ロサンゼルスオートショーで世界初公開する新型「CX-5」(北米仕様)

 マツダは11月15日(現地時間)、ロサンゼルスオートショー(一般公開:11月18日~27日)で世界初公開する新型「CX-5」(北米仕様)の情報を公開した。

 新型「CX-5」は、現在マツダが持ちうるデザインと技術のすべてを磨き上げ、あらゆる領域で「走る歓び」を深化させたクロスオーバーSUV。「魂動(こどう)-Soul of Motion」のコンセプトをより高い次元へと昇華させることに挑戦し、「REFINED TOUGHNESS(洗練された力強さ)」をキーワードに「成熟した骨格」「品格のあるフォルム」「仕立てのよい質感」を軸に内外装デザインを実施。

 ボディサイズは4545×1840×1690mm、ホイールベース2700mm(数値は開発目標値)とし、現行CX-5(日本仕様)と比べ5mm長く、15mm低いサイズ。ホイールベースは同一となっている。車両の重心が下がり、さらに前後トレッドを10mm拡大したことでボディ全体でしっかりと地面をつかむスタンスのよさを強調。また、現行CX-5からAピラーの位置を約35mm後退させ、フロントアクスルとAピラーの位置を適正化した。

新型「CX-5」(北米仕様)のボディサイズは4545×1840×1690mm、ホイールベース2700mm(数値は開発目標値)

 エクステリアデザインは、ボディを前後方向に貫く1つの大きな動きを中心に据え、しなやかに加速するスピード感を表現。強い前進感とスタンスを強調する骨格、シンプルな造形の中に美しい映り込みを作り込んだフォルム、随所に取り入れた彫の深いディティールによって艶めきのあるエクステリアに仕立てたという。

 また、フロントまわりでは薄型化して低く構えたヘッドライト、先端をヘッドライトの下側を通して左右への広がりを強調したシグネチャーウイングを採用したほか、現行CX-5で採用するソウルレッドプレミアムメタリックで作り上げたエネルギッシュな鮮やかさ、濁りのない深みと艶感を進化させ、みずみずしい透明感のある赤色を実現した新ボディカラー「ソウルレッドクリスタルメタリック」を新たに設定した。

ボディカラーでは従来のソウルレッドプレミアムメタリックを進化させた「ソウルレッドクリスタルメタリック」を新設定

 インテリアでは、ドライバーが自然に手足を伸ばした位置に操作デバイスをレイアウトするという、理想的なドライビングポジションを実現。そのうえでフロアコンソールの高さを上げ、シフトノブの位置をAT車で約60mm、MT車で約40mm上方に移動させて操作性を高めた。

 前方視界はAピラーの後退によって左右の見開き角を拡大させ、さらにアウターミラーの小型化によって斜め方向の視認性を高めた。後方視界ではベルトラインの高さを現行CX-5よりもやや低めの設定にするとともに、リアドアウィンドウに分割のない1枚ガラスを採用して視界性能を向上させている。

 また、フロントシートのシートバックにサスペンションマットを採用するとともに、剛性を部位ごとに最適化して乗員の上体の横揺れや頭部の移動を抑制。座面には新たに高減衰ウレタンを使って乗り心地を高めた。コクピットまわりでは、3連メーター右側のマルチインフォメーションディスプレイに高精細の4.6インチカラーTFTを、フロントウィンドウにナビゲーションの情報などを投影するアクティブ・ドライビング・ディスプレイをそれぞれ新採用。7インチセンターディスプレイをダッシュボード上に独立配置したのも大きな変更になっている。

 リアシートでは2段式のリクライニング機構をマツダ車として初採用したほか、ヒップポイント高の低下、下半身の形に添った立体的な形状の座面、リアシートヒーターや後席専用のエアコン吹き出し口を装備することで快適性を向上。そのほかラゲッジスペースは現行CX-5の500L(DIN方式)から5L増の505L(DIN方式)と、同等の実用性を確保している。

 インテリアカラーは、インストルメントパネルを境にアッパー部とロアー部で色を使い分け、クルマとの一体感や空間の広がりを表現。ピュアホワイトまたはブラックのレザー内装、ブラックのファブリック内装をラインアップ(市場・仕様によって異なる)している。

新型「CX-5」(北米仕様)のインテリア。Aピラー内蔵型の左右ツイーターなどを新採用

 パワートレーンではクリーンディーゼルの「SKYACTIV-D 2.2」、直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.5」「SKYACTIV-G 2.0」をラインアップ。トランスミッションは6速ATと6速MTを展開する。また、前輪スリップ予兆検知システムを採用した独自のi-ACTIV AWDも設定する。

 これに加え、「アテンザ」「アクセラ」などで導入する車両の横方向と前後方向の加速度(G)を統合的にコントロールし、ステアリング操作に応じてエンジンの駆動トルクを変化させ、タイヤの接地荷重を最適化することで自然で滑らかな車両挙動を実現する「G-ベクタリング コントロール」を採用。また、サスペンション形式は引き続きフロント:マクファーソンストラット式、リア:マルチリンク式を採用するが、フロントダンパーのピストン径拡大や液体封入式のフロントロアアームブッシュなどにより、ロール時にドライバーが不快に感じやすい振動などを抑制。さらに、電動パーキングブレーキには停車時に足を離しても停車状態を維持するオートホールド機能を新採用している。

 シャシーでは現行CX-5比でねじり剛性を15.5%向上させたほか、Aピラーに1180MPa級、サイドシルやBピラーに980MPa級の超高張力鋼板を新採用するなど、超高張力鋼板の採用比率を高めた。また、車内での会話をしやすくするため、荒い路面での低周波のロードノイズ低減と高速走行時の高周波の風騒音とタイヤ騒音の低減に注力。現行CX-5と比べ、100km/h走行時の室内の会話明瞭度を約10%、荒れた路面での音圧を約1.3dB改善したという。

 先進技術については引き続きアクティブセーフティ技術「i-ACTIVSENSE(アイ アクティブセンス)」を搭載。マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)は停車から追従走行を開始できるよう進化したほか、制限速度などの標識を読み取ってアクティブ・ドライビング・ディスプレイに表示する交通標識認識システム(TSR)などを採用している。

新型CX-5(北米仕様)主要諸元(開発目標値)
主要諸元
ボディタイプSUV
乗車定員5名
全長×全幅×全高4,545×1,840×1,690mm
ホイールベース2,700mm
エンジンSKYACTIV-G 2.5(直噴ガソリンエンジン)
トランスミッション6速AT
フロントサスペンションマクファーソンストラット式
リアサスペンションマルチリンク式
ステアリングラック&ピニオン式
ブレーキ(前/後)ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤP225/55 R19

【お詫びと訂正】記事初出時、記事内の表記が一部間違っておりました。お詫びして訂正させていただきます。