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スバル、社長交代。経営トップ4名退任、現社長の吉永泰之氏「個人としても企業としても『きちんとありたい』」

体制一新、次期社長の中村知美氏「強みや弱みを把握しているつもり」

2018年3月2日 発表

6月付けで代表取締役会長に就任する吉永泰之氏(左)と、同代表取締役社長に就任する中村知美氏(右)

 スバルは3月2日、6月の株主総会をもって取締役会長 近藤潤氏、代表取締役社長 吉永泰之氏、代表取締役専務 日月丈志氏、取締役専務 笠井雅博氏と同社の経営トップ4名が退任、次期社長に中村知美氏(現 専務執行役員 兼 スバル オブ アメリカ インク 会長)を選任予定であると発表した。

 同日記者会見が実施され、代表取締役社長 吉永泰之氏と次期社長の中村知美氏が登壇して、社長交代について語った。

 記者会見で冒頭に挨拶をした吉永氏は「当社の経営トップ4名が、それぞれの思索を経て、個人として、そして企業としての結論 に至りましたので、皆さまにご報告いたします。一言で申し上げれば、個人としても企業としても『きちんとありたい』。スバルは、きちんとしていることを何よりも大切にする、信頼されるブランドでなければならないという結論です」と述べた。

 今回の経営体制の一新について、吉永氏は「昨年発生した完成検査に関わる不適切事案は、一方で当社が次の世代へ経営を移行することを思索する中での事案でもございました。現経営陣として、お客さまをはじめとする当社のステークホルダーの皆さまに、ご心配とご迷惑をお掛けしたことを心よりお詫び申し上げ、きちんと『けじめ』をつけたい。そして今後のスバルへのご支援もお願いしたい」とコメント。

株式会社スバル 代表取締役社長 吉永泰之氏

 4月からの役員体制では、「経営陣の若返りと組織活力の強化、チャレンジ精神の強化」「経営全体の質の向上」「市場対応力の強化」「技術と技術マネジメントの向上」を重点課題として掲げ、吉永氏は「自動車業界が変革期にある中で、お客さまからの信頼と共感をいただき、お客さまにとって大切なブランド、そしてお客さまの笑顔を実現できる会社を目指して、4点を重点課題として変革を進めていきます」とした。

 社長を退任する吉永氏は、次期代表取締役会長(CEO)に就任予定。これについて、吉永氏は「完成検査問題等で明らかになった当社の企業体質の課題の改善については、『真に正しい会社』となるため、さらに信頼されるブランドを築き上げるべく全力を注ぎ、責任をもって進めていきます」と述べるとともに、「自分としてはそこもきちんとするのは責任の取り方であると考えており、責任をもって進めたいと思っている」と話した。

新社長に就任予定の中村知美氏(現 専務執行役員 兼 スバル オブ アメリカ インク 会長)

 新社長に就任予定の中村氏は北米地域の販売を担当してきた。中村氏は「飛躍的な成長をリードした現社長の吉永の後を引き継ぐこと、我々自動車業界にとって大変革期においてこのような任を拝命して本当に身の引き締まる思い。軸をぶらさずにしっかりと前を向いてこの重責を果たしていきたい。私は4年間海外にいた関係で、直近の社内の状況を把握するには多少のリハビリ期間が必要と思っている。さいわい、当社の最重点市場の米国、北米を担当してきたこと、この4年間は外からスバルという会社を見てきたこと、販売の最前線から会社を見てきたこと、そうした過程で見てきた当社の強みや弱みを自分なりに把握しているつもり。過去から直近の経験を活かし、新たな視点を加えて経営に取り組みたい」と意気込みを述べた。

 今後、新社長、新体制のもと次期中期経営計画を最終的に詰めて、今夏を目途に発表予定とし、中村氏は「中期経営ビジョン『際立とう2020』を推進している最中ではあるが、同時に次期中期経営計画の策定準備を進めており、若手幹部からの提言から始まり役員全員で議論を進めている最中。今後は自分自身のリーダーシップをもって新たな経営ビジョンとしてまとめ上げたい」と話した。

 なお、この会見で吉永氏は、完成検査に関わる不適切事案の調査の中であきらかとなった完成検査工程における燃費データの書き換えについて触れた。

 吉永社長は「燃費データの書き換えについては調査中ではあるが最終の段階。社内の報告によれば完成検査工程における抜き打ち検査で、排出ガスや燃費データの書き換えは実際に行なわれていた。この書き換えは品質に対する影響の出ない範囲内、検査基準値内での書き換えであるとの報告。だから大したことはないということでなく、最終報告をまとめて別途ご報告したい」とした。