ニュース
ミシュラン、ウェット性能&静粛性を高めた新コンフォートタイヤ「プライマシー 4」発表会
残溝2mmまで続く高いウェット性能とともに、静粛性を6%向上
2018年6月18日 20:35
- 2018年6月18日 開催
日本ミシュランタイヤは6月18日、7月2日に発売する新プレミアムコンフォートタイヤ「MICHELIN PRIMACY 4(ミシュラン プライマシー フォー)」の発表会を都内で開催した。プライマシー 4のタイヤラベリング制度での転がり抵抗等級は16サイズで「AA」、ウェットグリップ等級は19サイズで「a」。
プライマシー 4は2月から欧州などを中心に販売を開始しており、日本では195/55 R16 87H~245/45 R19 102Wの計36サイズを7月から順次発売。現時点ではサイズによってプライマシー 3も併売となるが、サイズ拡大に伴い適宜プライマシー 4に切り替えていくとのこと。
プライマシー 4の詳細については「ミシュラン、ウェットブレーキ性能が長く持つ新プレミアムコンフォートタイヤ『プライマシー 4』」「【タイヤレビュー】ウェット性能を高めたミシュランのプレミアムコンフォートタイヤ『プライマシー 4』の実力を体感」に詳しいが、2001年に登場した第1世代の「パイロット プライマシー」を皮切りに、第2世代の「プライマシー HP」「プライマシー LC」、第3世代の「プライマシー 3」に続く第4世代のコンフォートタイヤ。
そのプライマシー 4では排水性能に優れる新溝形状を採用して濡れた路面での排水性能を向上させるとともに、低燃費性能とウェットブレーキング性能を両立した新配合コンパウンドなどを採用。これにより、プライマシー 3比で履き始め時のウェットブレーキング性能を4.5%、履き替え時のウェットブレーキング性能を13.3%、静粛性を6%、履き替え時の溝体積を約22%それぞれ向上することに成功したという。
また、外観上では18インチ以上のタイヤにパイロットシリーズなどで一部採用されているコントラストが鮮明な「プレミアムタッチデザイン」を採用するとともに、スリップサインをより見つけやすいようにミシュランマンとミシュランロゴが用いられているのも特徴になっている。
ボディタイプを問わず高い基本性能を持つプレミアムコンフォートタイヤ
発表会では日本ミシュランタイヤ 代表取締役社長のポール・ペリニオ氏が挨拶を行なうとともに、乗用車・商用車タイヤ事業部 マーケティング部 ブランド戦略マネージャーの大河内昌紀氏がプライマシー 4についてのプレゼンテーションを実施した。
初めに登壇したポール・ペリニオ社長はプライマシーシリーズの歴史について振り返り、「プライマシーシリーズは乗り心地、ハンドリング性能、省燃費性能など、さまざまな消費者ニーズに応えて進化してきた歴史でした。また、プライマシーシリーズは消費者ニーズのみならず、自動車メーカーの厳しい要望にも応えてきました。欧州メーカーだけでなく、国産車(日本車)にも歴代のプライマシーシリーズがOE装着されてきました。第1世代のパイロット プライマシーは、省燃費性能を重視したプリウス、第2世代のプライマシー HPは操安性を重視した86/BRZ、プライマシー LCは静粛性や快適性を重視したクラウン、第3世代のプライマシー 3はハンドリング性能のよいクロスオーバーを目指したC-HRに純正採用されました」。
「このように、プライマシーシリーズはボディタイプを問わずさまざまな車種の要求性能を満たすことができる非常に高い基本性能を持っているプレミアムコンフォートタイヤで、これぞまさにミシュランが提唱するミシュラン・トータル・パフォーマンスを体現するタイヤです」とアピールを行なった。
一方、具体的な製品特徴について語った大河内氏は、まず開発の背景について語り、「プライマシー 3が登場した2013年以降、プライマシー 4をどのような製品にするか考えてきました。2013年以降、これまでの自動車業界の流れとしては、消費者の皆さまの安全に対する関心が非常に高まっていることが挙げられます。これは数値にも表れており、乗用車の販売全体に対する衝突被害軽減ブレーキの装着率は2017年で約6割となっており、安全に対する関心が高まっているということを理解しました」。
「また、車両の電動化についても2013年から2016年のハイブリッド車/EV(電気自動車)の乗用車販売における割合は50%増加していることが分かりました。自動車の電動化が進むことによってタイヤに求められる性能が変化してくるだろうとわれわれは考えました」と、近年の消費者マインドについて解説。
他方、タイヤに求められるニーズについては、「タイヤ購入の際に重視する性能(新品時)」「最も長続きしてほしい性能(履き替え時)」の2点をアンケート調査で調べたところ、前者の問いでは「雨天時のブレーキング性能」、後者の問いでは「雨天時の性能(ブレーキング・ハンドリング)」と回答した人が最も多いという結果が出た。大河内氏は、事故発生割合が晴天時(1.08件/時)に対して雨天時(4.52件/時)は4倍という調査結果が出ていることから「雨の日の性能がいいなと思うのは、統計の数値からも理解できます。また、ゲリラ豪雨は直近の10年とその前の10年で発生回数を調査したところ、約1.4倍になっています。このような突然の豪雨の際、実際に装着しているタイヤが摩耗している状態で起こったらどうなるだろうと、漠然とした不安をユーザーの皆さまがお持ちであることを理解しました」
「加えて車両の電動化によってエンジンノイズが発生しないもしくは減少するなど、車両自体が静かになっており、これに伴い静かなタイヤを求められています」と述べるとともに、大型の電動車両が装着するプレミアムコンフォートタイヤにも低燃費性能が求められていると、近年のユーザーニーズについて言及。
こうしたユーザーニーズを元に開発されたのが今回のプライマシー 4であり、「優れたウェットブレーキングで長く続く安心感」「高い静粛性と低燃費性能でプレミアムコンフォートタイヤの基本性能を向上」という2点が製品の特徴として紹介された。
まず安全性については、「プライマシー 3では主溝の形がややV字型でしたが、プライマシー 4ではスクエアなU字型とし、排水性能を新品時はもちろんのこと履き替え時(タイヤの使用限界が1.6mmで、それに近い残溝2mmを想定)でも溝体積が約22%アップしました。排水性の向上により、新品のみならず履き替え時においても高いウェット性能を維持することができました」と述べるとともに、プライマシー 4では新配合のコンパウンドも採用したことで、新品時のウェットブレーキ性能は従来(プライマシー 3)から約4.5%、履き替え時のウェットブレーキ性能は約13.3%向上したことを報告。大河内氏は「コンフォートタイヤというセグメントは、これまで“音が静かで乗り心地がいい”としてその性能を追求してきましたが、プライマシー 4ではより安全性を高めるという機能をさらに付加しました。安全性というキーワードが下支えになることで、よりドライバーの方が安心して運転できる。それが本当の意味での快適なタイヤになるのではないかと考えています」とアピールを行なった。
そのほかプライマシー 4はボルボ「XC40」で純正採用されていることを報告するとともに、「進行中のOEプロジェクトとしては、現在開発中のものが90プロジェクト、開発が終了した承認取得済みのものが22プロジェクトあります。この22プロジェクトについては2018年後半から続々と新車に装着されて発表される予定で、自動車メーカーは欧米のみならず日本国内メーカーのものも含まれています」と説明。
合わせてプライマシー 4が「全額返金保証プログラム」の対象製品であることについて触れ、「今までミシュランタイヤに興味はあるものの『海外ブランドは自分に合わないのではないか』『プライマシー 4がどんなタイヤか分からない』といったお考えのお客さまに同プログラムを活用していただき、ぜひご購入いただければと思います。製品には自信を持っていますので、必ずやご満足いただけると考えています」としてプレゼンテーションを終えている。