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ミシュラン、突然の雪に慌てない“雪も走れる夏タイヤ”「クロスクライメート」製品説明会
「エナジー セイバー プラス」を超えるロングライフ性能も
2019年1月29日 22:32
- 2019年1月29日 開催
日本ミシュランタイヤは1月29日、“雪も走れる夏タイヤ”として開発したオールシーズンタイヤ「CROSSCLIMATE(クロスクライメート)」シリーズの製品発表会を開催した。発売サイズは14インチから20インチの計78サイズで、2月5日より順次発売。価格はオープンプライス。
クロスクライメートは、「突然の雪に慌てたくない」「安全性を考えて夏タイヤ性能は落としたくない」「季節ごとのタイヤの履き替えに不満やストレスを感じている」といった思いを持つ消費者をターゲットに開発したオールシーズンタイヤ。
オールシーズンタイヤでありながら、夏用タイヤとして求められるドライ・ウェット路面での高いブレーキング性能や夏タイヤと同等の静粛性を実現し、冬用タイヤとしては国際基準で定められたシビアスノータイヤ要件に適合。「スリーピークマウンテンスノーフレークマーク」と「M+S」が刻印されており、冬用タイヤ規制時でもチェーン装着を不要とした。
製品説明会で登壇した日本ミシュランタイヤ 代表取締役社長 ポール・ペリニオ氏は「ちょうど昨年の今ごろ、日本は強い寒波に見舞われ各地で記録的な降雪となりました。日本海側はもちろん、太平洋側も、ここ首都圏にも突然雪が積もり、道路が通行止めになったり路上でクルマが立ち往生して大混乱となりました。1年をとおしてみても予期せぬ記録的な異常気象が増えています。近年の気象現象の変化は、私たちの日常生活に大きな影響を与えます。モビリティの継続的な発展に貢献するという企業理念からも、この新しいニーズに合致した新たなソリューションを提案すべきと考えています」と新製品導入の背景を述べるとともに、「クロスクライメートは、安全で快適なモビリティライフを送っていただくため、天候を問わずに通年装着していただけるタイヤシリーズです」と、同製品の特徴を示した。
具体的な製品の特徴については、同社 PC/LTタイヤ事業部 ブランド戦略マネージャー 黒谷繁希氏が解説。黒谷氏のプレゼンテーションでは、東京、名古屋、大阪、福岡といった非降雪地域においては、約60%のユーザーがスタッドレスタイヤを持っていないことや、非降雪地域における過去10シーズン(2008年-2009年~2017年-2018年)の平均積雪日数は約4日間であったという調査結果などを紹介。
また、こうした地域に住む消費者の「年数回の降雪時は、ノーマルタイヤに不安を感じる」「めったに雪道は走らないが、いざという時のチェーンの脱着に戸惑う」「スタッドレスタイヤのグニャグニャ感や、ドライ・ウェット性能には不安がある」「マンションに住んでいるので、スタッドレスの保管場所に困る」「シーズン毎にタイヤ交換するのは面倒だし、交換待ち時間もストレス」といった声を紹介した。
こうしたことを背景に、オールシーズンタイヤには夏タイヤの性能を持ちながら雪への安心感をプラスしたタイヤが求められているとし、クロスクライメートでは、ドライ・ウェット路面における高いブレーキング性能や夏タイヤと同等の静粛性を実現させるとともに、ロングライフ性能においても同社「エナジー セイバー プラス」より向上させて、経済性を考慮した設計であることが強調された。
製品説明会で行なわれたトークセッションでは、ゲストとしてレーシングドライバー・自動車評論家の佐藤久実氏が登場。実際にクロスクライメートを装着したクルマで、北海道の雪上を走行した時の印象や、ドライ路面の高速道路や一般道を走行した印象などを語った。
このトークセッションの中で、佐藤氏は「ミシュランはまあるい性格が特徴で、乗っていて何も残らないのがいい」とミシュランタイヤの印象を述べるとともに、クロスクライメートについては、夏タイヤと並べて比較してもバランスの取れたタイヤであることを強調。
また、佐藤氏は「年に数日のためにスタッドレスタイヤを用意するのは、手間ひまやお金がかかると言ってサマータイヤに乗り続ける人もいますが、非降雪地帯に住んでいながらどんな環境においてもクルマに乗りたい人には、すごくメリットの多いタイヤ」との印象を話した。