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【ル・マン24時間 2019】トヨタ GRカンパニー 友山プレジデント、ル・マンで「ハイパーカー」参戦発表。市販予定の「GRスーパースポーツ」ベース

2019年6月14日(現地時間) 発表

ル・マンで「ハイパーカー」参戦を発表する、トヨタ自動車株式会社 副社長 兼 GAZOO Racing Company President 友山茂樹氏

 6月14日(現地時間)、ル・マン24時間レースの決勝レース開催前日となる金曜日午後、トヨタ自動車のプレスカンファレンスが開催された。そのプレスカンファレンスには、GAZOO Racing Company President 友山茂樹氏が登壇。WEC(世界耐久選手権)が2020年から新設する「ハイパーカー」カテゴリーに、市販予定の「GRスーパースポーツ」をベースにしたレーシングカーで参戦することが発表された。

 友山氏はプレゼンテーションの冒頭、2018年にこのル・マンの地で発表した「GRスーパースポーツコンセプト」の写真を紹介。トヨタ GAZOO Racingとして参戦しているWRC(世界ラリー選手権)、ダカールラリーなどに触れつつ、2018年のル・マン 24時間レース初制覇を振り返る。

 その後、重大な発表があるとして市販予定の「GRスーパースポーツ」によるWEC「ハイパーカー」カテゴリーの参戦を発表。ハイパーカーは、同日午前に行なわれたACO(Automobile Club de l'Ouest、フランス西部自動車クラブ)のプレスカンファレンスにおいて発表された新たなカテゴリーで、WECの最高峰のカテゴリーとなる。このハイパーカーは、2020年9月以降からのイベントでとされており、2020-2021年シーズンに参戦することになる。

トヨタの「ハイパーカー」参戦発表スライド。ACOのハイパーカースライドと異なり、クルマがブルーだ
2018年にル・マンで発表した「GRスーパースポーツコンセプト」
2019年は、市販車「GRスーパースポーツ」ベースのレーシングカーを発表。現段階ではイメージイラスト
空力処理のためか、リアまわりはGRスーパースポーツコンセプトと異なるように見える
巨大なリアウィング、リアディフューザーを備える

 友山氏は、この発表と同時に参戦マシンのイメージを公開。「How this?(どうですか?)」と語りかけ、その仕上がりに自信を見せた。

 また、ル・マン 24時間レースに参戦している小林可夢偉選手と、豊田章男社長の開発風景も紹介。友山氏自身も携わっているこのGRスーパースポーツの開発が順調であることをうかがわせた。

仕上がりに自信を見せる友山氏
豊田社長(左)もステアリングを握って開発に携わる

 このGRスーパースポーツの市販車と、ハイパーカーとなるレーシングカーの違いについてプレスカンファレンス後に友山氏に聞いてみたが、まだその違いを明かせる状態にないようだ。ハイパーカーの部分もACOから一部レギュレーションが発表されているのみで、GRスーパースポーツベースのレーシングカーの詳細についても「(ハイパーカー)レギュレーションに従う」とのことだ。

 公開されたレーシングカーのイメージイラストを見る限り、昨年公開されたGRスーパースポーツコンセプトと同様のフォルムを持ち、リアのウィングまわりは空力を意識したリファインが見られる。ハイブリッドのスーパースポーツカーとなる市販車も楽しみだが、このレーシングバージョンのデビューにも期待したい。