ニュース
トヨタGR、WEC事前テストに「GR010 HYBRID」で参加し35台中4番手、5番手のタイムをマーク
2021年4月28日 15:38
- 2021年4月28日 発表
事前テストで最終セットアップを実施
TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ自動車)は4月28日、今季から投入する新型ハイパーカー「GR010 HYBRID」が、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで行なわれた2021年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)プロローグ・テストを完了したと発表した。
新型ハイパーカーのGR010 HYBRIDは、4月26日のプロローグ・テスト初日に、新たなレギュレーション下におけるライバル車両と初めて対峙。チームはこのテストで準備していた多くの項目をこなしたという。
今回のテストの主な目的は、開幕戦に向けた車両ハンドリングとセットアップの改良で、2020年シーズンの世界チャンピオンである小林可夢偉選手、マイク・コンウェイ選手、ホセ・マリア・ロペス選手がGR010 HYBRID 7号車を、2020年のル・マン24時間レース覇者であるセバスチャン・ブエミ選手、中嶋一貴選手、ブレンドン・ハートレー選手が8号車をドライブ。
このテストには合計35台が参加し、8号車が全体4位、7号車が全体5位のタイムをマークした。
なお、開幕戦となるスパ6時間レースは4月29日に練習走行が開始され、翌30日の練習走行の後に予選が行なわれる。決勝レースは5月1日13時30分(現地時間/日本時間20時30分)にスタートする。
小林可夢偉選手コメント
スパに戻って来て、ようやくシーズンのスタートを切ることができて素晴らしい気分です。われわれ7号車にとってはタフな2日間でしたが、大変な作業でコースへと戻してくれたメカニックとエンジニアに感謝しています。月曜日、車両がガレージにいるのを見るのはもどかしかったですが、彼らは決して諦めずに修理してくれて、おかげで最終的には決勝レースに役立つ有用なデータを得ることができました。チームとして多くを学びましたし、車両のバランス改善にもとても役立ちました。
マイク・コンウェイ選手コメント
われわれ7号車は当初ガレージで待機という厳しいスタートとなりましたが、メカニックの素晴らしい動きでコースに戻ることができ、いくつかトラブルもあったものの、2日目は多くの走行をこなすことができました。バランスもよく、レースペースで重要な安定性や信頼性への作業も進められました。2日目が順調だったおかげで多くのデータを得られたので、それを活かして木曜日からの走行でさらに改良を進めたいと思っています。
ホセ・マリア・ロペス選手コメント
レースの現場に戻ることができて本当に嬉しいです。もうすぐ5月になろうかという時期で、昨年の最後のレースからずいぶん長い時間が経ちました。耐久レースはタフなスポーツで、われわれは常にもっと多くの周回を重ねたい、さらなる準備をしたいと望んでいるものですが、クルマに乗っている時間は順調でしたし、感触もよかったです。他の車両と一緒に走ることのできたこのテストは有意義でした。1台でコースを走っていると、常に同じラインで、同じ場所でブレーキングすることになります。多くの他の車両と走るとそれは不可能で全く別物になりますし、シーズンに向けてとてもよいトレーニングになりました。
中嶋一貴選手コメント
プロローグ・テストは、他の多くの車両と一緒にコースを走るチャンスという意味でも、われわれのオフシーズンテストにおいてとても重要な役割を果たしています。決勝レースへの準備の段階で、他の車両と一緒にテストする方がよいのは明らかです。単独走行では、遅い車両への対応や、タイヤのパフォーマンスを適切に保つことを学ぶのが難しいです。この2日間のテストでも、多くの接触やアクシデントが発生したように、多くのカテゴリーの混走は容易ではありませんが、レースのためにはこのような練習が必要です。
セバスチャン・ブエミ選手コメント
2日間を通して改良のためにさまざまな取り組みを試し、多くのデータを得ることができました。天候がどうなるか分かりませんが、週末のレースでさらに力強いパフォーマンスを見せられるよう、クルマの改良に全力を尽くします。最後のレースからずいぶん時間が経ってしまったこともあり、容易ではない他カテゴリーの車両との走行の練習が少しでもできたのはよかったです。この2日間、コース上で多くのアクシデントが発生しましたが、われわれの車両はトラブル無く進めることができたので、あとは決勝レースへ向けての改善に集中するだけです。
ブレンドン・ハートレー選手
ようやくWECのパドックに活気が戻り、コース上に全ての車両が並んでいるのを見られて最高です。この2日間のプロローグ・テストは好天に恵まれました。スパ・ウェザーが変わりやすいのはよく知っていますが、週末までこのまま天候がもってくれることを祈っています。われわれはオフシーズンのテストや準備で多くの時間を費やしてきましたが、今回がGR010 HYBRIDにとって初めて他のカテゴリーとの混走だったので、その中で順調に走れてよかったです。ハイパーカー時代としての新たなシーズン開幕が楽しみです。