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アルパイン、ハイレゾオーディオ対応ディスプレイオーディオ新製品発表会開催 大画面「フローティング ビッグ DA」など3モデル発表
2021年11月26日 11:43
- 2021年11月25日 開催
アルプスアルパインとアルパインマーケティングは11月25日、今冬発売予定の「ディスプレイオーディオ」新製品3モデルのオンライン発表会を開催した。
今回発表されたのは、11型ディスプレイの「フローティング ビッグ DA(DAF11Z)」、9型ディスプレイの「フローティング ビッグ DA(DAF9Z)」、7型ディスプレイの「ディスプレイオーディオ(DA7Z)」の3モデル。発売予定日はDAF11Z、DAF9Zが12月下旬、DA7Zが2022年春。価格はオープンプライスとなっているが、店頭予想価格はDAF11Zが10万円前後、DAF9Zが9万円前後、DA7Zが6万円前後。
発表会では、今回の新製品がApple CarPlay、Android Autoに対応したスマートフォンアプリを大画面で快適に操作可能なほか、クルマの中でもスマートフォンの音楽をいい音で楽しみたいという要望に応えてハイレゾオーディオに対応。独自開発の高級オーディオパーツや回路設計の採用や、新たにデザインされたGUI「サウンドホーム」など、新製品のポイントが紹介された。
ユーザーの音へのこだわりを反映したディスプレイオーディオ
同発表会は、第1部をラインアップ/機能について企画開発者による説明、第2部をフルデジタルアンプ/スターサーキット回路や筐体デザイン/GUIなどこだわりポイントについて専門技術者が説明、第3部をスペシャルゲストによる体感インプレッションという流れで展開された。
その中で、第1部に登壇した企画開発者のアルパインマーケティングの中村謙介氏は、カーエレクトロニクス市場をめぐるこれまでの流れを紹介。中村氏は「いままでは、DVDメカ、そしてハードディスク、SDをベースとしたナビゲーション機能が主流でしたが、今ではそれに変わりCarPlay、Android Autoが主流となりつつあります。こういった時代の変化を捉えディスプレイオーディオを求めるお客さまを知るということを目的に、昨年から自社ECサイト『アルパインストア』限定で先行モデルを発売し、さまざまなお客さまの声を収集して参りました」と、アルパインストア限定モデルとして「DAF11V」「DAF9V」「DA7」を導入していたことを紹介。
中村氏は「CarPlay、Android Auto対応によるアプリの使い勝手、そして大画面による視認性向上などの嬉しい声を数多くいただいております。特にその中でも多くの声をいただいたのが、音質に関する部分でした。クロスオーバーやイコライザーなど音質調整機能の充実や製品本体をベースとした音質の良し悪しなど、お客さまの音へのこだわりが伺えるコメントが多くありました。このことからディスプレイオーディオのお客さまは音楽へのニーズが非常に高いと捉え、新製品を企画することとなりました」と新製品企画の背景を説明した。
新たに投入される新製品について、中村氏は「今回のディスプレイオーディオは全てのモデルがハイレゾ対応になっております。しかもハイレゾワイヤレスにも対応し、より多くのお客さまニーズにお応えできるようになりました。単に対応するだけでなくハイレゾ音源を余すことなく再現するために、世界初そして業界初の技術を搭載したフルデジタルアンプを採用しております」と、音にこだわったモデルであることを強調。搭載されるフルデジタルアンプについて、中村氏は「このフルデジタルアンプはダイナミックレンジやSNのよさに代表される、従来のハイレゾの考えをはるかに超え、製品も楽器である、そういうふうに考えて開発を行ないました。それは楽曲や音色、そして響きなどまでも忠実に再現し、リスナーに感動を与えることをテーマにしております」と話した。
S.T.A.Rサーキットを採用し楽器の奏でる余韻にこだわるアルパインの音作り
新製品の特長となるアルパインの音作りについて、第2部に登壇したアルプスアルパイン サウンド設計部のサウンドマイスター 小堀幸弘氏から説明があり、小堀氏は、製品であっても楽器のようなものができないかと考え、ドイツのピアノ「スタインウェイ」が奏でる余韻、そういった余韻までもを大切にする音作りを目指したことなどが語られた。
新製品の3モデルは共通で、独自開発の「フルデジタルパワーアンプ」、低音ノイズを低減する「赤色LED高音質電源回路」、大音量時に発生する急激な負荷変動時でも電荷の安定供給を実現する「高音質フィルムコンデンサー」など、アルパイン独自の「S.T.A.Rサーキット(Signal Transit for Accurate Response)」を採用する。
この、S.T.A.Rサーキットについて、小堀幸弘氏は「例えばバイクを走らせる時に地面がガタガタだと、バイクの乗り心地がわるくなりますよね。そうしたら、この地面をまっすぐにすることによって、バイクに乗っていてとても気持ちがいいとか、そういった気分になりますよね。そういったことをヒントに電気に置き換えて考えました」との例えを語り、小堀氏は「S.T.A.Rサーキットは、信号を正確に伝達する、音楽ですのでメディアの音楽信号を正確に伝達していく手法です。音楽であってもガタガタ道を通るのではなく、音楽を通る道を正確に、きちっと素晴らしい道路を作ることによって、お客さまに対しては心地よいとか、清々しいとか、気持ちよいとか、そういった気分になって感動していただく」との考えを話した。
続いて登壇したアルプスアルパイン デザイン室の藤本博氏と遠藤秀樹氏は、筐体デザインやGUIなどこだわりポイントについて説明。新製品では、サウンドを自在に操ることができることをテーマに、グラフィカル・ユーザー・インターフェースとして「サウンド ホーム」を開発したことを紹介。低音域を5つのタイプでレベル調整できるBass Engine SQや周波数ごとに細かな調整ができるパラメトリックイコライザー、音の到達時間を変えることで最適な音場を作り出すタイムコレクションなどの機能を、目と指で楽しみながら好みに応じたサウンドに調整できることなどが紹介された。
そのほか、第3部では、スペシャルゲストとして、ラリードライバーの兼松由奈さんと音楽プロデューサーのYANAGIMANさんが登場、2名による体感インプレッションが展開され、それぞれの印象が語られた。
なお、アルパインでは、同発表会と同様のZoomウェビナーを、11月26日17時30分~18時15分、11月27日17時30~18時15分、11月28日17時30分~18時15分に実施を予定している。