ニュース

三菱自動車、新型「トライトン」のラリーカー公開「チーム三菱ラリーアート」アジアクロスカントリーラリー連覇に挑戦

2023年7月26日 発表

新型「トライトン」をベースにしたラリーカーと増岡総監督用車両

 三菱自動車工業は7月26日、同日タイ・バンコクで世界初披露した新型「トライトン」をベースにしたラリーカーを公開。同社が技術支援する「チーム三菱ラリーアート」がタイ~ラオスで8月に開催されるアジアクロスカントリーラリー(以下AXCR)へ参戦、2022年に続き総合優勝を目指す。

 新型「トライトン」のラリーカーは、AXCRの車両規定に沿って改造され、従来から定評のある耐久信頼性、軽快かつ安定したハンドリング性能、全域で力強くレスポンスのよい動力性能、泥濘路など極悪路での走破性など、2022年のラリーカーを上まわるパフォーマンスを実現させたという。

新型「トライトン」ラリーカーはタイ仕様のダブルキャブをベースとし、国際自動車連盟のグループT1規定(改造クロスカントリー車両)に沿った改造を施した。3月のバンコク国際モーターショーで披露したコンセプトカーでは、エネルギーを内包した岩石をモチーフとしたシルバーとブラックのカラーリングとしていたが、今回のラリーカーでは湧き上がる溶岩のエネルギーをモチーフとしたレッドとブラックのカラーリングに進化させた

「チーム三菱ラリーアート」は、2022年の覇者であるチャヤポン・ヨーター選手(タイ)、2022年5位に入賞したリファット・サンガー選手(インドネシア)、そして1999年と2010年のアジアパシフィックラリー選手権王者の田口勝彦選手(日本)の3台体制で2023年のAXCRに臨む。

 総監督の増岡浩氏と開発部門のエンジニアは現地のラリークルーとともに、SUVの走破性とMPVの居住性を兼ね備えたオールラウンドミニバン「デリカD:5」のサポートカーでラリーの全行程に帯同し、競技区間での戦況分析や戦略立案からサービス拠点での技術支援まで行なうとしている。

写真は増岡総監督用車両。デリカの誕生55周年の話題喚起策として「チーム三菱ラリーアート」を支える「デリカD:5」サポートカーを計4台投入。リブボーンフレームによる堅牢なボディやさまざまな天候や路面でも最適な操縦性と走破性を提供する電子制御4WDシステムなど、デリカD:5が従来もつ特徴を生かし、WORK製のアルミホイールと、横浜ゴム製のマッド性能に優れるマッドテレインタイヤを装着することでフラットダートからマッドまでラリー全行程を走破できる仕様とした。競技車が走るコースサイドまで視察して戦略策定する増岡総監督が乗りこむ車両には、JAOS製の前後サスペンションを装着し、より悪路走破性を向上。なお、新型トライトンと同様、湧き上がる溶岩のエネルギーをモチーフとしたレッドとブラックのカラーリングとなっている

 チーム三菱ラリーアート総監督 増岡浩氏は「全てが一新され、全方位で進化した新型『トライトン』での参戦に、私自身、期待で胸が高鳴っています。ラリーカーは国内とタイで延べ2000kmを超える耐久試験を行ない特段のトラブルもなく、フラットダートの高速ステージからマッディな低速ステージまで、あらゆるステージで昨年以上のパフォーマンスを発揮できることを確認しました。それぞれが優勝を狙える3台体制であり、必ず表彰台の真ん中を勝ち取り、連覇を果たしたいと思います」とコメントしている。