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写真で見る トヨタ「カローラ」「カローラ ツーリング」
TNGAプラットフォームで一新された12代目カローラ
2019年9月17日 13:12
トヨタ自動車「カローラ」は「良品廉価」を基本コンセプトに発展してきた同社の中核を担うモデル。1966年に初代モデルがセダンボディを纏ってデビューした後、クーペ、ハードトップ、リフトバック、ハッチバック、ステーションワゴンなど、時代のニーズに合わせた変化を取り込みつつさまざまなボディバリエーションを展開、進化を遂げてきた。2019年7月末には世界15か国の生産拠点を持ち、150以上の国と地域で販売され、累計販売台数は4750万台を超えるロングセラーとなっている。
12代目となる新型は2018年6月にハッチバックタイプの「カローラ スポーツ」が先行デビュー。そして、この9月。満を持してセダンボディの「カローラ」とステーションワゴンボディの「カローラ ツーリング」が登場した。
新型カローラ、カローラ ツーリングはTNGA(Toyota New Global Architecture)プラットフォームを採用して世界各国で販売されるが、日本国内向けは専用パッケージとなっている。具体的に何が違うかといえば、ずばりボディサイズだ。歴代カローラはいわゆる「5ナンバー」サイズを堅持してきたが、新型カローラは4495×1745×1435mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースが2640mmとついに3ナンバーサイズに。先代モデル(一部グレードは併売)となる「カローラ アクシオ」(2WDモデル)が4400×1695×1460mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースが2600mmだったのと比べるとかなり大きくなった感がある。
だが、新型の中国向けモデルは4640×1780×1435mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースが2700mmと、実はさらにひとまわり大きいボディを持っている。つまり、日本仕様は国内の道路事情などに合わせて若干小型化した専用ボディを採用しているのだ。加えてドアミラーの取り付け位置やドア開口角度などにも手が加えられており、ミラー格納時の車幅やドアを開けた際の車幅は従来型と同等になるように工夫されている。
用意されるパワートレーンは3種類。ガソリンエンジンは従来型の1.5リッターから1.8リッターに排気量が変更され、1.8リッターハイブリッド(ハイブリッド車)と1.8リッターガソリン(ガソリン車)を用意。加えてスポーティモデル向けに1.2リッターターボ(ターボ車)もラインアップする。バリエーションはハイブリッド車が2WD(FF)とモーターを使った4WD(E-Four)を用意。ガソリン車とターボ車は2WD(FF)のみで、前者が7速スポーツシーケンシャルシフトマチック付Super CVT-i、後者は6速iMTのみの設定となる。
ハイブリッド車のガソリンエンジンは直列4気筒の「2ZR-FXE」ユニットで、最高出力72kW(98PS)/5200rpm、最大トルク142Nm(14.5kgfm)/3600rpm。組み合わされるモーターは「1NM」型で、最高出力53kW(72PS)、最大トルク163Nm(16.6kgfm)。E-Fourにはさらにリアモーターとして「1MM」型が搭載され、最高出力5.3kW(7.2PS)、最大トルク55Nm(5.6kgfm)となる。燃料はレギュラーガソリン仕様となっており、WLTCモード燃費(それぞれ最良値)は29.0km/L、市街地モード27.8km/L、郊外モード32.2km/L、高速道路モード27.7km/L。JC08モード燃費(最良値)は35.0km/Lと、排気量アップにもかかわらず先代モデルの34.4km/Lより若干ではあるものの燃費向上をしている。
ガソリン車のエンジンは直列4気筒の「2ZR-FAE」ユニットで、最高出力103kW(140PS)/6200rpm、最大トルク170Nm(17.3kgfm)/3900rpm。こちらも燃料はレギュラーガソリン仕様となっており、WLTCモード燃費は14.6km/L、市街地モード9.6km/L、郊外モード15.9km/L、高速道路モード17.6km/Lとなる。
ターボ車は直列4気筒の「8NR-FTS」ユニットを搭載。最高出力85kW(116PS)/5200-5600rpm、最大トルク185Nm(18.9kgfm)/1500-4000rpmとなる。ターボ車ながら燃料はレギュラーガソリン仕様となっており、WLTCモード燃費は15.8km/L、市街地モード12.5km/L、郊外モード16.0km/L、高速道路モード17.7km/Lと、ダウンサイジングターボらしい省燃費性能を獲得している。
こうしたパワートレーンの強化に加え、TNGA採用による低重心化、リアサスペンションのダブルウィッシュボーン化、およびワイドトレッド化などもあり、「スポーティなデザインと気持ちのよい走り」を実現しているのが新型の特長となる。
安全面では最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を装備。これはミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせたシステムで、プリクラッシュセーフティやオートマチックハイビーム「AHB」、ロードサインアシスト「RSA」を全車に標準装備。上級グレードのCVT車ではレーントレーシングアシスト「LTA」、全車速追従機能付のレーダークルーズコントロール、インテリジェントクリアランスソナーなども標準装着する。
装備面で注目したいのは、国内トヨタブランドでは初となる「ディスプレイオーディオ」の標準装備化。これは7インチディスプレイと4スピーカー、専用通信機(DCM)を組み合わせたもので、AM/FMチューナーのほかにBluetooth、USB(音楽/映像再生)、Miracastなどに対応。さらに、5年間無料で利用可能な「T-Connect」サービスにより、エアバッグ連動型の「ヘルプネット」、車両の状態などが確認できる「マイカーサーチ」といった機能が利用可能。また、スマートフォンと接続することで「Smart Device Link」機能により、「LINE カーナビ」などのアプリが利用可能になる。ただし、「Android Auto」「Apple CarPlay」はフルセグ地デジチューナーとのセットオプションとなっており、3万円(税別)が必要。従来型の車載ナビ機能を利用する場合には、「エントリーナビキット」または「T-Connect ナビキット」の2種類が用意されている。
カローラ
エクステリアデザインはカローラ スポーツと共通のテイスト。フロントマスクは大型の台形ロアグリルとメッシュタイプのインナーグリル、L字型のLEDヘッドライトを組み合わせることで、エッジの効いたスポーティな表情を演出。全幅がワイドになったことでホイールまわりも立体感のある造形となり、これまでのカローラが持っていた保守的なイメージを払拭している。インテリアに関しても従来のプラスチッキーな質感を払拭し、上質感のある仕上がりとしている。
グレードはハイブリッド車が「HYBRID G-X」「HYBRID S」「HYBRID W×B」の3タイプ。価格はすべて消費税10%込み(以下同)で順に240万3500円、257万4000円、275万円で、それぞれ4WD車は19万8000円高。ガソリン車も同様に「G-X」「S」「W×B」の各3タイプで、価格は順に193万6000円、213万9500円、231万5500円。ターボ車は「W×B」のみの設定となり、価格は240万9000円となる。ボディカラーはW×Bがメーカーオプションとなる「スパークリングブラックパールクリスタルシャイン」など3色、その他のグレードには8色が用意される。
カローラ ツーリング
ステーションワゴンタイプのボディを持つのがこのモデル。全長と全幅はセダンと変わらず、全高のみ1460mmと若干アップする。ホイールベースも2640mmで共通。ボディ後部は従来型の「カローラ フィールダー」より絞り込まれた印象で、パーソナルモデルの印象を強めた格好。リアハッチはカローラ スポーツと同じく樹脂製を採用し、立体的な造形を実現するとともに軽量化にも寄与する。
ラゲッジスペースには2段式(4WD車は1段式)の「リバーシブルデッキボード」を採用。6:4分割可倒式のリアシートと組み合わせて長尺物を、また下段にセットする事で背の高い荷物の積載を可能としている。
グレード構成はセダンと同様で、ハイブリッド車が「HYBRID G-X」「HYBRID S」「HYBRID W×B」の3タイプ。価格はすべて消費税10%込み(以下同)で、順に248万500円、265万1000円、279万9500円。4WD車はそれぞれ19万8000円高。ガソリン車も同様に「G-X」「S」「W×B」の各3タイプで、価格は順に201万3000円、221万6500円、236万5000円。ターボ車は「W×B」のみの設定となり、価格は245万8500円となる。ボディカラーもセダンと同じバリエーションとなる。